更新日:2024/02/07
この記事のまとめ
QAエンジニアの仕事はソフトウェアの品質を確保し、顧客満足度に寄与する魅力的な仕事と言えます。しかし「きつい」と言う意見を耳にして、QAエンジニアへの転職を悩んでいる方も多いのではないでしょうか。
そこでこの記事では、QAエンジニアの仕事内容に焦点を当て、「きつい」と言われる理由について解説します。またQAエンジニアの年収や将来性、転職する方法についても紹介しているため、転職を考えている方はぜひ参考にしてみてください。
目次
まずはQAエンジニアについての理解を深めましょう。ここではQAエンジニアの仕事内容や混同されやすいテストエンジニアとの違い、年収、将来性について解説します。転職を検討するうえで重要な情報であるため、事前に押さえておきましょう。
QAエンジニアのQAは「Quality Assurance」の頭文字で、日本語では「品質保証」を意味します。QAエンジニアにはソフトウェアの品質を保証する役割があり、以下のような業務を遂行します。
プロジェクトの要件や設計仕様に基づいてテスト計画を策定します。テストの範囲や目的などを含め、必要な機材や人的リソースを洗い出します。
テスト計画に基づいて具体的なテストを設計します。製品が正常に作動するか、品質は十分かなどを考慮しつつ、テストの手順や技法を決めていきます。
システムができあがったらテストを実行します。システムが要件どおりに作動しているか、問題点がないかを評価し、問題があれば開発者にフィードバックします。
テスト結果から不具合の数や内容などをレポートにまとめ、改善案を開発チームのリーダーやプロジェクトマネージャーに報告します。
テストエンジニアは開発中のシステムにおいて、テスト項目に沿ってテストを実施するITエンジニアです。システムが仕様書どおりに作動しているか、バグがないかをチェックする役割を担います。テスト計画を立案することもありますが、改善点のフィードバックまでは行わないケースがほとんどです。
QAエンジニアとテストエンジニアは業務内容や役割が似ていますが、QAエンジニアは全体的な品質管理とプロセス管理に焦点を当てているのに対し、テストエンジニアは具体的なテスト活動とバグの発見が中心です。
マイナビエージェントの調査によると、QAエンジニアの平均年収は526万円です。IT業界全体の平均年収が427万円であることを踏まえると、QAエンジニアの年収水準は比較的高いと言えるでしょう。
また、QAエンジニアの仕事には高度なスキルが要求される分、テストエンジニアよりも年収は高い傾向にあります。
システムやソフトウェアをリリースしてからミスが発覚してしまうと、損害賠償を請求されたり、開発企業の信用を損なったりと大きな問題やトラブルになりかねません。そのため多くの開発企業がシステムやソフトウェアの品質確保に力を注ぐと同時に、優秀なQAエンジニアを求めています。
AIやロボットによる自動化の観点では「仕事を奪われる心配はない」とは言えませんが、それはどの職業でも同じです。ただし、現段階では需要が下がる心配はなく、将来性が高いと言えます。
転職は人生における転機であり、重要な決断です。QAエンジニアへの転職を検討するにあたり、「仕事内容がきつくないか」「長く続けられるだろうか」など、不安になる方も多いでしょう。実際、QAエンジニアが「きつい」と言われることも少なくありません。
ここでは、QAエンジニアが「きつい」と言われる理由について解説します。
QAエンジニアは同じテストケースを何度も繰り返し実行することがあります。そのためルーティンワークが苦手な人からすると、QAエンジニアの仕事内容が「きつい」「つまらない」と感じることもあるでしょう。
ただし、QAエンジニアが担当するシステムやソフトウェアは毎回同じではなく、完全に同じテストの手順や内容を繰り返すわけではありません。
一般的にシステムやソフトウェアの開発には納期が定められています。QAエンジニアを含め、各工程に携わるITエンジニアはスケジュールに合わせて仕事を進める必要がありますが、プロジェクト進行中に急な要件の変更やトラブルが起こることは珍しくありません。
QAエンジニアは作業量が多く、短期間でスムーズな処理が求められるため、状況によっては残業が発生して長時間労働になることもあります。
QAエンジニアはシステムやソフトウェアの品質を確保するための最終的なバリアとしての役割を果たします。品質に関する問題がリリース後に発生すると、その責任を追及されることも少なくありません。
そのためプレッシャーに弱い人にとっては、「きつい」と感じる可能性があります。プレッシャーやミスをなくすためにも、納期に余裕を持って作業を進めることや、開発メンバーとの連携が大切です。
QAエンジニアの仕事は決して楽な仕事ではなく、大変なこともあります。しかし、魅力・やりがいの多い仕事であるため、興味のある方はぜひ目指してみてください。ここでは、QAエンジニアの魅力・やりがいを3つ紹介します。
QAエンジニアの主な役割は、システムやソフトウェアの品質確保です。QAエンジニアが徹底的な品質管理を行ってバグやエラーのない製品を提供することで、顧客が安心して利用でき、信頼性や顧客満足度の向上につながります。
また、品質の高い製品の提供は企業の生産性や競争力の強化にも寄与するため、感謝の言葉をもらえたり、「役に立っている」と実感できたりするでしょう。
QAエンジニアはプログラミングスキルやテスト技法など、専門的なスキルが必要な職業です。そのため、一度スキルを習得すれば手に職をつけられ、安定したキャリアが築けるでしょう。
手に職をつければ、仮に出産や育児、介護などで一時的に離職しても復帰しやすくなります。またスキルと実績が充実していれば、独立してフリーランスのQAエンジニアになることも可能です。
結婚や出産、マイホームの購入など、ライフイベントが発生すれば多くのお金が必要になります。そのため転職先を選ぶ際には、キャリアアップや収入アップができる仕事を選ぶことも大事です。
QAエンジニアには「シニアQAエンジニア」「QAコンサルタント」などへのキャリアアップの道が開かれています。キャリアアップできれば、より高い収入を得ることも不可能ではありません。
QAエンジニアにはプログラミングスキルやソフトウェア開発の知識、コミュニケーションスキルなど、多様なスキルが求められます。転職を成功させるには、これらのスキルを習得することが大切です。ここでは、QAエンジニアを目指すうえで習得したいスキルを5つ紹介します。
システム・ソフトウェアはプログラムによって構成されています。そのため、仕様・設計の品質をチェックする際には、プログラミングの基本的な構造や言語の特徴などへの理解が必要です。品質に問題があれば、QAエンジニアが直接修正することもあり、プログラミングスキルが欠かせません。
ソフトウェアに不具合やバグが見つかった場合、どこでその問題が発生したかを特定し、改善を提案する必要があります。そのためQAエンジニアはソフトウェア開発の工程や流れ、技法を把握することが欠かせません。プログラマーやシステムエンジニアとして開発のプロジェクトに携わっていれば、ソフトウェア開発の知識は身についていると言えるでしょう。
QAエンジニアには短い時間でのテスト作業が求められることから、テスト技法を用いて効率的にテスト項目を考え、実施する必要があります。同値分割法や境界値分析、組み合わせテストなど、さまざまなテスト技法の特徴やメリット・デメリットを把握し、製品によって使い分けることが重要です。
システム・ソフトウェアの開発にはさまざまな人が関わります。QAエンジニアはテストケースやバグレポート、テスト計画などをほかの開発者や関係者に伝える必要があり、高いコミュニケーションスキルが必要です。チームメンバーや開発者と協力してトラブルの解決策を見つけることもあります。建設的なコミュニケーションと連携力がプロジェクトの品質向上には欠かせません。
QAエンジニアは複数のテストケースや課題を同時に管理することもあります。リソースを考慮してタスクの優先順位を設定し、効果的に進行状況の管理を行うスキルが欠かせません。また、QAエンジニアの上位職である「シニアQAエンジニア」になれば、部下やチームを指揮するための高いマネジメントスキルが要求されます。
QAエンジニアに転職するために必要な資格や学歴はありません。しかし、QAエンジニアはソフトウェア開発の品質を確保する重要な役割を担うことから、開発経験が豊富なベテランが行うケースが多い傾向にあります。
また開発スキルやテスト技法の知識が必要であり、IT業界未経験者が転職するのは難しいと言えるでしょう。中にはIT業界未経験者を募集している求人もありますが、まずはシステムエンジニアとしてソフトウェア開発の一連の流れを経験するのがおすすめです。
QAエンジニアの仕事は責任の大きさからプレッシャーを感じやすかったり、ルーティンワークが多かったりするため、「きつい」と言われることがあります。しかし、顧客満足度に直結する仕事でやりがいも感じやすいので、転職先としておすすめです。
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