クレジットカード会社には、取引先への営業や債権管理、システム開発といった仕事があります。転職では金融業界の経験者が優遇される傾向があるものの、市場が拡大しているため、未経験者でも採用されるチャンスはあるといえるでしょう。

そこでこの記事では、未経験からクレジットカード会社を目指す方に役立つ情報をまとめました。業界の将来性や業務で役立つ資格も紹介しているため、幅広い視点からクレジット会社を知りたい方はぜひ参考にしてみてください。

クレジットカード業界とは？

クレジットカード業界は、銀行系や信販系、流通系といった種類に分かれます。業界経験がなければ、カードごとの特徴を詳しく知らない方もいるでしょう。ここでは、クレジットカード業界の業種を紹介します。それぞれの分野でどのような仕事があるのか、確認しておきましょう。

銀行系

銀行系クレジットカードは、銀行を事業としている企業やその子会社が発行元です。発行元が銀行であることから、ほかのカードよりも信頼感が高く、所有することそのものがステータスとして扱われる場合があるのが特徴です。

信販系

信販系クレジットカードは、ショッピングローンや住宅ローンを提供する会社のカードです。具体例として、JCBやアメックスカードが該当します。発行に伴う審査難易度が銀行系クレジットカードより低いのが特徴のひとつです。

流通系

流通系クレジットカードは、スーパーをはじめとする日用品を扱う小売店やそのグループ会社が発行しているカードです。審査にとおりやすいため、カードによっては即日発行が可能で、系列店でポイント還元や割引を受けられるメリットもあります。

クレジットカード会社の主な仕事内容

クレジットカード会社の主な仕事は、営業活動・企画提案・債権管理・システム開発の4つです。ここでは、クレジットカード会社の仕事内容を紹介します。転職を検討している方はそれぞれの仕事内容を把握し、自分が目指す職種を検討するとよいでしょう。

営業活動

クレジットカード会員の新規開拓に向けた活動や加盟店を増やすための訪問営業を担当します。いずれも個人・法人の両方が営業対象ですが、飛び込み営業をするケースはほとんどありません。営業の経験が浅い方でも働きやすいのが特徴です。

企画提案

企画提案は、市場調査や経営管理といった業務を担当する職種です。同時に、クレジットカードに付随するサービスや新規カードの発案・企画も担当します。論理的思考スキルに加えて、柔軟な発想が求められる職種といえるでしょう。

債権管理

債権管理とは、企業のキャッシュフローが滞らないように、適切な資金管理をする仕事です。クレジット会社では、売掛金のような企業が発行した債権を確実に回収する業務が欠かせません。状況によっては取引先に入金の催促をすることもあり、業務を通じて法的な知識が身につくのがメリットです。

システム開発

エンジニアをはじめとする技術者が、業務で必要なシステム開発やセキュリティ管理を担います。まったくの未経験者はチャレンジが難しいものの、開発現場で業界知識やITスキルを身につければ、転職するチャンスはあるでしょう。将来的にニーズが高いと予想されており、ITに関心がある方におすすめの職種です。

クレジットカード業界の現状と今後

現在キャッシュレス化の傾向があり、クレジットカード業界は将来的にニーズが伸びると予想されています。転職先としてクレジットカード会社を検討している方は、現状と将来性を知ってから対策に臨むのが得策です。ここでは、クレジットカード業界の現状と今後の展望について解説します。

キャッシュレス化による市場規模の拡大

クレジットカード業界では、年々キャッシュレス化が進んでいます。2021年時点のキャッシュレス決済比率は32.5%を記録しており、過去10年で20%近く増加しています。特に、クレジットカードによる支払いは全体の27%を占め、今後も徐々に増加する見込みです。

また、2018年時点では0.05%しかなかったコード決済が、4年間で36倍の1.8%まで伸びています。モバイル端末で決済できるようになったことが背景と考えられます。

出典：経済産業省ウェブサイト

更なるキャッシュレス化の推進

今後さらにキャッシュレス化を促進するには、店舗の導入と消費者の利用拡大が求められます。どちらか一方が増加するだけでは、長期的な市場の成長にはつながらないでしょう。

経済産業省が発表しているキャッシュレス化促進の対策として、キャッシュレス導入加盟店のコスト低減や消費者の不安払拭が挙げられます。店舗と消費者の双方にとってメリットのあるシステムだと認識することで、従来よりも効率的な決済が実現するでしょう。

クレジットカード会社のやりがいと身につくスキル

クレジットカード会社には、営業や企画といったさまざまな職種が存在します。営業ではコミュニケーションスキルが磨けるほか、企画では自身のアイデアで売り上げ向上を実現できるなど、身につくスキルややりがいも多種多様です。ここでは、クレジットカード会社のやりがいと身につくスキルを紹介します。

業務で感じるやりがい

業務で感じるやりがいのひとつに、社会に影響をもたらす瞬間が挙げられるでしょう。たとえば、クレジットカードを契約すると抽選で旅行券をプレゼントする企画を立ち上げた結果、売り上げが大幅に伸びるケースがあります。過去のデータや市場のニーズから出した案が数字に反映された瞬間は、何にも変え難い喜びがあるでしょう。

契約数増加に向けて営業する際は、取引先から感謝の言葉をもらう場合もあります。カードの新規登録者数や利用額増加も伴うため、大きな達成感につながるでしょう。

業務を通じて身につくスキル

業務を通じて身につくスキルとして、コミュニケーションスキルが挙げられます。ほとんどの職種で必要となる汎用的なスキルのひとつですが、クレジットカード会社で扱うのは顧客の資金や企業への信用です。どのような業務環境下でも、緊張感を持ってコミュニケーションする必要があります。

実際に、自分の行動や不用意な一言が企業の信頼を左右するケースも少なくありません。社外では責任感を持って顧客に接し、社内でもミスがないように丁寧なコミュニケーションが求められます。

クレジットカード会社で強みとなる資格・検定

クレジット会社で勤務するために、必要となる資格はほとんどありません。ただし、それぞれの職種に合った資格を取得すれば、転職後に業務で役立つシーンがあります。ここでは、クレジットカード会社で強みとなる資格や検定を紹介します。

クレジット債権管理士

クレジット債権管理者は、債権管理における専門性を担保する資格です。業務で必要となる「与信」や「債権回収」といった専門的な知識を学べます。高度な技術を習得できるため、顧客とのコミュニケーションが円滑に進められるでしょう。

クレカウンセラー

クレカウンセラーは、「クレジット教育」や「クレジット相談」ができる人材を輩出する目的で設けられた資格です。取得すれば、消費生活センターや専門学校で、クレジットに関する普及活動に従事できます。ただし、資格はクレカウンセラー資格認定講座修了者を対象としているため、受験前に要件を満たしておきましょう。

貸金業取扱主任者

貸金業取扱主任者は、貸金業や貸し付けに関する法令を中心とした専門的な知識が身につく資格です。資格取得後は、社内において法律に沿った取引が実施されているか、チェック・指導する立場になります。債権管理に従事しようと考えている方におすすめの資格です。

MOS検定

MOS検定は、WordやExcelといったOfficeソフトに関するスキルを証明する資格です。書類作成や事務手続きにおいて、効率的に作業を進められるようになります。受験に必要な資格や条件は設けられていないため、気軽にチャレンジするとよいでしょう。

営業士

営業士は、マーケティング・セールスの専門性を証明する資格です。初級・上級・マスターの3つのレベルに分かれており、営業現場のリーダーやマネージャークラスの人材として活躍できるスキルが身につきます。今後、営業で活躍したいと考えている方におすすめの資格です。

販売士

販売士は、顧客のニーズに沿った商品の提供や商品開発、物流といった販売に関する幅広い知識を証明できる資格です。営業担当者として取引先への提案に応用できるほか、コスト調整の面で債権管理担当者が役立てるケースも考えられます。

セールススキル検定

セールススキル検定は、営業スキルを判定する試験です。「論理構築スキル」や「コミュニケーションスキル」を客観的な視点でスコア化します。企業によっては社内推奨資格に認定されているため、営業を目指す方は積極的に取得を目指しましょう。

まとめ

クレジットカード会社には、営業や企画、債権管理といった職種があり、未経験でも転職可能です。緊張感を持って業務に臨む場面もあるものの、やりがいが多くスキルも身につきます。キャッシュレス化が進んでいるため、将来性も期待できるでしょう。

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