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「転職とお金」完全ガイド

給与明細書の見方

「転職とお金」完全ガイド

転職の目的が「年収アップ」というケースは多いでしょう。では、あなたの考える“年収”は額面ですか? 手取額ですか? この2つはどのように違うのか知っていますか?
そう聞かれると、きちんと答えられないかもしれませんね。

額面と手取りが違うのは、毎月のお給料から税金や社会保険料が差し引かれているから。何がいくら差し引かれているかは給与明細書に書かれているので、その見方はぜひ覚えておきたいもの。社会保険がどんなときに役に立つかも知っておきましょう。

給与明細書の例

給与明細書の例

「勤怠」「支給」「控除」の3つ

給与明細書は会社によって書式が違いますが、書かれている内容はほぼ同じで、「勤怠」「支給」「控除」の欄があります。

「勤怠」の欄には、出勤日数や残業時間などが記載されています。残業時間は自分でもメモしておいて、給与明細書と照らし合わせ、違っていないかどうかチェックしましょう。

「支給」の欄には「基本給」のほか、残業代やいろいろな手当の額など、会社から支払われるものが記載されています。基本給は、会社との契約で決められた金額で、ボーナスも「基本給×何カ月分」という形で計算されるのが一般的です。
「時間外手当」は残業代のこと。深夜や休日や、一定時間数を超えた残業は、残業代が割増になります。計算方法などは就業規則で決められています。

「控除」の欄には基本給から差し引かれた社会保険料や税金が書かれています。
「健康保険料」は、公的医療保険の財源となるものです。病気やケガをして病院で治療を受けたり入院したりしたとき、窓口で支払うのは原則としてかかった医療費の3割。残りは公的医療保険から支払われます。
そのほか、病気やケガで働けず会社を休んでお給料が支払われないときに「傷病手当金」、本人や扶養家族が出産したときに「出産育児一時金」、出産のために会社を休んでお給料が支払われないときに「出産手当金」が受け取れます。

健康保険料は、基本給に各種手当を含めた報酬の月額を1等級(9万8000円)から30等級(62万円)の30等級に区分した「標準報酬月額」がベースになっています。例えば、報酬額が21万円以上23万円未満の場合、標準報酬月額は22万円といった具合です。それに保険料率を掛けたものが健康保険料の額になります。
保険料率は健康保険組合によって多少の違いがあります。中小企業が多く加盟している「協会けんぽ」という保険組合で勤務先が東京の場合、2018年度の保険料率は4.95%(本人負担分)で、標準報酬月額が22万円なら1万890円となります。

「厚生年金保険料」を支払うと、65歳から「老齢基礎年金」と「老齢厚生年金」が受け取れるだけでなく、病気やケガで高度障害負ったとき、例えば車いす生活になったり両目を失明したりしたような場合に「傷害年金」が受け取れます。また、厚生年金に加入して保険料を払っていた人が亡くなった場合、一定の遺族は「遺族厚生年金」を受け取れます。

厚生年金保険料は、「標準報酬月額×9.15%(本人負担分)」で、この料率はどの会社でも同じです。標準報酬月額22万円なら、厚生年金保険料は2万130円」です。

雇用保険からは、会社を辞めてハローワークで仕事を探す間に「基本手当」(いわゆる失業保険)が受け取れるほか、育児や介護で仕事を休み給料が支払われなかったときに受け取れる「育児休業給付」「介護休業給付」や、資格取得やスキルアップの講座の受講料の一部を補助してくれる「教育訓練給付金」があります。

雇用保険料の計算のベースになるのは、実際に支払われた基本給や各種手当てを合計した「賃金総額」で、2018年度の保険料率は0.3%。これもどの会社でも同じです。賃金総額が22万円なら660円です。(上記は2018年8月末現在の情報です)

給与明細書とスーツの男性

総支給額から控除額をマイナスしたのが手取額

控除の欄には、所得税と住民税の記載もあります。

所得税は、基本給と各種手当ての総額から、必要経費に当たる「給与所得控除」や支払った社会保険料の合計額などを差し引いたものが課税の対象となります。所得税率は、課税対象額が高くなるにつれて上がります。毎月のお給料から差し引かれている所得税額は概算なので、年末調整で精算します。

住民税も、課税対象は所得税額と同じですが、所得税とは控除額が違います。また、住民税は前度の収入に対してかかるので、学生から新入社員になった1年目は差し引かれません。
住民税の税率は、全国一律10%です。

控除の欄にある「介護保険料」は、40歳以上の人が負担します。財形貯蓄をしている人は、毎月の貯蓄額が差し引かれます。

「支給」の合計額から「控除」の合計額を差し引いた「差引支給額」が、実際に銀行の口座に振り込まれる「手取額」となります。こうしてみると、「控除」の額がかなり大きい感じがしますが、社会保険料や税金は、日本で暮らしていくための会費のようなもの。自分が困ったときの助けにもなってくれます。

最近は、紙の給与明細書は配布されずデータで確認する会社が増えていますが、いずれにしても給与明細はあなたが1カ月働いた結果を示すものであり、社会保険料や税金を支払った証明書でもあるので、しっかりチェックしましょう。(上記は2018年8月末現在の情報です)

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