更新日:2023/05/15
企業の人事、経理などの基幹システムから、顧客管理、販売管理、在庫管理などサービス面に至るまで、あらゆる業務がシステム化されてきています。
そんなITの活用が業務に欠かせない昨今、コンピューターシステムの事故や故障は、会社内の業務を滞らせるだけでなく、企業の社会的信用を落としてしまったり、場合によっては、社会に大きな混乱をもたらしてしまったりする可能性もあります。
近年、コンピューターシステムの障害や情報漏洩といった事件、事故が多発しています。
それらを防ぐためにも、システム監査は企業にとって重要性が高いこととして認識されています。
ここでは、システム監査人を目指す人、またはシステム監査人としてさらなるステップアップをしたい人が取るべき資格についてご紹介します。
目次
システム監査は、信頼性や安全性、効率性、機密性、保全性といった幅広い側面からシステムを調査し、その結果を関係者に説明し、故障やダウンにならないよう、防止策や改善点をアドバイスすることです。
そのシステム監査を行う人のことを、システム監査人といいます。
システム監査人は、コンピューターのソフト、ハード両方の構造や理論に精通していることが必要であるといえます。
これからシステム監査の知識を身に付けるのであれば、資格取得が早道かもしれません。
システム監査に関する資格は、国や各種団体が、システム監査人の適格性について試験で評価し、認定しています。
システム監査に関する資格を取得していることは、転職の際にとても有利になりますし、今後、システム監査人への転身を考えているシステムエンジニアにとってのキャリアアップにもつながります。
実際、資格を取得したシステムエンジニアの中には、社内で内部監査業務を担うなど、仕事の幅を広げられたという例やコンピューターシステムを経営者の視点でとらえられるようになったため、システムエンジニアとしてのスキルが向上したという例もあります。
ここからは、代表的なシステム監査に関する資格である「CISA(公認情報システム監査人)」と「システム監査技術者」についてご紹介します。
CISA(公認情報システム監査人)は、アメリカに本部があるISACA(Information Systems Audit and Control Association)が認定する、情報システムの監査、セキュリティ、コントロールにかかわる専門家のための資格です。
CISA(公認情報システム監査人)の認定を受けるためには、筆記試験に合格するだけでなく、5年の実務経験(※)を有すること、さらに、ISACAの「職業倫理規程」を遵守することの承諾が必要です。
※CISA(公認情報システム監査人)で必要となる実務経験とは、情報システム監査や情報システムに関する内部統制の仕事(情報システム部門の管理者、品質管理担当、セキュリティ管理担当など)の経験のこと。
5年に満たない場合でも、情報システムの開発や運用、大学などでの就学年数によって、実務経験の一部を代替することが可能。
システム監査技術者は、経済産業省が行っている情報処理技術者試験のひとつです。
情報システムのスキルを持つ人がシステム監査人になることを想定した資格で、一般的に、試験の合格者のことをシステム監査技術者と呼んでいます。
誰でも試験を受けることができ、合格者はシステム監査技術者として認定されます。
システム監査技術者の有資格者を中心に組織された特定非営利活動法人日本システム監査人協会(SAAJ)が、「公認システム監査人認定制度」を設けています。
この制度は、システム監査人の資格保持者について、実務経験などを評価し、新たに「公認システム監査人」としての資格を与えるというものです。
公認システム監査人の資格を得られるのは、システム監査技術者だけでなく、CISA(公認情報システム監査人)や中小企業診断士などの有資格者も、一定の要件を満たせば、認定を受けることができます。
CISA(公認情報システム監査人)とシステム監査技術者の、各試験の概要を比べてみましょう。
こうして2つの資格の試験を比べてみると、システム監査技術者は記述式や論文式の問題が含まれており、CISA(公認情報システム監査人)は多岐選択式の試験であることが特徴です。
記述式や論文式の問題が苦手な方は、CISA(公認情報システム監査人)の合格を目指したほうが近道になる可能性が高いです。
また、実務経験のない方は、システム監査技術者を狙うのが近道といえるでしょう。
|
※引用:独立行政法人情報処理推進機構/ISACA(情報システムコントロール協会)
ここまで、システム監査人の仕事内容と、転職するために有利になる資格についてご紹介してきましたが、まだ自分の目指すべき道かどうか決めかねている人もいるでしょう。
システム監査人に向いている人は、おもに以下のような人物となります。
このような能力が求められる仕事を自分がやっていけるかどうか...。
そういった悩みについても、一度、転職エージェントに相談してみてはいかがでしょうか。
マイナビエージェントでは、各業界のスペシャリストがキャリアアドバイザーとして担当するため、あなたに合った職種などについても、的確なアドバイスをいたします。
IT業界
Webエンジニアに将来性はない?AI発展の3つの影響と生き残るための戦略
IT業界
ネットワークエンジニアの将来性は?需要が高まる理由と必須のスキル
IT業界
システムエンジニアを辞めたい4つの理由と辞める前に確認したいこと