更新日:2022/05/23
「ネットワークエンジニア」と「サーバーエンジニア」は、数あるITエンジニアの中でも、特に混同されがちな職種です。
ここでは、そんな2つのエンジニアの違いを、仕事内容、待遇、求人情勢、求められる能力、将来性など、様々な面で比較してご紹介します。
目次
一言でいえば、ネットワークエンジニアは「ネットワークをつなぐアプリケーション」に関する業務を行います。
サーバーエンジニアは、「サーバーを動かすアプリケーション」に関する業務を行います。
ネットワークエンジニアの業務は、「ネットワークの設計・構築・保守と運営」です。
仕事の進め方としては、顧客からのヒアリングを行って、どんなネットワークを築いてほしいのか、その要望を把握するところからスタートします。
要望に沿って設計図を描き、その設計図に従って実際にネットワークを構築。
ネットワークが無事稼動した後はクライアント企業に常駐するか、リモートで監視と運用、トラブル対応を行います。
何人かのネットワークエンジニアでチームを組んで、それぞれの段階ごとに手分けして仕事をする場合もあれば、案件の大きさによっては1人で設計から運営までをこなす場合もあります。
サーバーエンジニアの業務は「サーバーの設計・構築・管理」です。
仕事の進め方はネットワークエンジニアと同じで、まずは顧客からインターネットを利用して自社向け・外向けにどのようなサービスを展開したいのかをヒアリングし、その希望をかなえるにはどのタイプのサーバーをどのぐらい使用するかを設計するところからスタートします。
次に設計図に沿ってサーバーの構築を行いますが、これにはネットワーク回線の通信速度の見直しや物理的な配線作業の他、OSやサーバーアプリケーションのインストールなども含まれます。
サーバーが立ち上がった後は、実際に運用しながら必要に応じて修正を行い、万が一サーバー障害が起こった場合は、迅速な復旧作業を行います。
ネットワークエンジニアとサーバーエンジニアの年収は、ともに400万~600万円前後であることが多く、大きな違いはありません。
また、この数値はあくまで平均であり、ネットワークエンジニアであってもサーバーエンジニアであっても実際の年収額は、働き方や求められる技術レベルによって変わります。
ネットワークエンジニアがサーバーエンジニアの職域を、サーバーエンジニアがネットワークエンジニアの職域を学び、1人で対応できる範囲を増やすことができれば、より好条件の仕事に就きやすくなります。
ネットワークエンジニアとサーバーエンジニア、どちらの場合も、主な転職先としてはSIerと企業の情報システム部門が挙げられます。
SIerは、顧客から注文を受注して、システムの設計・構築を請け負う会社で、ネットワークエンジニアとサーバーエンジニアの職域はきっちり分かれているのが一般的です。
大手SIerの場合は、自社が受注した案件で、中小のSIerの場合は主に大手SIerの下請けという形で、それぞれの専門分野において参加することになります。
企業の情報システム部門に勤務する場合は、社内システムのメンテナンスと管理が主な仕事で、会社の規模が小さいほど「IT全般担当」に近づき、様々な業務を任される傾向があります。
なお、大規模なシステム改修などのときは外部SIerの協力を得るケースがほとんどですので、ある分野に卓越した技術というよりは、ネットワークエンジニアとサーバーエンジニアの双方の職域にまたがる広い知識や技術と、外部SIerからの提案を適切に分析、評価して、人に伝える能力などが求められます。
担当している仕事の内容にもよりますが、ネットワークエンジニアとサーバーエンジニアをするにあたって必要なものは、基本的に以下のとおりです。
ネットワークエンジニアには、ウェブやネットワークに関する知識全般が求められます。
特に、ADSLやIP-VPNに代表されるWAN系、無線LANやTCP/IPなどのLAN系、そしてDNSやWWWサーバー、アプリケーションサーバーに代表されるインターネット系の3ジャンルの知識は必須でしょう。
キャリアアップを目指すなら、国家資格であるネットワークスペシャリストや情報セキュリティスペシャリスト、世界共通で評価を得られるシスコ技術者認定のCCNP、CCIEクラスを取得しておくといいでしょう。
ネットワークエンジニアは、ネットワークの設計段階ではクライアント、構築・保守の段階では各統括部門の設計者やマネージャー、運営段階では利用者と、常に多くの人の話を聞き、意見を交換しながら仕事を進めていく仕事ですから、コミュニケーション能力は必須です。
特に、ユーザーとのやりとりでは、難しい専門用語を使わずに、相手の理解度に合わせて話をするスキルも求められます。
サーバーエンジニアは、メールサーバー、ウェブサーバー、ファイルサーバーなど、多種多様なサーバーについての知識はもちろん、OS、セキュリティ、ネットワークに関する知識が必須です。
また、アプリケーションサーバーを扱う場合は、アプリケーション開発の知識や技術も必要となります。
さらに、近年急速に進んでいるネットワークのクラウド化により、自社サーバーを持たない企業も増えているため、ネットワークインフラについての知識も深めておくといいでしょう。
キャリアアップを目指すなら、LPICやMCPなどOS関連の資格、シスコ技術者認定のCCNAやCCNPなどのネットワーク関連の資格を取得するのもおすすめです。
サーバー構築の際は、クライアントやプログラマーとのやりとりが発生しますから、仕事を円滑に進める上ではコミュニケーション能力も必要です。
サーバーエンジニアにとって重要な仕事のひとつである運用・保守業務では、トラブルを未然に防ぐ問題発見力や、トラブルが発生した際に迅速に対応できるフットワークの軽さ、問題解決能力などが求められます。
ネットワークエンジニアとサーバーエンジニアの将来性を考える上で、これまで各企業で構築し、保守・運営を行っていたネットワークやサーバーが、クラウド化により外部に移行している状況を避けて通ることはできません。
ネットワークエンジニアの場合、クラウド化が進んだことでネットワークの管理・運用の仕事は減る傾向にあります。
しかし、企業にとってネットワークインフラの重要性は変わりませんから、ネットワークの設計や構築の仕事は依然としてありますし、クラウドにも精通したネットワークエンジニアの需要はむしろ高まっている状態です。
サーバーエンジニアは、クラウド化の進行により、これまで以上にネットワークインフラの知識を深める重要性が増しています。
また、ビッグデータの取扱いを見越して、サーバーの処理能力を高め、データを有効活用できる仕組みづくりなど、新しい需要が生まれています。
ネットワークエンジニアとサーバーエンジニアの仕事はどちらも幅広く、たとえ同じ肩書きでも、実際の仕事内容は企業ごとに大きく違っていることも少なくありません。
転職活動をする際には、その企業の業務内容をしっかり確認しておく必要があります。
しかし、企業研究をするにも、限界があります。 そんなときは、マイナビエージェントにご相談ください。
ウェブサイトや求人票からは得られないような情報を基に、その業界に詳しい専門のキャリアアドバイザーがあなたに合った転職先をご紹介いたします。
マイナビエージェントには、IT業界への転職サポート実績が数多くあります。
応募前の「審査書類の添削」や「面接対策」など、転職に関する様々なお悩みについてキャリアアドバイザーが手厚くフォローさせていただきます。
みなさまの将来の選択肢を広げるお手伝いをさせて頂けたらと思いますので、まずはお気軽にお問い合わせください。
IT業界
Webエンジニアに将来性はない?AI発展の3つの影響と生き残るための戦略
IT業界
ネットワークエンジニアの将来性は?需要が高まる理由と必須のスキル
IT業界
システムエンジニアを辞めたい4つの理由と辞める前に確認したいこと