電気主任技術者とは?資格取得方法や試験について|求人・転職エージェント

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更新日:2022/07/06

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電気主任技術者とは?資格取得方法や試験について

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電気設備関連の仕事に就くのであれば、電気主任技術者の資格取得がおすすめです。
国家資格である電気主任技術者の資格試験は「電験」とも呼ばれ、電気の専門家としての知識を身に付け、プロフェッショナルとして働きたい人にとっては登竜門とされています。
ここでは、電気主任技術者資格の概要や取得方法、試験内容などについてまとめました。

目次

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電気主任技術者とは?

電気主任技術者は、電気工作物の工事や、維持・運用などの保安監督業務を行います。
なお、電気事業法第43条により、電気工作物を設置している会社は、電気主任技術者を選任しなければならないと定められています。

電気主任技術者には、第一種電気主任技術者、第二種電気主任技術者、第三種電気主任技術者の3種類があり、電気工作物の電圧によって異なります。

  • 第一種電気主任技術者...全ての事業用電気工作物
  • 第二種電気主任技術者...電圧17万ボルト未満の事業用電気工作物
  • 第三種電気主任技術者...電圧5万ボルト未満の事業用電気工作物(ただし、出力が5,000キロワット以上の発電所は不可)

電気主任技術者になる方法は、以下の2種類があります。

  1. 指定の学校で電気関係の単位を取得後に実務経験を積んだ後に、面接などを経て認定されれば、免状を取得できる
  2. 電気主任技術者試験に合格すれば、免状を取得できる

(1)については様々な条件があるため、この記事では割愛しています。

電気主任技術者試験について

電気主任技術者試験は、受験資格や試験の内容、難度など、資格取得のためのポイントをまとめました。
これから受験を目指している人は、チェックしておきましょう。

受験資格

全種類とも、特に制限は設けられておらず、誰でも受験することができます。

試験内容

電気主任技術者試験の内容は、第一種電気主任技術者と第二種電気主任技術者、第三種電気主任技術者でそれぞれ異なります。
また、第一種電気主任技術者と第二種電気主任技術者は一次試験と二次試験があり、第三種電気主任技術者は一次試験のみあります。

第一種電気主任技術者と第二種電気主任技術者の試験内容

  • 一次試験:理論、電力、機械、法規(全てマークシート)
  • 二次試験:電力・管理、機械・制御(全て記述式)

一次試験と二次試験は日にちが異なっていて、一次試験に合格すると二次試験を受けることができます。
もし、一次試験に合格して二次試験に落ちてしまった場合は、翌年の一次試験が免除されます(再度、二次試験に落ちてしまった場合、次回はもう一度一次試験から受験します)。

また、一次試験は4科目それぞれについて合格、不合格が判定されます。
一度合格した科目は、翌年と翌々年の受験が免除されます。つまり、一次試験は、3年以内に4科目全てに合格すれば通過できるということになります。

第三種電気主任技術者の試験内容

  • 理論、電力、機械、法規(全てマークシート)

第三種電気主任技術者の試験は1日のみです。
第三種電気主任技術者も科目ごとに合否が判定され、一部の科目のみ合格した場合、翌年と翌々年は合格した科目の受験が免除されます。
そのため、3年以内に4科目が合格できれば資格が取得できます。

試験実施時期と試験会場

第一種電気主任技術者、第二種電気主任技術者、第三種電気主任技術者とも、試験日は年に1回です。

第一種電気主任技術者、第二種電気主任技術者の試験日程

  • 受験申込:5月下旬~6月中旬
  • 試験実施時期:一次試験8月下旬(土曜日)/二次試験11月中旬(日曜日)

第三種電気主任技術者の試験日程

  • 受験申込:5月下旬~6月中旬
  • 試験実施時期:9月上旬(日曜日)

試験会場は、「北海道地区」「東北地区」「関東地区」「中部地区」「北陸地区」「関西地区」「中国地区」「四国地区」「九州地区」「沖縄地区」の10地区から選択します。

第三種電気主任技術者の場合、地区ごとにさらに1~9のエリアを選択することができますが、第一種電気主任技術者、第二種電気主任技術者では、細かく地域を選ぶことはできません。
どこの県で開催されるかについては、それぞれの年度の受験案内で確認できます。

合格基準と難度

電気技術主任者試験の合格基準は、試験が終わった後で発表されます。それは、年ごとの問題の難度などによって基準が調整されるためです。
とはいえ、60%程度正解できれば合格となる可能性が高いでしょう。

第一種電気主任技術者、第二種電気主任技術者、第三種電気主任技術者それぞれの2018年度の合格率は下記のとおりです。

第一種電気主任技術者の合格率

  • 一次試験:24.1%
  • 二次試験:13.7%

第二種電気主任技術者の合格率

  • 一次試験:24.1%
  • 二次試験:14.5%

第三種電気主任技術者の合格率

9.1%

第一種電気主任技術者、第二種電気主任技術者、第三種電気主任技術者ともに、合格率が低い結果となっています。
第三種電気主任者の合格率が低いのは、それだけ難度の高い試験だということを表しています。一度に合格を目指すのではなく、1、2科目ずつ勉強を進めて、3年かけてじっくり資格取得を目指す人も多いでしょう。そして、第三種電気主任者に合格した人の中から、さらに勉強したり、科目合格を利用したりして、ステップアップしていくことで、第二種電気主任技術者、第一種電気主任技術者ともに、20%以上の合格率になっていると予想されます。

受験手数料

電気技術主任者試験の受験手数料は、インターネット上から申込みをするか、書面で申込みをするかによって異なります。

インターネット申込み 書面申込み
第一種電気主任技術者
第二種電気主任技術者
12,400円(非課税) 12,800円(非課税)
第三種電気主任技術者 4,850円(非課税) 5,200円(非課税)


インターネット申込みは、一般財団法人電気技術試験センターのウェブサイトから誰でも行うことができ、クレジットカード支払い、コンビニ決済、ペイジー決済、銀行振込と、支払い方法も豊富です。
書面申込みを利用する場合は、郵便局の窓口で受験料の納付と受験申込みを行います。

なお、合格後に免状の交付申請を行う際、交付手数料として2,350円が別途かかります(第一種電気主任技術者、第二種電気主任技術者、第三種電気主任技術者共通)。

申込みから免状交付までの流れ

電気主任技術者試験の申込みから免状交付までの基本的な流れは下記のとおりです。
ただし、第一種電気主任技術者と第二種電気主任技術者の場合は、一次試験と二次試験があります。そのため、一次試験に4科目合格していた人のみ二次試験に進み、合格すると免状交付となります。

  1. インターネットもしくは書面で受験申込みを行う
  2. 受験票が届く(受験会場の確認)
  3. 受験
  4. 合格発表
  5. (全科目合格の場合のみ)経済産業大臣に免状交付の申請を行う
  6. 免状が交付される

電気主任技術者試験はまず第三種電気主任技術者から目指そう

電気主任技術者試験に合格するのは、簡単なことではありません。
上位の資格を目指している人でも、比較的難度の低い第三種電気主任技術者から始めて、第二種電気主任技術者、第一種電気主任技術者とステップアップしていくのが一般的です。

第三種電気主任技術者でも、合格率は10%程度と非常に低い難関試験ですから、最初から1年で合格を目指すのではなく、2科目ずつ重点的に勉強して2年で合格を目指し、取りこぼしがあった場合は3年目で確実に資格取得をするといった目指し方もあります。

勉強に取れる時間や試験範囲についての自分の知見などを考えて、資格取得プロセスを決定しましょう。

電気主任技術者資格を活かせる仕事

電気主任技術者資格は、電気工事会社や電力会社といった電気関係の工事を行う仕事の他、建設会社や工場、ビルメンテナンスなどの現場でも活かすことができる汎用性の高い資格です。
しかも、電気主任技術者の資格取得後は、認定電気工事従事者講習の受講資格を得ることができます。この他、電気主任技術者の資格取得後に5年以上の実務経験を積むと、第一種電気工事士の資格も取得できます。

電気主任技術者資格は、目指す人に対して合格者数の少ない資格です。
3年かけて合格を目指せるとはいえ、それだけの期間、勉強へのモチベーションを維持し、資格取得につなげるのは簡単なことではありません。そのため、保有していると、就職・転職の際の大きな強みにすることができます。

とはいえ、電気関連業では未経験可の求人もありますから、働きながら長期間かけて資格の取得を目指すことも可能です。
資格保有者の先輩が多い職場で経験を積むことは、勉強にもなりますし、モチベーションも維持しやすいでしょう。

電気主任技術者資格を取得するためには計画的な勉強が必須

電気主任技術者資格は、電気関連資格の中でも難度が高い資格です。その分、転職などの際は大きなアピールポイントにもなるでしょう。資格をすでに取得している人はもちろん、科目合格後、引き続き資格取得に向けてがんばっているという人も、将来性をアピールすることができます。

電気主任技術者資格を活かした転職を目指す人や、将来の取得を目指していて関連業界に就職したいと考えている人は、ぜひ一度、マイナビエージェントにご相談ください。

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マイナビエージェント編集部

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