棚卸とは?棚卸の種類や、棚卸をする理由について|求人・転職エージェント

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更新日:2023/12/08

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棚卸とは?棚卸の種類や、棚卸をする理由について

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企業が、自社の利益を確定するために欠かせない作業である棚卸。棚卸は法人税法に定められた企業の義務でもあり、利益を確定、把握することは、経営の面から考えてもとても大切です。

ここでは、棚卸の仕事内容についてご紹介します。

目次

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棚卸は企業の棚卸資産の状況を把握し、利益を確定するために行う

企業が自社の利益を確定するためには、売上から仕入れ費用や製造コストを差し引かなくてはなりません。

これらの仕入れ費用や製造コストを「売上原価」といいます。式で表すと以下のようになります。

利益=売上-売上原価


売上原価には、まだ販売されずに手元にある商品・製品や、使っていない材料なども含まれています。
これを「在庫」といい、在庫がどれだけ手元にあるのか、そしてどれぐらいの価値があるのかを確定するのが「棚卸」という作業です。

棚卸のタイミング

棚卸のタイミングは、法人税基本通達で「各事業年度終了時」と決められています。いわゆる年度末といわれる決算期です。

この他にも毎日、毎週、月末、四半期末など、様々なタイミングで棚卸をしますが、事業年度末の棚卸以外は、企業の判断に任されています。

業界によって異なる在庫の種類

業界によって何を扱っているかが異なるため、在庫の種類も異なります。

小売・卸売業の在庫

 商品:仕入れた商品在庫

製造・加工業の在庫

 製品:製造した製品在庫
 原材料:製造に使う材料の在庫
 半製品:製造中で、もう販売できる在庫(パーツなど)
 仕掛品:製造中で、まだ販売できない在庫

「実地棚卸」と「帳簿棚卸」の違いは?

棚卸には、大きく分けて「実地棚卸」と「帳簿棚卸」の2つの方法があります。

実地棚卸

実地棚卸は、実際に在庫を数える作業をする棚卸です。日常業務をストップして、スタッフを動員し、半日~1日の時間をかけて実際に在庫を数え、さらに品質のチェックも行います。棚卸が1日では終わらず、数日かける企業もあります。

作業終了後には、「棚卸表」を作成します。

帳簿棚卸

帳簿棚卸は、帳簿上で在庫を確認する棚卸です。在庫管理のソフトウェアなどもあるため、棚卸のコストは抑えられますが、在庫の品質チェックや、万引き被害などによる在庫数の誤差を確認することはできません。

帳簿棚卸で週単位、月単位のおよその在庫状況を把握しておき、年に数回の実地棚卸で実態を把握する企業が多いようです。

実地棚卸でよく聞く「ロス」とは?

実地棚卸をして、帳簿棚卸で把握しているよりも在庫数が少なくなったことを、「ロス」といいます。
このロスの原因には、万引きや仕入れ時のカウントミス、返品などがあります。ロスを把握することも、実地棚卸の重要な目的です。

棚卸後に行う「棚卸資産の評価」とは?

在庫の数を把握したら、その在庫にはどれぐらいの価値があるのかを計算します。この在庫の価値を計算することを「棚卸資産の評価」といいます。

棚卸資産の評価に使われる「最終仕入原価法」

企業などが仕入れをする場合、同じ物を何度も仕入れますが、仕入れの度に値段が違うことがあります。こうした場合、特に届け出をしない限りは「最終仕入原価法」と呼ばれる評価方法で資産評価することになります。

最終仕入原価法では、同じ種類の在庫については、その年度内で最後に取得したときの価格を使って棚卸資産の評価をします。

棚卸と棚卸資産の評価を経て、売上原価が確定される

こうして、棚卸と棚卸資産の評価を経て、ようやく売上原価がわかります。

売上原価=年度始めの棚卸資産評価額+年度内の仕入高-年度末の棚卸資産評価額


この売上原価を売上から引くことで、利益が確定するのです。

利益=売上-売上原価


棚卸とその後の棚卸資産の評価次第で、売上が大きくても利益が出ていないとわかることもあります。また製品の在庫が多ければ、売れ行きが良くない証明になりますし、原材料の在庫が多ければ、計画通りの生産ができていない可能性が高いということになります。

企業の経営にとって、棚卸はとても重要な役割を持ちます。それぞれの企業の資産評価額は、経営がうまくいっているかどうかを、株主や取引先が判断するための、重要な指標のひとつとなります。

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マイナビエージェント編集部

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