更新日:2021/09/14
総務や人事、労務などのバックオフィス業務に活かせる資格には、どのようなものがあるのでしょうか。それぞれの部署で活かせる資格を5つ、事務職全般で役立つ資格を3つまとめました。
キャリアアップやジョブチェンジのための資格取得を検討している方は、ぜひ参考にしてください。
目次
人事、総務、労務の仕事に就くために、特別な資格は不要です。それぞれ、実務における能力や経験が重視されます。実際、資格を持っていなくても、人事や総務、労務として働いている人はたくさんいます。
とはいえ、人事・総務・労務の仕事をする上で、資格取得がまったく役に立たないかというと、そういうわけではありません。保有していることで、人事・総務・労務の業務に関係するスキルをわかりやすくアピールできる資格があります。
より重要な仕事を任せてもらいたい、現職で昇格したいと考えている方も、資格の取得は有効です。
活用できる資格を選んで取得するなど、バックオフィスの優秀なビジネスパーソンを目指して、スキルに磨きをかけましょう。
人事・総務・労務の仕事において、役立つ資格を5つご紹介します。資格ごとに得られる知識やスキル、活かせる部署をご紹介しますので、自分にとって役立つ資格を選ぶ際の参考にしてください。
キャリアコンサルタントは、厚生労働大臣の登録を受けた登録試験機関が実施する国家資格試験です。取得することで、「キャリアコンサルティングを行う専門家に値する能力があること」が証明され、キャリアコンサルタントを名乗ることができるようになります。
キャリアコンサルタントの業務は、働く人のキャリアプランについてアドバイスしたり、職務能力の向上を図るサポートをしたりすることです。従業員または求職者に対し、様々なキャリアコンサルティングを行います。
ですから、バックオフィス業務の中でも特に、社員の育成に重きを置く人事への転職やキャリアアップに有効な資格です。
キャリアコンサルタントの試験は、学科試験(筆記)と、実技試験(論述および面接)に分けられます。
受験料は下記のとおりです。
<キャリアコンサルタント試験 受験料>
※2020年4月現在
なお、キャリアコンサルタント試験の受験資格は、下記のとおりです。いずれか一つを満たせば受験できます。
<キャリアコンサルタント試験 受験資格>
上記、「キャリアコンサルタント能力評価試験の受験資格である養成講座」とは、キャリアコンサルタント試験の受験資格を満たす講習として、厚生労働大臣が認定した講習のことです。
特定非営利活動法人日本キャリア・マネージメント・カウンセラー協会が実施する「CMCAキャリアコンサルタント養成講習」や、特定非営利活動法人キャリアカウンセリング協会が実施する「GCDF-Japanキャリアカウンセラートレーニングプログラム」など、全部で21種類の講習が認定(2019年4月1日現在)され、いずれかの養成講座を修了すれば、キャリアコンサルタント試験の受験資格が得られます。
費用は20万円台~で、高額となる場合もありますので、各講習実施機関の公式サイトで詳細を確認し、受講すべきか確認しましょう。
マイナンバー実務検定は、マイナンバー制度をよく理解することで、特定個人情報を保護し、適正に取り扱えるようになることを目的とした検定です。試験は1~3級の3つのレベルが設けられ、マイナンバーの正しい保管方法や、マイナンバーに関する法律などについて出題されます。
社員のマイナンバーの管理は、社内で行うこともあれば外部委託することもあります。社内で取り扱う場合でも、人事、総務、労務のどこが担当するかは企業によって異なるでしょう。社内のマイナンバーに関わる仕事に就いている方、もしくは将来的にその可能性がある方が対象となる資格といえます。
対象となる方で、会社から取得を義務付けられた場合や、マイナンバー法に対する理解を深めたいと判断した場合は、資格取得を検討しましょう。
マイナンバー実務検定の受験料は下記のとおりです。
<マイナンバー実務検定 受験料>
※2020年4月現在
何級からでも受験することができ、受験資格は特にありません。学生であっても受験することが可能です。
なお、一度受験して不合格だった場合、連続して受験すると受験料が割引となります。
メンタルヘルス・マネジメント検定は、企業で働く人のメンタルヘルスに関する検定試験です。
人事や労務、総務は、業務上、多くの社員と関わります。特に、社員教育を行う人事担当者や、福利厚生に関する仕事を行っている方は、取得を検討してみましょう。
メンタルヘルス・マネジメント検定は、職位・職種別(対象別)に、3つのコースを用意しています。
それぞれのコースの目的と、料金を表にまとめました。
■メンタルヘルス・マネジメント検定の目的と受験料
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※2020年4月現在
人事、労務、総務担当者には、社内のメンタルヘルスケア対策を推進する、I種の取得がおすすめです。
受験資格は設けられておらず、誰でも受験できます。また、複数種の試験を同時に受けることも可能です。
人事総務検定は、人事、総務、労務の実務や法律知識の習得に役立つ検定試験です。
試験内容は、社会保険労務士試験の内容と重なる部分があります。
ですから、社会保険労務士資格取得を目指すのであれば、人事総務検定の試験勉強は役立つはずです。
■人事総務検定の受験資格と受験料
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※2020年4月現在。認定講習受講料、協会登録料が別途かかります。
受験資格ですが、3級は誰でも受験可能です。2級と1級は以下のとおり定められています。
<人事総務検定・受験資格>
社会保険労務士は、労務の仕事を行う上で役立つ資格です。就業規則や賃金規定等についての知識も問われるため、資格の取得を通して、総務や人事の仕事に役立つ知識を得られます。
他にも事務職など、バックオフィス業務の幅広い職種において、アピールポイントとなる資格です。
社会保険労務士資格を取得することで、社会保険に関する各種業務の手続き代行等が行えるようになります。社会保険関係の専門家として、社会保険労務士事務所等で働いたり、独立したりすることも可能です。
難度の高い資格ですが、取得することで、労務ならびに総務や人事で、より専門的な知見を基に業務をこなせるようになります。
社会保険労務士試験を受験するためには、下記受験資格が必要です。いずれか一つに該当すれば受験できます。
<社会保険労務士試験 受験資格>
以上、主に学歴、実務経験、試験の合格歴などが加味されます。
受験資格の証明書として、卒業証明書などの提出が必要となりますので、詳細は社会保険労務士試験オフィシャルサイトで確認するようにしましょう。
なお、受験手数料は9,000円で、払込手数料203円は受験申込者が負担します。
人事、総務、労務の仕事に限らず、社会人や事務員として働く上で役立つ基礎的な資格を3つご紹介します。先にご紹介した専門性のある資格の取得は、業務のクオリティを向上させるために役立つことは確かでしょう。
一方、基礎的な資格は、取得の過程で社会人に必要とされる、基本的な能力を磨くことができます。企業の通常業務を効率よくこなせるようになり、結果的にキャリアアップにつながるでしょう。
MOSは、正式名称をマイクロソフト オフィス スペシャリストといいます。WordやExcel、PowerPoint、Access、Outlookといった、多くの企業で使用されているアプリの習熟度が問われる資格です。
試験はアプリごとに用意されており、WordとExcelに関しては、一般レベルと上級レベルの、2種類の試験があります。
なお、同じバージョンのWord、Excel、PowerPoint、AccessまたはOutlookの4つの検定に合格すると、マイクロソフト オフィス スペシャリスト マスターの称号が与えられます。この称号は、Office 2016バージョンの一般スキルから上級スキルまで、総合的なスキルを証明するものとなります。
ITパスポート試験では、ITを活用して仕事をする現代の社会人すべてに必要な知識について出題されます。
セキュリティ意識やAI・ビッグデータの活用の他、マーケティングや財務、法務といった社会人に求められる基礎的な知識が網羅されているため、バックオフィス業務全般に役立つ資格です。
TOEICは、英語能力のテストとして学校教育でも重要視されていますが、企業の採用活動においては、ビジネスシーンで必要とされる英語力を測る基準となるものです。
合格・不合格ではなく、TOEICスコアという点数として結果が出ます。
そのため、毎年受験して点数アップを目指すなど、継続的なスキルアップを狙えることも魅力でしょう。目安として、600点以上のスコアを保有していれば、転職活動の際のアピールポイントとなります。
TOEICスコアを昇格の要件に設定している企業もありますので、意欲がある方は積極的に勉強するのがおすすめです。
人事・総務・労務関係の資格取得を目指すときは、自分の業務範囲やキャリアビジョンに合ったものを選びましょう。仕事自体は資格が必須のものではないため、働きながらスキルアップやキャリアアップのために資格取得を目指すのもおすすめです。
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