更新日:2024/03/11
この記事のまとめ
転職に伴う入社・退社の際には、従業員と企業との間で雇用保険被保険者証のやりとりが発生します。しかし、2回目の転職で雇用保険被保険者証をどのように扱えばよいのかが分からず、不安に感じている方もいるのではないでしょうか。
そこでこの記事では、雇用保険被保険者証の役割や使い道、注意点を詳しく解説します。基本的なルールを知ることで、2回目の転職でも書類のやりとりや手続きをスムーズに進められるようになるでしょう。
目次
入社・退社時に雇用保険被保険者証をどのように扱えばよいかを解説します。雇用保険の加入条件や雇用保険被保険者証を発行・交付する目的についてもセットで見ていきましょう。労働者が直接目にする機会が少ない書類であるため、ここで基本的な仕組みを詳しく確認しておくことをおすすめします。
雇用保険に加入した方に対して発行される書類が、雇用保険被保険者証です。雇用保険は従業員が何らかの理由で失業した場合に備えて、当面の生活を安定させるため、また再就職に必要な資金を援助する目的で運営されている社会保険のひとつです。
法令によって定められている加入条件を満たせば被保険者となり、雇用保険被保険者証が発行されます。企業で働く労働者であれば、雇用保険に加入するのが一般的です。雇用保険の被保険者と雇用している企業は、それぞれ厚生労働省が定める料率に基づいた保険料を納める必要があります。
雇用保険の加入条件は以下のとおりです。
上記の条件を満たす労働者を雇用した場合、企業は会社所在地を管轄するハローワークに雇用保険被保険者資格取得届を提出します。この手続きを経て、労働者は雇用保険に加入します。
雇用保険被保険者証には、事業者・被保険者に関するさまざまな情報が記載されています。具体的な記載内容は以下のとおりです。
退職する際に雇用保険被保険者証を受け取ったら、記載事項に間違いがないかをチェックしましょう。
法令に定められた加入条件を満たして雇用保険の被保険者になった場合、事業所所在地を管轄するハローワークから雇用保険被保険者証が交付されます。
ただし在職中は企業側で保管する形が一般的であるため、実物を目にするのは転職などで退職するときが多いといえます。退職後の手続きに必要となるため、大切に保管しておきましょう。
転職などの理由で退職した場合、その後の手続きで雇用保険被保険者証が必要になるケースがあります。具体的には、どのようなときに必要になるのでしょうか。
以下では雇用保険被保険者証が必要になるシーンを3つ紹介します。各種手続きを進めるときは、忘れずに持参しましょう。
転職した場合、新たに入社した企業側が雇用保険の引き継ぎ手続きを行う際に雇用保険被保険者証が必要となります。企業側はあなたが入社した月の翌月10日までに手続きを済ませる必要があります。そのため、指定された期日までにきちんと原本を提出することが大切です。提出方法や提出先は企業によって異なるため、入社時のアナウンスを確認しましょう。
離職中、ハローワークで失業給付金を受け取る手続きをする際に雇用保険被保険者証原本の提出を求められます。
失業給付金を受け取るにはまず住所地を管轄するハローワークに離職票と受付票を提出し、7日の待機期間後に雇用保険説明会へ参加する必要があります。その後、4週間に一度失業の認定を受けて失業給付金を受け取る流れです。ただし、自己都合退職の場合は受給手続き日から7日を経過した日の翌日以降2ヵ月間の給付制限がある点に注意が必要です。
離職中に教育訓練給付制度を活用する場合は、教育訓練給付金を受給する際に雇用保険被保険者証が必要です。
教育訓練はキャリア開発を目的として厚生労働省が運営している制度で、あらかじめ指定された講座を受講した場合に受講費用の一部が補助されます。
なお、離職中に教育訓練を受講して給付金を受け取る場合、離職してから1年以内などの条件を満たしている必要があります。自分の状況で給付金を受給できるか知りたいときは、ハローワークで支給要件照会の手続きをしましょう。
実際に転職する場合は、雇用保険の取り扱いに注意が必要です。状況によっては法令違反になる場合もあります。以下では、特に注意が必要なポイントを2つ紹介します。労働者にとっても、雇用保険に関する手続きが適正に行われているかは重要なポイントです。必要な手続きがきちんとなされているか確認するためにも、以下で紹介するポイントをひととおりチェックしておきましょう。
雇用保険は、労働者が法令によって定められた条件を満たす場合に加入が義務づけられています。企業側が手続きを怠って労働者が雇用保険に加入していない場合、雇用保険法第83条に基づき6ヵ月以下の懲役または30万円以下の罰金が科されます。
加入資格を満たしていれば、正規雇用・非正規雇用を問わず雇用保険に加入しなければなりません。労働者側も、自分が雇用保険に加入できるか正しく判断するために加入条件をきちんと確認しておきましょう。
なお、何らかの理由で雇用保険未加入になっていた場合、基本的に2年以内の期間であればさかのぼって加入できます。
雇用保険に関連するデータの管理は、ハローワークが担当しています。雇用保険の被保険者でなくなった場合、再度加入することなく7年が経過するとハローワークのデータベースから当該被保険者の情報が削除される仕組みです。
そのため、家庭の事情で長期間再就職できなかったときや退職後にフリーランスとして活動していたときなど、次に雇用されるまでに7年以上空いた場合は被保険者番号が無効になります。被保険者番号が無効になったときは、転職した企業で再度加入の手続きを行います。
退職したなどの理由で雇用保険被保険者証を自宅で保管していると、いつの間にか原本を紛失してしまうことがあるでしょう。そのようなときは、所定の手続きを済ませて再発行する必要があります。
雇用保険被保険者証は失業給付金を受け取るときや転職した企業で引き継ぎ手続きを行う際に使用するため、紛失に気づいたら早めに再発行することをおすすめします。
紛失・盗難などに伴う再発行手続きは、ハローワークの窓口でできます。ハローワークの開庁時間は平日の8:30~17:15です。
必要な書類を持参して手続きすればその日のうちに再発行してもらえるため、準備して窓口に向かいましょう。転職で入社日が近づいてから紛失していることに気づいた場合でもすぐに対応できます。紛失しても慌てずに対処しましょう。
再発行の手続きでは、ハローワークの窓口に以下の書類・情報を提出します。書類不足などの不備で出直さなくても済むように、事前に準備しておきましょう。
急がない場合は郵送やオンラインでも手続きできます。ハローワークが遠い場合や平日に行くのが難しい場合は積極的に活用しましょう。ただし、新しい雇用保険被保険者証を受け取るまでに時間がかかる点は覚悟しなければなりません。
労働者にとって雇用保険被保険者証はあまり目にするものではなく、ほかの書類と勘違いしたり扱いに悩んだりするものです。ここでは、雇用保険被保険者証に関して疑問に思いやすい3つのポイントを解説します。転職するときに不安に感じやすい要素についても見ていきましょう。
雇用保険被保険者証は健康保険証とは異なるものです。具体的な違いを以下にまとめました。それぞれの使用目的を正しく理解しておきましょう。
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上記のように利用するシーンが異なります。ハローワークでの手続きや入社・退社の際に必要なのは雇用保険被保険者証です。予定している手続きでどちらの書類が必要なのかをきちんと確認しておきましょう。
雇用保険被保険者証に記載されている情報に職歴・経歴は含まれていないため、転職先にこれまでの経歴を知られることはありません。ただし、雇用保険被保険者資格等確認通知書とセットで提出すると前職の企業名を知られるので注意しましょう。
前職の企業名を伝えたくない場合は、雇用保険被保険者資格等確認通知書を切り離して提出します。なお、雇用保険に加入した際に付される番号は転職しても変化しません。データを管理しているのはハローワークなので、転職先の企業が情報を調べることは不可能です。
退職するときには、企業から離職票が交付されます。離職票の正式名称は「雇用保険被保険者離職票」で、雇用保険被保険者証とは異なる書類です。離職票には、雇用保険の資格を失ったという事実と被保険者であった期間、退職理由(自己都合・会社都合)が記されています。
離職票を使用するのは失業給付の受給をはじめとした行政手続きがメインで、転職先の企業に提出するものではありません。何らかの手続きで書類の提出を求められた場合は、何を準備すればよいのかをきちんと確認しましょう。
2回目の転職を検討している方にとって重要なのは、自分の転職目的を実現できる企業に入社することでしょう。そのためには、各業界の転職事情に精通した転職エージェントのサポートを受けながら転職活動を進めることをおすすめします。
マイナビエージェントでは、転職サポート経験が豊富なキャリアアドバイザーが一人ひとりのキャリアプランを実現する手助けをします。メーカーやITといった各業界に特化した転職サポートも提供しているため、ぜひご利用ください。
2回目の転職であっても、雇用保険に関するルールや雇用保険被保険者証の扱いは通常と同様です。新しい企業への入社時に提出する必要があるため、転職活動に取り組んでいる間に紛失しないように注意しましょう。
転職するときは、キャリアアップや年収アップといった自分の転職目的を達成できる企業を探すことが大切です。自分に合った企業を探して効率的に転職活動を進めるためにも、ぜひ早い段階でマイナビエージェントにご相談ください。経験豊富なキャリアアドバイザーが手厚い転職サポートを提供します。
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