更新日:2024/05/30
人事への転職の際、印象に残る志望動機を書くためには、企業の事業内容や求められる人材像の調査など、事前準備が必要です。
ここでは、人事の仕事内容を踏まえ、適切な志望動機を書くために欠かせない5つの事前準備や、書いた後、見直しをする際の注意点などをご紹介します。また、経験者、未経験者、それぞれの例文もご紹介しますので、印象に残る志望動機を書くために役立ててください。
目次
企業における「人事部」というのは、会社の「人」に関する仕事を担当する部署であり、人材によって組織を活性化させることを目的に業務を行います。人事は従業員一人ひとりと深く関わり、従業員の目標を手助けする役割を果たします。
具体的に、人事が担当する業務範囲は企業によっても異なりますが、メインとなる業務は次の4つです。
人事の仕事としてメインとなるのは、採用業務です。企業が求める優秀な人材を採用するため、どのような人材を、いつ、何人採用するのかという綿密な採用計画を立て、それに沿った採用業務を行います。
採用に関する仕事は、求人募集、説明会の開催、書類選考、面接、内定、雇用契約の締結と多岐にわたります。面接場所の確保やパンフレットの作成、選考基準の策定なども人事の仕事です。
社員をどのように育成していくのか、育成計画を立案し実行するのも人事の仕事です。研修の企画・実行、評価制度の策定など、人材教育は採用と並ぶ、人事の重大な仕事といえるでしょう。
企業の重要な経営資源である「ヒト」の価値を最大化させることは、企業の成長、ひいては利益向上につながります。人事の仕事は直接売上を出す職種ではありませんが、人材教育を通して、企業利益に貢献します。
人事は、会社全体を見た上で、必要な部署に必要な人材を配置する役割を担います。
社員を適材適所に配置することは、業務効率に大きく関わる重要な業務です。
配置は、本人の希望と各部署の管理職の希望、企業の人材戦略が絡み合って決まります。それらの希望をまとめて調整を行い、人材配置を決定するのが人事の仕事です。
労務は、別に専門の部署が設けられている場合もありますが、企業によっては人事が担当することもあります。社員の勤怠管理や給与計算、社会保険手続きなどを行うのが労務の仕事です。
そもそも、「労働者が安心して働ける組織を作る」という企業における労務の役割は、人事と共通するものがあるでしょう。労務の部署が設けられている企業であっても、時期によっては人事がサポートに回ることがあるので、労務の仕事への理解が必要になります。
人事の志望動機を書く前に、業務内容を調査したり、企業を選んだ理由を書き出したりするなど、事前準備をしておきましょう。
この事前準備は、自己PRの作成や面接対策など、志望した企業への転職活動の様々な段階で役立てることができます。ひとつずつ確認して準備し、完成度の高い志望動機を書くために役立ててください。
まずは、応募する企業の求人広告を見直し、業務内容を確認しましょう。企業によって、人事が担当する業務範囲が異なることがあるためです。
内容を確認せずに応募を決める人はあまりいないと思いますが、志望動機をまとめる前に、あらためてどのような人材が求められているのか、しっかりチェックするようにしてください。
次に、なぜ人事として働きたいのか、自由に書き出していきます。
特に、未経験から人事を志すに至った理由は、採用担当者が着目するポイントです。様々な職種の中で、特に人事になろうと考えたのはなぜか、人事として何をしたいのか、親しい人に話すつもりで表現してみてください。
なぜ人事という職種に惹かれたのか、漠然としていて言葉にできないという方は、人事が社員の成長を促し、企業の利益を裏で支える職種であることに着目してみましょう。
人事の求人を出している企業はたくさんあります。その中で、なぜその企業を選んだのかを考えてみましょう。
家からの距離や待遇なども志望動機のひとつかもしれませんが、決め手になったのはそれだけではないはずです。
企業のウェブサイトで社員の声、経営者の挨拶文などをチェックして、自分がどんな点に魅力を感じたのか、情報収集しましょう。
その企業の事業理念やサービスの概要を確認し、志望動機の作成に活用できる内容を見つけたら、ピックアップして書き出してください。
人事に関係があるかないかにかかわらず、今までの仕事を通じて身に付けた全ての経験やスキルを棚卸してみましょう。これまでの仕事で担当した業務内容と、培ってきたスキルについて書き出します。
漏れなく書き出すことができたら、次に人事に関連する経験やスキルをピックアップしてください。社員としてアルバイトを指導した経験や、入力作業で培ったパソコンのスキルなども人事の仕事に活かすことができる経験やスキルのひとつといえるでしょう。
企業が求める人材像を理解した上で、自分が求められる材にふさわしい人物であることをアピールしましょう。
何かひとつでもいいので、自身が保有するスキルやビジネスパーソンとしての特性と、企業が求める人材像の特性とを見比べ、共通点を探します。
もし、企業が求める人材像と重なる部分がまったく見つからないという場合は、他にもっと自分の特性に合致する求人がないか、再検討したほうがいいでしょう。まず、採用されることが難しいと予想されますし、たとえ採用されたとしても、理想的な社員に成長するまでに時間がかかるかもしれません。
志望動機には、経験や活かせるスキル、入社後の目標を具体的に書きましょう。採用担当者が読んだとき、その人物が企業に貢献する様子を、イメージできるものにすることが大切です。
ここでは、人事の志望動機を書く際の注意点を3つご紹介しますので、完成度を上げるために役立ててください。
「人事経験がある」というだけでは、具体的にどのような仕事をしてきたのかを知ってもらうことができません。
これまで、具体的にどのような仕事をしてきて、その中で何を感じたのか、また、それを踏まえて人事職への転職を志したのはなぜか、具体的に書きましょう。
人事の経験がなかったとしても、これまでの仕事の経験を今後に活かしていく方法を考え、アピールすることが大切です。
ただし、「未経験ですが、これからがんばっていきたい」というやる気や熱意を伝えるだけで採用を勝ち取るのは難しいでしょう。
これまでの経験やスキルをどのように活かして企業に貢献していくのか、わかりやすく説明することが大切です。
「派遣で習得した作業の正確性とスピードを活かし、事務処理を短時間で終わらせ、社員の声を聞いてニーズをくみ取り、社内環境の改善に時間をかけられるようにしたい」「塾の講師で培った、人の成長を計画的にサポートする力を活かし、社員がストレスなく業績をアップできるようにしたい」など、どのような経験であっても人事の仕事に紐付けて、事業に貢献できることを具体的に書きましょう。
人事として、今後どのように活躍できるのか、現実的なビジョンを伝えるようにしましょう。これは、採用後のイメージを担当者につかんでもらうためにも効果的です。
あくまでも、手堅いキャリアプランであることがポイントとなります。たとえば、未経験にもかかわらず「評価制度の改革をしたいと考えています」と主張するような、実力や経験に対して大きすぎる希望は逆効果です。
入社後のキャリアプランを書く際は、「自分の能力を正しく測ることができているか」「対応すべき業務範囲を見極めて、適切な行動をとれるかどうか」「現実的なビジョンが描けているかどうか」ということも評価対象となりうることを意識しましょう。
少々無難であったとしても現実的に書くことで、「採用後確実に貢献してくれそうだ」と担当者にイメージしてもらえるでしょう。
人事経験者と未経験者それぞれについて、志望動機の例文をご紹介します。自分なりの志望動機を書く際の参考にしてください。
「経営のパートナーとしての戦略人事」という、貴社が人事に対して求める役割に惹かれ、志望いたしました。
これまで約5年間、人事担当者として主に採用と人材教育に携わり、AIの活用やオンライン就職イベントの実施など、人材採用のためのアイディアも積極的に提案してきました。
前職では業務内容の詳細は経営者が決めるため、担当できる範囲に限度がありました。そういった面で、若手のアイディアも積極的に取り入れ、常に新規開拓による結果を出そうとする貴社において、人事のプロフェッショナルとして活躍していきたいと考え、応募いたしました。
これまで、小売店の店長としてアルバイトの採用や教育に関わってきました。その中で、人を採用し、育てるという仕事の魅力に気付き、人事を志望いたしました。前職は貴社と同じアパレル業界で、様々なショップのディスプレイを見て歩く中、貴社のオリジナル商品のデザインに強く惹かれるとともに、何よりスタッフの対応が非常に丁寧で気配りがあり、貴社の人材育成に興味を抱いた次第です。
今後、貴社の人事として人材育成に携わり、長く現場で活躍できる人材の採用や教育に貢献していきたいと考えております。
人事の志望動機を書くためには、事前に企業が希望する人材像を見極めたり、自分自身のキャリアの棚卸をしたりする必要があります。
棚卸をしてみたものの、人事の仕事に役立つスキルが何であるのか、企業が求めるスキルに適合するのかわからないという方は、マイナビエージェントにご相談ください。
企業の内情に詳しいキャリアアドバイザーが、人事への転職で役立つスキルや、スキルを活かせる転職先をご紹介します。志望動機の添削を行い、まとめ方についてもアドバイスさせていただきます。求職者の皆様の志向や条件に寄り添ってサポートいたしますので、ぜひマイナビエージェントをご利用ください。
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