更新日:2022/09/30
この記事のまとめ
国がキャッシュレス化を推進していることもあり、現在、クレジットカード業界は大きく発展を遂げようとしています。そんなクレジットカード業界への転職を考えている方は多いでしょう。クレジットカード会社へ転職するにはどのような資格が求められるのかを知りたい方もいるのではないでしょうか。
そこでこの記事では、クレジットカード会社へ転職する際に役立つ資格を解説します。合わせて転職に有利な職務経験も紹介するため、ぜひ参考にしてください。
目次
クレジットカード会社へ転職するには、業界への理解が大切です。どのような仕事をするのかを把握していなければ、選考時に不利に働くでしょう。クレジットカード会社の主な業務は、下記の4種に分類できます。
クレジット会社への転職を成功させるためにも、まずは業務内容をしっかりと押さえましょう。
クレジットカード会社の主な業務のひとつに、新規利用者の開拓があります。クレジットカード会社は利用者からの年会費や加盟店の手数料によって収益を得ているため、利用者獲得のための勧誘活動は重要な業務です。これらの業務は主に営業部門が担当します。ほかにも、既存利用者の高グレードカードへの切り替え促進キャンペーンや、利用者を定着させるための定期イベントを実施している会社も多く見られます。
クレジットカードの利用希望者の審査を行うのも業務の一環です。クレジットカードは発行した会社が一時的に利用者の支払いを立て替える仕組みのため、きちんと返してもらえると判断した相手にしか発行できません。そのため、カードを発行する前に信用情報などを参照して、発行して問題ないか調査を行う必要があります。ほかにも、利用限度額の上限変更やカード紛失の対応といった利用者のサポートも業務のひとつです。
利用者の信用調査を行うのは入会時に限ったことではありません。カード発行後でも、更新時や不審な行動を取っていると判断されたときは、クレジットカードやローンの利用履歴をチェックし、マイナスな情報があると利用資格をはく奪するケースもあります。これらの業務を行うのが、クレジットカード会社ならではの職種である信用調査部です。
また債権管理部では、返済が滞っている利用者への支払い督促や給与の差し押さえなどの業務に携わります。
クレジットカードは決算や利用状況を管理するシステムがなければ成立しません。システムは利用者増加への対応や利便性向上のためにアップデートを繰り返しており、不正利用を防止するためのセキュリティ対策なども不可欠です。
クレジットカード会社では営業や経理だけでなく、エンジニアをはじめとする技術職が活躍している点も特徴です。
近年はキャッシュレス化の進展に伴い、クレジットカード決算に対応した店舗も多く見られるようになってきました。クレジット決済額も年々増加しており、クレジットカードが人々の生活に浸透してきているといえるでしょう。
この背景には、公共料金をクレジットカードで支払えるようになったことや、ネットショッピングが一般化したといった要因があります。クレジットカードを使える場面は今後さらに増えていくことが予想されており、クレジットカード業界もますますの発展が期待できる業界でしょう。
クレジットカード会社へ転職するために必須の資格はありませんが、取得すればスキルをアピールできる資格は存在します。また、実務に役立つ資格をあらかじめ取得しておけば、選考時だけではなく入社後にも重宝するでしょう。ここでは、クレジットカード会社への転職を目指す際に役立つ資格を4つ紹介します。
クレジット債権管理士は、債権管理のエキスパートであることを証明する資格です。資格を取得することで債権回収に関する知識が身につくため、利用者が返済可能な経済力を有しているかの正確な判断ができるようになります。資格があれば利用者の信用を得ることにもつながり、スムーズに業務を遂行できるでしょう。認定は一般社団法人日本クレジット協会が行っています。
クレカウンセラーは、クレジット債権管理士の上位に位置する資格です。資格取得者はクレジットカードについての相談や教育に携われるようになり、クレジットカードの知識の普及に貢献できます。社内研修や外部のセミナーで講師を務めることも可能なため、業務領域の拡大にも役立つでしょう。受験するには、クレカウンセラー資格認定講座を受講する必要があります。
MOSはMicrosoft Office Specialist(マイクロソフトオフィススペシャリスト)の略で、マイクロソフト社製のオフィス製品を扱えるスキルの証明となる資格です。マイクロソフト社公式の国際的な資格であり、PCスキルを客観的に証明したいときに役立ちます。
試験勉強の過程で自然とPCスキルが身につくため、実用的なスキルを取得したい方にもおすすめの資格です。クレジットカード会社の業務にはPC操作がつきもののため、MOS検定を取得すれば作業効率化や専門的な操作が必要なときに役立つでしょう。試験には一般レベルと上級レベルがありますが、どちらからでも受験可能です。
営業部を志望する方には、セールススキル検定が有用です。セールススキル検定は、行動力や顧客と親しくなる能力といった、営業力を証明できる資格です。営業には、トーク力やコミュニケーション能力、プレゼンテーション力といった数値化しにくいヒューマンスキルが求められます。資格を取得すれば、第三者からセールススキルを担保してもらえる貴重な手段となるでしょう。
1級~3級までの等級があり、3級は誰でも受験可能です。下位の資格取得と既定の実務経験を積むことで上位の等級を受験できるようになります。
一口にクレジットカード会社といっても、会社にはさまざまな部署があり、求められる経験は職種によって異なります。実際に営業職に携わる場合と、企画職や顧客対応に携わる仕事とでは必要な職務経験が違うため注意が必要です。
例を挙げると、営業職への転職時には営業経験の有無が問われ、クレジットカード会社における実務経験はあまり重視されません。一方、企画や顧客対応の現場では金融などの専門的な知識が求められるシーンが多いことから、同業界内での実務経験が評価される傾向にあります。
また、クレジットカード業界は未経験者を採用していることも多く、必須の資格もないため比較的未経験でも入りやすい業界です。システムの開発・維持に人員が必要なことから、IT系のエンジニアも歓迎されています。
クレジットカード業界は成長産業とされており、安定していて働きやすいことから転職を希望する方も多く見られます。しかしクレジットカード会社に転職するとどのようなメリットがあるのか、具体的によく分からない方も多いのではないでしょうか。ここでは、クレジットカード会社の強みや魅力を解説します。
クレジットカード会社を設立するには、貸金業登録などのさまざまな壁を乗り越える必要があるため、新規参入がしにくい特徴があります。そのため競合が生まれにくく、競争が激化しにくいのが強みです。
コンビニエンスストアなどの小売業やレストランなどの飲食業は近くに同業者が出店するたびにシェアの奪い合いとなりますが、クレジットカード業界は参入障壁が高いため激しい競争にはなりません。業界の基盤が安定している点は大きな魅力といえます。
経済産業省は2025年までにキャッシュレス決済比率を40%程度、将来的には80%まで上昇させて世界最高水準を目指す目標を掲げています。国を挙げてのキャッシュレス化の動きはクレジットカード業界にも追い風となっており、今後も成長を見込めるでしょう。
キャッシュレス決済比率は2021年時点ですでに32.5%を達成しており、目標は夢物語ではありません。業界の景気は良好な傾向にあるといえるでしょう。
出典:経済産業省ウェブサイト
クレジットカード会社には、利用者からの電話対応のためにコールセンター部門があることがほとんどです。コールセンターは女性の比率が多いため、産休や育休をはじめとした休暇制度が充実している傾向にあります。
このような企業は男女ともに働きやすい環境の構築に力を入れていることが多く、福利厚生が充実しているのが特徴です。時短勤務やフレックス勤務といったフレキシブルな働き方ができる体制が整っているなど、業務に集中しやすい会社が多い業界といえます。
クレジットカード会社へ転職するにあたって必須の資格はありませんが、債権管理やPC・営業関連の資格があれば選考時に高く評価されるでしょう。一方、求められる職務経験は職種によって異なるため、希望する部署に必要な知識やスキルをチェックすることが大切です。
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