更新日:2024/05/30
この記事のまとめ
半導体業界への将来性を感じ、転職を検討している方もいるかもしれません。実際に採用の場でも高い評価を得るべく、資格取得を検討することもあるでしょう。
そこでこの記事では、半導体業界で活かせる資格を解説します。必要なスキルや将来性についても詳しく解説しているため、これから半導体業界を目指している方に、参考となる内容です。
目次
半導体とは、電気を通す導体と電気を通さない絶縁体の中間に位置する物質を指します。PC・携帯端末といった電子機器や、冷蔵庫・電子レンジなどの家電などさまざまな製品で使われています。
実は半導体業界では、仕事をするうえで必要な資格はありません。研究職や開発職では専門的なスキルが必要な可能性がある一方、営業や事務などの職種では必ずしも資格は必要ではないようです。
資格を取得すれば、業務で役立つ知識やスキルが身につきます。資格を保有していれば転職する際にも、採用担当者から高い評価を受けるケースもあるでしょう。
半導体業界で活躍したいなら、資格取得はひとつの手段です。資格によっては専門性を深めるきっかけになるほか、転職活動においても高い評価につながり、ほかの求職者よりも有利に立ち回れます。ここでは半導体業界で活かせる資格を5つ紹介します。
半導体製品製造技能士は、厚生労働省が認定する国家資格です。半導体を扱う際の技能を証明できるため、業務で知見を活かしたい場合に大変便利です。実際に製造はもちろん、品質管理や営業、設備管理などでも役立ちます。
受験する際には実務経験がいるケースが多いため、注意が必要です。特級と1級は実務経験が必須ですが、2級の場合、学歴によっては実務経験が不要です。
半導体技術者検定は「一般社団法人 パワーデバイス・イネーブリング協会(PDEA)」が主催する検定です。半導体の製造側と利用する側にまつわる知識を、客観的な視点で評価できる唯一の資格です。
資格はエレクトロニクス3級・2級・1級と分かれており、3級は学生も受験が可能です。2級からは目指す職種別に受験科目を選択します。1級まで取得すると、半導体技術の深い専門的知識を有していると評価されます。
ディジタル技術検定は、文部科学省後援の国際文化カレッジが主催している資格のひとつです。半導体の製造に必要なプログラミングスキルや制御システムの設計など、現場で使えるIT知識を養えます。
取得すれば技術者として一定のスキル証明になるほか、ディジタル部門において高度な知見を有していると評価されるでしょう。受験資格は設けられていないため、比較的チャレンジしやすい資格です。
CAD利用技術者試験は「ACSP一般社団法人コンピュータ教育振興協会」が主催する資格試験です。試験は平面上への図面作成を中心とする「2次元CAD利用技術者試験」と、立体的な3Dデータ作成をする「3次元CAD利用技術者試験」に分かれています。
資格を取得すれば、設計エンジニアとしての技術を証明できるほか、転職活動でも好印象を与えるでしょう。2次元・3次元ともに2級までは受験資格を設けていないため、誰でもチャレンジが可能です。
機械保全技能検定は、公益社団法人日本プラントメンテナンス協会が主催する国家資格です。工場設備の修理やメンテナンス業務で必要な知見が身につきます。
3級を除いて受験資格が設けられているため、注意が必要です。試験には3級から特級が設けられており、2級では実務経験2年以上、1級では実務経験7年以上、特級では「1級合格後5年以上の実務経験を積むこと」いった条件が設定されています。
半導体業界では、エンジニアを中心とした技術職のニーズが高い傾向にあります。半導体業界でエンジニアを目指している方でも、詳しい職種や業務内容を把握していないケースは少なくありません。ここでは半導体エンジニアの仕事内容を解説します。
プロセスエンジニアは、半導体製品の製造過程において設備管理や生産スケジュールを立てる仕事です。そのため現場においては、技術的な面での活躍はもちろん生産性の観点でも高いパフォーマンスを意識するとよいでしょう。
現場で活躍するには、スケジュール管理スキルやトラブルへの迅速な対応力が欠かせません。コミュニケーションスキルやマネジメントスキルを活かして活躍したい方に適性のある職種でしょう。
半導体エンジニアは、半導体の集積回路に携わる業務を担う仕事です。具体的には半導体のシステム設計やICチップ内部のレイアウト設計などを担当します。
半導体エンジニアとして活躍するためには、電子技術に対する好奇心はもちろん、コミュニケーションスキルが欠かせません。開発現場では部署メンバー以外の関係者と連携をとる機会も多い傾向にあります。積極的に関係者と交流を図り、開発を円滑に進めるスキルも重要です。
半導体業界では、技術のほかにも身につけておきたいスキルがいくつかあります。チームで効率良く開発するためにも、いずれのスキルも押さえておきましょう。ここでは半導体業界で役立つスキルを紹介します。
最新の情報を学び続ける姿勢が重要です。半導体業界では、数ヵ月単位で情報が古くなったりトレンドが変化したりします。開発の質を高めるうえでも、効率的な情報収集スキルが必要です。
最新の情報収集は、業務改善への実現にもつながります。知識のインプットを繰り返せば、社内の課題やチームの問題解決へ迅速に対応できるようになるでしょう。
半導体エンジニアには、海外の文献・資料を読むスキルが必要です。日本語情報だけに頼ると、英語の説明書しかなかったり専門用語の説明が日本語で記載されていなかったりした際に不便なケースがあります。
外資系の企業では業務に携わる場合、当然ながら英語を使う機会が多いでしょう。社内メンバーとのコミュニケーションでも英語を使う場面があるため、英語力を鍛えておくとよいでしょう。
半導体エンジニアはチーム内だけではなく、管理や販売、関連企業など、さまざまな立場の方々とコミュニケーションを交わします。開発後のスケジュールや製品の扱いにも配慮して業務を進める必要があるため、所属チームのメンバー以外の方々とも積極的な交流を図る意識が欠かせません。
社内で風通しの良い関係を築いておくと、業務効率も上がります。相談がしやすい環境であれば、トラブル発生時にもメンバー間で協力し合い、迅速な解決が可能でしょう。
半導体業界への転職を検討する際、業界の将来性や年収目安は知っておきたい情報です。業界の将来性をどのような観点で判断すれば良いのか、転職前にチェックしておきましょう。ここでは半導体業界の将来性と年収を解説します。
半導体は自動運転技術や5G、AIなどさまざまな分野で欠かせません。実際に5Gの分野では、膨大なデータ量を保存・分析する高性能チップのニーズが高まっています。
さらにAI分野においても、IoTによる半導体ニーズが高まる予想です。半導体は電子端末に搭載されているセンサーや通信媒体など、さまざまな部品で利用されます。すでに高いニーズが見込まれている点において、半導体業界は発展性が高いといえるでしょう。
マイナビエージェントの調査では、半導体業界は平均年収が530万円とメーカー業種の中でも2位の順位を誇るのが特徴です。年代別の平均年収では20代で461万円、30代で584万円といったデータが出ています。
PCやスマホ、家電などあらゆる電子媒体の分野において半導体は欠かせない存在です。業界全体の展望も明るいため、将来的に安定した収入を得ながら働きたい方に適している業界でしょう。
半導体業界では「半導体製品製造技能士」や「機械保全技能検定」など、転職後に役立つ資格があります。将来性も高く長期的なニーズも見込まれているため、安定して業務に携わりたい方に適した業界といえるでしょう。
半導体業界への転職を検討している方は、ぜひマイナビメーカーエージェントをご活用ください。半導体業界で役立つ資格を活かした転職活動の実現をお手伝いします。応募書類の添削や面接対策サポートも行っているため、初めて転職する方も安心です。
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