更新日:2024/05/30
この記事のまとめ
転職時の採用試験において、面接以外に筆記試験が実施されているケースがあります。対策を取りたくてもどのような問題が出題されているのか分からず、準備に困っている方もいるのではないしょうか。
そこで今回は、転職時に実施されている筆記試験の種類と対策方法について解説します。筆記試験が実施されている理由や準備時の注意点も紹介しているため、転職を考えている方はぜひ参考にしてみてください。
目次
転職時の採用試験では、面接だけでなく筆記試験も実施されるケースがあります。会社ごとにその内容は異なるため、内容を把握して準備しておかなければなりません。転職時に筆記試験が実施されている理由は、主に2つ考えられます。
転職時に筆記試験が実施されているのは、面接では測定できない応募者の基礎的な能力を調査するためです。文章力や数的処理能力などの一般知識だけでなく、各職種それぞれの実務に必要な知識や仕事に対する適性をチェックされるケースも多くあります。
「実際に入職したとき即戦力になるか」という観点で、点数をつけられるような評価を必要としている企業も少なくありません。
転職時に筆記試験が実施されているもうひとつの理由としては、基準を明確にして「採用しない人」を決めるためです。点数化しやすい筆記試験を実施すると、自社に合わない人物を「足切りライン」として設定できるため、不合格者を決めやすくなります。
また応募者が多い場合は先に筆記試験を実施し、ふるいにかけることで面接時間の短縮も可能です。中途採用における筆記試験の場合、筆記試験の重要度は低い傾向にありますが、企業が決めた一定ラインを超えないときは採用が見送られる可能性が高くなるでしょう。
転職時に実施される筆記試験の内容は、実務に関する専門的な知識を問うものから、事務処理能力や文章力などの一般常識までさまざまです。性格検査や適性調査によって人柄を調査される場合もあります。ここでは転職時に実施される筆記試験の種類について、5つを詳しくご紹介します。
筆記試験で問われる内容として、基礎学力や情報処理スキルのような一般常識が挙げられます。基礎学力や情報処理能力、時事問題などが出題されているため、義務教育で勉強する基本的な内容を確認しておくと安心です。
基礎学力や情報処理能力はSPIの試験として組み込まれている場合もあります。SPIとはリクルートマネジメントソリューションズが開発した適性検査で、以下の2種類に分けられます。
<SPIの種類>
一般常識として問われるのは、基礎能力を測る能力テストの方であり、以下のような問題が出題されています。
<能力テストの内容>
SPIは対象者によって種類が異なるため、転職を検討している方は中途採用向け適性検査である「SPI3-G」についてチェックしておくとよいでしょう。
筆記試験では演算能力や語彙などの知識問題が、能力検査のひとつとして問われる場合もあります。能力検査ではSPIや「玉手箱」と呼ばれる検査が、よく活用されています。「玉手箱」は日本エス・エイチ・エルが作成しており、以下のような科目で構成された検査です。
<玉手箱の検査項目>
玉手箱で出題される問題は、回答できる時間が短い点が特徴です。したがって試験当日までに練習問題に何度か触れておくと安心でしょう。
面接だけでは判断しきれない応募者の人柄や人物イメージを理解するために、性格適性検査も実施されています。ストレス耐性や組織との適合度、積極性などがチェック項目です。
性格適性検査は、主に「CUBIC」と「クレペリンテスト(クレペリン検査)」によって実施されています。CUBICとは個人の特性や性格を把握するために、「いいえ」「少しそうだ」「かなりそうだ」「非常にそうだ」の4つの選択肢から回答していくタイプの検査です。CUBICには、「嘘をつかないか」というライスケールを調べる問題も含まれています。
クレペリンテストは、個人の特性や仕事ぶりを測るものです。簡単な1桁の足し算をすることで、能力や性格、行動特徴を把握します。回答数が少ない場合や誤答がある場合は、採用が見送られる可能性があるため、慎重に回答しましょう。
ITエンジニアや金融業界、研究開発職など専門的な知識が必要な職種においては、即戦力を調べるための問題も出題されています。
たとえばIT系の技術職の場合は、プログラミングの能力を測るコーディングテストが該当します。研究開発者であれば、物理や科学など自分の専門分野の内容が問われるでしょう。同じ業界間での転職ならそこまで心配ありませんが、未経験の状態で試験を受ける際は、ある程度勉強が必要となる試験内容です。
筆記試験では、問題に回答するパターン以外に小論文を提出する試験も実施されています。テーマや制限時間、ボリュームは業種によってさまざまです。企業は小論文を出題することで、応募者の考えや与えられたテーマを考察する力を把握できます。また文章校正を見ると、理論性や計画性の有無を判断できるでしょう。
一問一答など選択肢が与えられている筆記試験とは異なり、多くの観点を判断材料とできる小論文試験を導入している企業は多くあります。文章を書く機会が少ない方は、あらかじめ練習しておくと安心です。
筆記試験では一般常識や業種に関する専門知識以外に、企業独自の問題が出題されるケースもみられます。具体的には業界のトレンドに関する出題や、即興のプレゼンが該当します。
さらにスローガンや前年度の売上を問い、企業についてどのくらい調べてきたのかチェックするケースもあるようです。
一問一答形式の問題以外に、以下のような課題について論文形式での提出を求める試験も実施されています。
筆記試験の内容や出題方式は、企業や業種によって大きく異なります。下準備や練習が採用結果を左右する可能性も十分あるといえるでしょう。ここでは転職の際、筆記試験対策として準備しておきたいことについて解説します。できるだけ早めに取りかかり、後悔のないように十分時間をかけて準備しておきましょう。
一般常識や時事問題への対策として、ニュースや新聞を日々チェックしておくようにしましょう。特に時事問題は毎年違う内容が出題されるため、過去問題は頼りになりません。
最近ではスマホアプリでもニュースの内容は把握できますが、新聞ではプロの記者が書いた分かりやすい文章を学べることから、論文対策にもなります。タブレットやパソコンで閲覧できる新聞も増えているため、筆記試験までの間は購入して読んでおくと安心です。
能力・性格適性検査や、専門知識に関する問題が出題される場合は、市販の問題集を解いて準備しておくのも筆記試験の対策として有効です。問題集にある内容を正しく理解し処理できれば、類似した問題にも対応できます。
筆記試験は制限時間が設けられており、限られた時間でベストを尽くさなければなりません。出題傾向を掴み、試験をイメージしながら問題を解く練習をしておけば、当日も焦らず冷静に回答できるでしょう。最近ではアプリなどデジタル問題集も販売されており、隙間時間で準備しておけます。
小論文が出題される筆記試験に関しては、自分の意見を短文でまとめる練習で対策ができます。過去の出題傾向が分かっている場合は、参考回答を一切見ずに答えてみる練習も有効です。自分の意見をまとめる練習は、小論文対策だけでなく筆記試験後の面接でも成果を発揮してくれるでしょう。
意見をまとめて伝える力は入職してからも必要となるため、転職活動を機に磨いておいて損のないスキルです。
筆記試験を無事乗り越えるには、当日までに十分な下準備をしておくことが大切です。ただでさえ緊張感のある転職活動。焦ってしまっては本領発揮できず、不本意な結果に終わってしまうかもしれません。ここでは筆記試験を受ける際に気をつけるべき注意点を2つご紹介します。
筆記試験は事前に対策を取れる内容が大半を占めているため、余裕があるうちに準備を進めておくようにしましょう。
過去の出題傾向が把握できている場合はその内容に沿って準備を進め、把握できていない場合は自分が予想する内容を幅広く頭にいれておくと安心です。前日の夜に焦って準備を始め、寝不足のまま試験会場に向かうといったことがないように、なるべく早めに取りかかりましょう。
試験日や課題の提出日を間違えてしまうと、どんなに準備をしていてもその成果を発揮できずに終わってしまいます。とにかく期日を守るよう心がけ、何度も確認しましょう。オンライン面談を受験する場合は、スケジュールにも十分注意する必要があります。
転職時の筆記試験は、面接では判断できない応募者の基礎能力を把握するために実施されています。新卒採用ほど重視されていないものの、希望者が多い場合の「足切り」を目的に実施されているケースもあるでしょう。
一般常識から小論文まで、出題傾向は企業によってさまざまであるため、十分な対策が必要です。転職時の筆記試験対策に不安がある方は、マイナビエージェントにご相談ください。
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