経営企画の仕事と向いている人の特徴|企業経営の中枢で活躍するための5つの能力|求人・転職エージェント

メニュー

更新日:2025/06/27

バックオフィス

経営企画の仕事と向いている人の特徴|企業経営の中枢で活躍するための5つの能力

common_1848.webp

この記事のまとめ

  • 経営企画とは、経営者の右腕として経営戦略や中長期計画の立案・実行を担う仕事。
  • 経営企画には、戦略的思考力や分析力、コミュニケーション能力が求められる。
  • 将来的には経営者へのキャリアパスが開かれており、経営に興味がある方が向いている。

「経営企画とは何をする部署なのか」「経営者の右腕と言われるが、具体的にどのような仕事をしているのか」といった疑問を抱いたことはありませんか。経営企画は企業の未来を設計し、経営の羅針盤としての役割を担う重要な存在です。しかし、業務内容や求められる能力が見えにくいと感じる方も少なくありません。

本記事では、経営企画の定義から具体的な業務内容、経営企画に求められる5つの能力まで、未経験者にも分かりやすく解説します。経営企画への転職を考えている方やキャリアアップを目指す方は参考にしてみてください。

目次

マイナビエージェントはあなたに寄り添う転職エージェントマイナビエージェントはあなたに寄り添う転職エージェント

経営企画とは会社の未来を描く組織の頭脳

common_1848_1.jpg

企業経営の中枢を担う経営企画は、会社の未来を描き、戦略を立案・実行する重要な役割を担っています。しかし、その役割や位置づけ、実際の業務内容は必ずしも明確に理解されていません。ここでは、経営企画の定義や企業内での立ち位置、似て非なる存在である事業企画との違いについて解説します。

経営企画の定義と会社における位置づけ

経営企画とは、企業の将来を設計する重要な部門です。経営陣の右腕として、中長期的な戦略立案に携わり、経営方針を現場の実務に反映させる役割を担います。ほかにも、市場調査や自社を取り巻く環境分析を行い、データに基づいた経営判断をサポートします。

経営企画は企業の中枢に位置し、経営者直下に置かれるのが一般的です。経営会議に参加して経営陣の意向を把握し、全社に浸透させる橋渡し役も果たします。各部署との緊密な連携を通じて、企業全体の最適化を図ります。

企業規模によって業務内容は異なりますが、経営層のビジョンや目標達成を支援する点は共通しているといえるでしょう。全社横断的な視点から企業経営の根幹を支え、組織の成長と競争力強化に貢献する不可欠な存在です。

経営企画と事業企画の違い

経営企画と事業企画は似て非なる存在です。経営企画は企業全体の将来像を描き、全社的な視点から中長期的な戦略立案を行います。対象範囲は会社全体で、経営ビジョンや業界でのポジションを念頭に置いた計画を策定します。一方、事業企画は特定の事業領域に焦点を当て、その事業の業績向上や市場開拓を目指す役割です。

経営企画が企業の全体最適を追求するのに対し、事業企画は担当事業の部分最適を図る点が大きな違いといえるでしょう。また、経営企画はトップマネジメントと密に連携し、事業部や財務、人事などの上位マネジメント層と調整しながら経営課題の解決に取り組みます。経営企画の仕事には高い構想力と戦略構築力が求められ、長期的視野に立った判断が必要とされるのが特徴です。

経営企画の業務内容

common_1848_2.webp

企業を成長させるうえで欠かせない経営企画の仕事は、大きく4つの主要業務に分類できます。経営戦略の立案から予算編成、業績分析、経営者サポートまで、それぞれの業務には専門性と高い能力が求められます。これらの業務を通じて企業の舵取りを支援し、持続的な発展に貢献するのが経営企画の役割です。ここでは、経営企画の業務内容を紹介します。

経営戦略・中長期計画の立案・実行

経営企画の仕事として最も重要なのが、経営戦略や中長期計画の立案・実行です。この業務では、市場や競合他社の分析に基づいて企業の未来像を描き、経営目標達成への道筋を明確にします。具体的には、データ収集・分析から始まり、経営戦略の立案、経営会議での意思決定支援、全社での実行管理までを担当します。

経営企画部門は企業の規模に応じて役割が変化し、中小企業では経営者自身が担うことも少なくありません。しかし、大企業では専門部署として機能します。M&Aやコスト削減、組織再編といった個別テーマにも取り組み、各部署を巻き込みながら経営課題の解決に向けた戦略的なアプローチを行います。企業の将来を左右する重要な役割で、高度な経営知識と論理的思考力が求められる業務です。

予算編成と管理

経営企画の仕事において予算編成と管理は中核的な業務です。具体的には、年間予算の策定から部門間調整、進捗管理までを担当します。予算策定で求められるのは、経営陣の目標数値と各部門が求める予算の差異を埋める調整力です。

予算編成のプロセスは、中期経営計画に基づく単年度目標の設定から始まり、各部門への予算の割り振り、アクションプランの策定と予算化、最終調整へと進みます。予算管理は、定期的な予実分析や着地見込みの更新も重要な責務です。

経営企画の仕事のやりがいは、限られた予算の中で優先順位をつけて各部門に配分することで、日頃からの情報収集と現場とのコミュニケーションが成功の鍵といえます。

業績分析とレポーティング

経営企画の仕事において、業績分析とレポーティングは企業の現状把握と将来の意思決定に不可欠な業務です。財務データや販売実績、生産データといった多様な情報を収集・分析し、企業の健全性を評価します。データから重要な傾向や課題を読み取る分析力が求められ、単なる数値の羅列ではなく、経営判断に役立つ情報を提供することが重要です。

経営陣へのレポーティングでは、複雑な分析結果を分かりやすく伝えるプレゼンテーションスキルも求められます。各部門の施策進捗状況を随時モニタリングし、目標達成が危ぶまれる場合には改善策を立案・実行することも重要な仕事です。経営企画の仕事は、数字を通じて企業の未来を照らす役割を果たします。

経営者のサポート

経営企画は経営者直轄の部門として、経営者のサポート役も担います。資料作成や情報収集、会議の準備、来客対応など多岐にわたる業務を担当し、経営者がリーダーシップを発揮するための後方支援を行います。

経営者の意図を理解し、先回りして必要な情報を提供することで、的確な意思決定をサポートする役割も重要です。経営企画の仕事は部門の視点ではなく、常に会社全体の視点に立ち、「全社最適」を考える姿勢が求められます。

経営者との近い立場で働くことで、経営的視点やマインドを学ぶ機会も多く、将来の経営幹部や後継者育成の場としても機能しています。経営企画部門は他部門と比較して、経営者へのキャリアパスが開かれているポジションといえるでしょう。

経営企画に求められる5つの能力

common_1848_3.webp

経営企画に求められる能力は多岐にわたります。企業の将来を左右する重要なポジションには、特定のスキルセットが必要です。ここでは、経営企画の仕事で成功するために欠かせない5つの能力を紹介します。これらのスキルを磨くことで、企業の中枢で真価を発揮できるでしょう。

戦略的思考力:市場を読み解き、機会と脅威を見極める力

戦略的思考力は、経営企画の根幹を成す能力です。市場動向を的確に把握し、競合他社の状況や法規制の変化、新技術の台頭など、企業を取り巻く環境を多角的に分析する力が求められます。特にAIのような技術革新は、どの業界にも影響を与える可能性があるため、常に最新情報をキャッチアップすることが重要です。

経営企画の仕事では単に情報を収集するだけでなく、それらを整理・分析して自社への影響を見極めた上で、経営陣や各部門に対して価値ある見解を提供する必要があります。市場との対話を通じて機会と脅威を見極め、企業の中長期的な成長につながる戦略的思考を磨くことが大切です。

分析力:財務諸表を読み解き、経営判断を支える能力

経営企画の仕事では、財務諸表を読み解く分析力が不可欠です。損益計算書や貸借対照表を理解し、会社の経営状況を正確に把握することで、戦略的な意思決定の土台を作ります。経営企画で求められるのは、企業の収益構造やコスト構造を数値で捉え、経営資源の最適配分や利益向上につなげる能力です。

経営企画に携わる方には、中小企業診断士や公認会計士、MBAといった資格も役立ちます。特に、公認会計士の知識は予算配分や財務管理において大きな強みで、各事業への投資判断をする際に力を発揮します。数字に基づいた経営判断ができる人材は、企業経営の中枢で活躍できるでしょう。

コミュニケーション能力:多様な部門と調整し、合意形成する力

経営企画の仕事において、高度なコミュニケーション能力は欠かせません。各部門との連携や経営層と社内の架け橋となる役割を担うためです。特に重要なのは、経営陣の意図を的確に理解し、それを具体的な計画に落とし込む能力です。経営陣が自身の考えを明確に表現できない場合、その意図を汲み取る力が求められます。

新たな方針に対して社内の賛同を得るには、周囲を巻き込みながらプロジェクトを進める調整力も必要です。単なる情報伝達だけでなく、相手の立場や状況を理解し、共感を得ながら建設的な議論を進められる人材が高い評価を受けます。企業の成長戦略において円滑なコミュニケーション能力は成功の鍵です。

プロジェクトマネジメント力:計画から実行までを統括する力

経営企画の仕事では、複数のプロジェクトを同時に推進し、計画から実行までを統括する力が求められます。プロジェクトマネジメント力とは、限られた時間と資源の中で最大の成果を出すため、適切なスケジュール管理やリソース配分を行う能力です。経営企画部門では、新規事業の立ち上げや全社的な組織改革といった重要プロジェクトを任されることが多く、進捗管理と問題発生時の迅速な対応力が欠かせません。

各部門と連携しながらプロジェクトを進めるには、目標設定の明確化やチームメンバーとの円滑なコミュニケーションも重要です。プロジェクトの成功には、リスクを予測し事前に対策を講じる先見性と、変化する状況に柔軟に対応できる適応力が必要とされます。

経営者視点:全体最適を考え、経営陣の意思決定を支える力

経営企画の仕事では、企業全体を俯瞰した経営者視点が必要です。この能力は、各部門の個別最適に振り回されず、企業全体の長期的な利益を追求する思考法を意味します。企業にとって経営資源(ヒト・モノ・カネ・時間)は有限で、全体を見渡して最適な配分を考えなくてはなりません。

事業ポートフォリオの最適化は、経営者視点で企業全体の成長と収益性を高める重要な手法です。単なる優先順位付けや一律カットではなく、経営資源の再配分を通じて全体最適を図ることが求められます。経営企画は社長直轄のレポートラインであることも多く、常に公平な立場で全社的な視点から判断を下す役割を担っています。経営者視点は、経営企画が企業の中枢で活躍するために大切な能力です。

経営企画に向いている人

common_1848_4.webp

経営企画に向いている人には、さまざまな特性や資質があります。戦略立案から実行管理まで幅広い業務を担う経営企画の仕事では、どのような人物が真価を発揮できるのでしょうか。ここでは、経営に対する関心の高さや分析力、調整力、実行力など、経営企画として活躍するために不可欠な素質について解説します。

経営に興味を持っている人

経営企画は経営者の視点で会社の将来を考える役割を担うため、経営そのものへの関心は必要な資質です。企業全体を俯瞰的に捉え、各部門の連携や利益の最大化を常に考えられる広い視野が求められます

また、複数の業務を同時進行で行うマルチタスク能力も必要です。財務分析を行いながら突発的な経営課題にも対応し、社内の反発や板挟みの状況に置かれることもあるため、強いメンタルも欠かせません。将来的に経営者を目指す方にとって、経営企画の経験は自身の成長と会社の発展に貢献できる貴重なキャリアパスとなるでしょう。

数字に強い人

経営企画は、データ分析や予算管理、財務計画の立案といった数字を扱う業務が多く、数字に強い人が適性を発揮します。企業の財務状況を正確に把握し、経営戦略に反映させるため、財務諸表の読解力やコスト構造の理解が不可欠です。

市場動向や競合分析など、多方面からの情報を収集・分析し、それを経営判断に落とし込む能力も求められます。データに基づいた合理的な判断ができる人材は、企業の経営資源を最適に配分し、収益性向上に貢献できるでしょう。数字を通して企業の現状と未来を読み解き、説得力ある提案ができる人材が経営企画として成功します。

調整力がある人

経営企画で求められる調整力は、部門間の利害対立を解消し、組織全体の目標達成に導く重要なスキルです。優れた調整力を持つ方は、各部署の業務内容やKPIを深く理解し、対立の根本原因を把握できます

社内の幅広い人脈、特に各部署のキーマンとの関係構築も不可欠です。自部署の専門知識を深めることも重要で、「あの人に聞いてみよう」と頼られる存在になることで調整力は向上します。経営企画として異なる意見や立場を取りまとめ、全体最適の視点から各部門を導ければ、企業の中枢で真価を発揮できるでしょう。

実行力がある人

経営企画に向いているのは、計画を確実に実行に移せる実行力のある人材です。経営企画の仕事では、戦略立案だけでなく、それを着実に進めるPDCAサイクルの運用が重要です。評価制度を例にとると、評価を実施しながら成長目標を設定することで、人材育成と戦略実行を同時に進められます。

特に注目したいのは、評価を単なる査定ではなく人材育成の機会として活用する視点です。中堅社員には個人のPDCAだけでなく、組織全体のサイクルを回す役割も求められます。実行力のある経営企画は、失敗を恐れずに積極的に挑戦し、周囲を巻き込みながら組織の成長に貢献できます。

経営企画への転職戦略とキャリアパス

common_1848_5.webp

経営企画として活躍したいと考えていても、経営企画への転職やキャリア形成について具体的な道筋や必要な準備が分からない方もいるでしょう。ここでは、経営企画の仕事で成功するためのキャリア戦略と必要なスキルアップの方法について解説します。転職を検討している方はもちろん、将来のキャリアパスを考える際にも参考になる内容です。

未経験から経営企画へ転職するためのステップ

未経験から経営企画に転職する際は、主に「企画職からの転職」と「異職種からの転職」の2つのルートがあります。企画職経験者は、自身の企画立案スキルをアピールしつつ、経営視点の理解を示すことが重要です。異職種からの転職の場合、企業が求める専門性との接点を見出すのがポイントです。

いずれの場合も「なぜ経営企画に携わりたいのか」という明確な志望動機はもちろん、情報収集能力や論理的思考力といった経営企画に必要なスキルを具体的なエピソードを交えて伝えましょう。

転職エージェントを活用して適切な求人情報を得るのも効果的です。転職のプロによる書類添削や面接対策を受けることで、経営企画への転職成功率が高まります。

経営企画としてのキャリアアップと昇進ルート

経営企画は企業経営の中枢機能を担う仕事で、キャリアアップの可能性が広がっています。経営企画で実績を積んだ人材は、部門マネージャーから部門長へと昇進し、さらにCFO(最高財務責任者)やCOO(最高執行責任者)、最終的にはCEO(最高経営責任者)へと至るキャリアパスが開けています。

このステップアップには、戦略立案能力だけでなく、財務・会計知識やリーダーシップ、高度なコミュニケーション能力が必要です。特に重要なプロジェクトでの成功実績や新規事業立ち上げの経験は、上位職への昇進において大きなアドバンテージとなります。経営企画の仕事を通じて経営者視点と全社的な視野を養うことで、将来の経営幹部としての素養が身につきます。

経営企画に役立つ資格と活かし方

経営企画の実務で活躍するには、適切な資格取得が効果的です。特に、中小企業診断士は経営コンサルタントの国家資格として、幅広い経営知識と課題発見・解決能力を証明できるため重宝されます。

日商簿記検定は、財務諸表の理解や経理的観点からの企業分析に役立ち、特に2級レベルの知識は経営企画の業務では必須とされています。MBAは経営戦略やマーケティングの専門知識を体系的に学べ、実践的な課題解決能力が身につく点が強みです。

また、公認会計士の知識は予算作成や資金調達、投資判断といったさまざまな場面で活かせます。英語力を証明するTOEICも、グローバル展開やM&A業務において大きな武器となるでしょう。

まとめ

common_1848_6.webp

経営企画は企業の未来を描く「組織の頭脳」として、経営戦略の立案から予算編成、業績分析まで幅広い業務を担います。この役割を果たすには、戦略的思考力や分析力、コミュニケーション能力といった能力が求められます。経営企画のキャリアパスはCFOやCEOといった経営幹部への道筋も開かれており、中小企業診断士や簿記といった資格を活用することで、より専門性の高い経営企画として活躍できるでしょう。

マイナビエージェントでは、業界や職種に精通したキャリアアドバイザーが、あなたの強みを活かした転職プランを提案します。企業分析から面接対策、条件交渉まで、プロフェッショナルが一貫してサポートし、非公開求人も多数保有しています。経営視点を持つビジネスパーソンへの第一歩を踏み出してみませんか。

マイナビエージェントはあなたに寄り添う転職エージェントマイナビエージェントはあなたに寄り添う転職エージェント

執筆・編集

マイナビエージェント編集部

マイナビエージェント編集部では、IT業界・メーカー・営業職・金融業界など、様々な業界や職種の転職に役立つ情報を発信しています。マイナビエージェントとは、業界に精通したキャリアアドバイザーが専任チームで、あなたの転職活動をサポートします。多数の求人情報の中から最適な求人をご紹介します。

SNSシェア

注目コンテンツ