特許調査とは?特許調査の種類や特許調査員の仕事内容について|求人・転職エージェント

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更新日:2022/04/08

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特許調査とは?特許調査の種類や特許調査員の仕事内容について

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「特許調査」はあまり耳慣れない言葉ですが、ビジネスや科学技術を発展させる上で、非常に重要度の高い仕事です。
ここでは、特許調査とはどういう目的でどのような調査が行われるのか、特許調査を仕事とする特許調査員はどのように業務を進めていくのかをご紹介します。

目次

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特許調査とは特許出願前に行う調査

特許権の登録は、発明を保護するためのものです。ただ、出願したら必ず特許権を取得できるわけではありません。
出願した発明が、すでに他の人によって特許権を取得されていた場合は、当然、特許権は認められないからです。

特許調査とは、発明の特許出願をしようと考えるときに、事前に行われる調査のこと。
調査の結果、これまでにない新規性のあるものであるとわかれば、安心して特許出願を行うことができます。もし、すでに特許権が他で認められているものであれば、出願を取りやめ、費用も含めた無駄が出るのを防ぐことができます。

また、特許調査には、別の目的もあります。特許出願の際の書類の中には、特許の詳細を記載する「明細書」というものがあります。
この明細書を作成する際、同じ分野の発明に関する明細書を読めば、書き方などがとても参考になります。参考になりそうな明細書も、特許調査によって入手できるのです。

特許調査の4つの種類

特許調査には、大きく分けて4つの種類があります。それぞれについて、詳しく解説します。

1.技術動向調査(技術収集調査)

技術動向調査(技術収集調査)は、研究を開始するときや研究中に、研究テーマと関連のある分野の最新の技術動向を調べることです。
公開公報、公表公報、再公表公報、国際公開公報など、出願があったことを公開する公報の中に、対象の技術が載っている公報がないかを調べます。
これにより、研究の重複を防ぐことができ、競合他社がどのような研究を行っているかがわかるため、研究の方向性を定めるのにも役立ちます。

2.先行技術調査(出願前調査)

先行技術調査(出願前調査)とは、これから出願しようとしている発明が、すでに誰かに出願されていないかを調べるものです。
技術動向調査と同様、出願があったことを公開する公報の中に、対象となる発明が載っていないかを調べるものです。
なお、技術動向調査は、発明完成前にする調査であり、先行技術調査は発明完成後に行う調査を言います。
調査の結果、発明が記載された公報があった場合は、その発明は特許出願をしても認定されることがないと判断でき、無駄な出願を防ぐことができます。

3.侵害防止調査(権利調査)

侵害防止調査(権利調査)とは、開発中の商品やこれから販売する商品が、他人の特許権を侵害する可能性がないかを調べる調査です。
この調査は、出願があったことを公開する公報や、特許公報などの設定登録後の公報、さらに、審査経過情報などを調べます。
侵害防止調査は、商品の設計から製造前の段階までにかけて行います。侵害してしまいそうな特許権がないことが確認できれば、そのまま製造・販売に進むことができますし、万が一、障害となる特許権があることがわかった場合は、特許権を侵害しない方向にシフトすることができます。

4.無効資料調査(公知例調査)

無効資料調査(公知例調査)は、他人の特許権を無効化できる証拠資料を探し出すための調査です。
たとえば、自社で製造販売した商品が、他人の特許権を侵害していると警告されたときなどに行うもので、相手方の特許を無効化する資料を調査します。
無効審判請求で無効の審決が出ると、自社の商品を安心して製造・販売することができます。

特許調査員としての仕事の進め方

前述のような内容の調査を行うのが、特許調査員の仕事です。続いて、具体的にどのように調査を進めるかをご紹介します。

1.調査の目的を定める

特許調査は、膨大な数の特許を闇雲に調べていくわけではありません。
まずは、どのような目的で調査をするのか、そして、どの分野の特許を調べるのかを決定します。

2.出願により公開されている公報から必要な情報を探し当てる

決めた目的にそって、公開されている公報から、ターゲットとなる情報を探し出します。
以前は、国立国会図書館などで公報の文献を手でめくって調べていましたが、現在は、インターネット上で検索をするのが一般的です。

しかし、当然ながら、世界中の莫大な数の特許文献を一つひとつあたっていくことはできません。そこで、調査の目的と関連性の高い特許文献を効率的に取り出して確認するために「検索式」を作成し、特許情報プラットフォームなどの特許検索のデータベースで検索をかけます。

検索式は、国際的に標準化された特許を分類するためのコードの体系である「IPC(国際特許分類)」や、IPCをさらに細分化した分類である「FI記号」、技術を複数の観点から細かく区分したコード体系である「Fターム」などを、必要に応じて組み合わせて作ります。

検索結果に目的に沿う特許文献が出てくるように、検索条件を工夫したり調整したりしながら、調査を進めていきます。

3.検索結果の精査

検索して出てきた特許文献を1件1件読み込み、調査の目的にかなう結果を抽出し、報告書を作成します。

特許調査員として求められるスキルと適性

特許調査員として必要とされるスキルや適性には、どのようなものがあるのでしょうか。いくつかの傾向をご紹介します。

最先端の科学技術に興味がある

特許調査の仕事は、これから特許を出願しようとする最新の技術の新規性が確かであるかなどを調べるのが主な業務です。
ですから、最先端の科学技術にふれることに興味がある方は向いているでしょう。

特許文献を読みこむ語学力・読解力がある

特許調査を進めるにあたっては、検索結果の中から膨大な数の特許文献を読み込まなければなりません。
国際的な技術文献は、英語で書かれているものも多数ありますので、英語の読解力はもちろんのこと、内容を読み解く力も大切です。たとえば、理工系の大学や大学院で学んでいた、あるいは、理工系の基礎知識をある程度持っていることなども必要となってきます。

目的の調査結果にたどり着く粘り強さ

限られた時間の中、膨大な特許情報の中から、求める情報を抽出するのは並大抵の作業ではありません。
検索条件の微調整から、特許文献の情報の読み取りにいたるまで、根気のいる作業が続きます。
業務を遂行するためには、細かな情報に気付く緻密さと、探し出すまであきらめない粘り強さが求められます。

コミュニケーション能力がある

基本的にはパソコンに向かって、コツコツ調査を進めるのが業務の中心となる特許調査員の仕事ですが、希望する情報を確実に抽出するためには、正確に担当者からヒアリングを行う必要があります。
相手の話をきちんと聞き、調査を満足いくものとするためにも、コミュニケーション能力が必要とされる場面もあるのです。

特許調査員を目指すなら、マイナビエージェントに相談を

特許調査員は、あまり表立って注目されるものではありませんが、最先端の科学技術の発展や企業の研究開発を陰で支える重要な仕事です。理工系の知識と文章読解などの文系的なセンスの両方を兼ね備えた方には、目指しやすい職種ともいえます。

ただ、認知度の低い仕事であるために、仕事内容がわかりにくい、本当に適性があるのか判断できないなど、不安を感じることもあるかもしれません。
そんなときは、マイナビエージェントにご相談ください。専門性の高い職種にも詳しいキャリアアドバイザーが、特許調査員への転職についてアドバイスをいたします。

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マイナビエージェント編集部

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