製薬・医療職種 CRA
職務経歴書のポイント
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ポイントを押さえて簡潔に
職務経歴書は、多数の応募者の中から自分に興味を持ってもらうためのツール。企業側に「実際に会ってみたい」と思わせることが重要です。ついあれもこれもと盛り込みがちですが、長い文章は読む気が失せますし、説明が詳細過ぎても面接で話すことがなくなってしまいます。具体的な事例を挙げながらも、ポイントを押さえて簡潔に。A4・2~3枚程度のボリュームにまとめましょう。
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応募企業に合わせた書き方を工夫
人事・採用担当と現場の部門長がチェックすることを意識し、応募企業が求める経験・スキルに合致したもの、今後の成果や活躍を期待させる内容を中心に記載しましょう。採用は現場の意見が優先されがちですが、企業体質や風土によっても好まれるタイプは違ってきます。キャリアアドバイザーの企業情報やアドバイスを参考に、応募企業によって書き分けても良いでしょう。
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ポジティブな表現を心がける
言葉遣いや誤字・脱字、同じ言葉の重複を避けるといった日本語の表現に気を配ることは当然ですが、会社への不満や悪口と受け取れる内容や「●●が嫌だから転職したい」といった動機など、ネガティブな情報をそのまま記載するのはNGです。同じ内容もポジティブに言い換えることで印象が変わります。ポジティブな表現を心がけ、あなたの意欲や応募企業に対する思いを伝えましょう。
この職種に求められる能力とPR法
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歓迎される経験を積極的にアピール
経験は、企業がCRAの能力やスキルレベルを推し量る“ものさし”です。特に歓迎されるのは、さまざまな医薬品・機器の治験経験と、治験の開始から終了まで一貫して携わった経験の2つ。さらに、リーダー的役割やPL、オンコロジー領域など人材が不足している分野の経験もアピールポイントになります。まずはどんな経験が自分の“売り”になるか、企業の視点で考えてみましょう。
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業務を円滑に進めるヒューマンスキル
CRO業界は「納期厳守」が徹底されています。治験を滞りなく進めるには、さまざまな人と連携できるコミュニケーション能力に加え、一定期間内に作業を完了するスケジュール管理能力も、CRAに求められるヒューマンスキルです。医師やCRCとの信頼関係を構築する手法や、プロジェクトを円滑に進捗するために工夫した点などを示し、企業に貢献できることをアピールしましょう。
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コンプライアンス意識は必須
当然ながら、薬事法やGPCに関係する法令、秘密保持義務などを遵守する姿勢や倫理観も問われます。業務上での成果や実績など具体的な事実を示すことは大切ですが、コンプライアンスに配慮した表現を忘れないようにしましょう。
職務経歴書サンプル
職務経歴概要
入社時より約8年間、臨床開発に携わっております。脳梗塞やリウマチ、消化器系などの急性疾患から慢性疾患まで担当し、治験の開始から終了までの業務を万遍なく経験して参りました。直近の3年間は、オンコロジー担当モニターとして、モニタリング業務およびCROコントロール業務を中心に手がけ、開発治験をリードしております。
職務経歴詳細
20xx年xx月 ~ 現在 ○○製薬株式会社 臨床開発推進部
【対象疾患(開発段階・時期)】
多発性骨髄腫(第Ⅰ/Ⅱ相)/20××年×月~現在
【開発目的】
RD確認/承認申請
【担当業務】
- 治験計画の立案調査、治験資料作成
- 施設・責任医師選定調査の実施(5施設)
- 症例エントリー
- CRF回収
- 次試験のための調査、治験資材作成、海外ライセンサーとの会議
- 研究会への出席
【対象疾患(開発段階・時期)】
抗がん剤に伴う悪心・嘔吐(第Ⅲ相)/20××年×月~20××年×月
【担当症例数(担当施設)】
16例/50(3施設/私立大学病院2、県立病院1)
【開発目的】
承認申請
【担当業務】
- 治験計画の立案調査、治験資料作成
- 施設・責任医師選定調査の実施(3施設)
- CROコントロール業務(CRA10名)
【対象疾患(開発段階・時期)】
非小細胞肺癌(第Ⅱ相)/20××年×月~20××年×月
【担当症例数(担当施設)】
120例/200(12施設/国立大学病院1、私立大学病院3、総合病院8)
【開発目的】
承認申請
【担当業務】
- 症例エントリー
- CRF回収
【対象疾患(開発段階・時期)】
2型糖尿病(第Ⅲ相)/20××年×月~20××年×月
【担当症例数(担当施設)】
14例/50(3施設/クリニック3)
【開発目的】
BG併用試験、SU併用試験(承認申請)
【担当業務】
- 施設・責任医師施設選定
- 症例エントリー
- CRF回収
- GCP適合性調査対応(書面調査,実地調査)
【対象疾患(開発段階・時期)】
潰瘍性大腸炎(第Ⅱ相・Ⅲ相)/20××年×月~20××年×月
【担当症例数(担当施設)】
28例/50(5施設/私立大学病院1、総合病院4)
【開発目的】
承認申請
【担当業務】
- 施設・責任医師施設選定
- 症例エントリー
- CRF回収
【対象疾患(開発段階・時期)】
逆流性食道炎・非びらん性胃食道逆流症(第Ⅲ相)/20××年×月~20××年×月
【担当症例数(担当施設)】
8例/70(3施設/総合病院2、クリニック1)
【開発目的】
承認申請
【担当業務】
- 施設・責任医師施設選定
- 症例エントリー
- CRF回収
【対象疾患(開発段階・時期)】
関節リウマチ(第Ⅲ相)/20××年×月~20××年×月
【担当症例数(担当施設)】
30例/320(3施設/県立病院1、総合病院2)
【開発目的】
用法追加
【担当業務】
- 施設・責任医師施設選定
- 症例エントリー
- CRF回収
【対象疾患(開発段階・時期)】
脳梗塞(第Ⅳ相)/20××年×月~20××年×月
【担当症例数(担当施設)】
3例/20(1施設/総合病院1)
【開発目的】
市販後臨床試験
【担当業務】
- 症例エントリー
- CRF回収
活かせる経験・知識・技術
●モニタリング姿勢
モニタリングにおいては「確実な作業」と「チーム内での情報共有」の2点を特に心がけています。担当症例数や毎回の直接閲覧での実施事項が多い場合でも、Dr.やCRCから聴取した事項に間違いないことを自分の目で確認し、質を担保することを徹底しています。また、想定されるプロトコール上の問題点や逸脱に対する予防策を練るだけでなく、逸脱事例や自分の失敗についても、会議・メールで積極的に情報を共有しています。結果的にチーム全体での情報共有が活性化し、ミスの再発防止につながったとPLから評価されました。
●提案力・問題解決力
症例の獲得や進捗が思わしくない医療機関に対しては、他院での成功事例を紹介し、原因の究明と問題解決に向けて、Dr、CRCと定期的に協議する場を設けました。Drのモチベーションを維持するため、要望のあった資材や情報の迅速な提供と、プロジェクト全体の進捗状況の定期的な報告を心がけました。 慢性疾患を対象としたプロジェクトでは、開始前から医師との関係構築に努め、全国トップの症例数を獲得し、社長表彰を受けました。
●リーダーシップ
エビデンスが重要とされるオンコロジー領域の医師と十分な協議をするため、論文抄読や国内外の学会参加などにより、知識の拡充及び各がん腫の組織、key Dr.の把握に努めてきました。現在では、メンバーの指導・教育の他、CROを利用する試験のコアメンバーとして、CROの選定やCRO-CRAの面接も担当しています。試験開始後は、依頼者としての責任を意識し、CRAに対する臨機応変な指示・管理・対応に努め、日々、管理能力を磨いております。
資格・スキル
取得年月 | 資格名 |
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20xx年xx月 | TOEICスコア680 |
20xx年xx月 | 第一種普通自動車免許 |
自己PR
これまでの経験を通して、CRAにはビジネスマナーや専門知識、コミュニケーション能力など、幅広いスキルと見識が問われることを痛感してまいりました。幸いにも高名なDrと面談・協議する数多くの機会に恵まれて知識と交渉力を高めることができ、幅広い視野から目標達成のためにできることは何かを考え、常に最大限の努力を続ける自信があります。また、臨床開発に携わる者として、国際共同治験にも非常に興味があります。今後は、よりプロ意識の高い環境でさらなる研鑽に励み、ゆくゆくはPL職としてドラッグラグ解消に貢献できればと考えております。