更新日:2024/03/11
履歴書を書く際に、参考程度として例文を見るというのは、よくあることだと思います。確かに例文に対するニーズは高いようで、インターネットで「履歴書 例文」と検索すれば、良く書かれた履歴書が数多く出てきます。それらを参考に、自分なりの履歴書を書いてみるのはいいと思います。しかし、中には参考程度では収まらず、つい、文章をそのまま丸写ししてしまっている人もいるようです。
丸写しは絶対におすすめできません。ここでは、Aさんが実際に体験した丸写しによる失敗談をご紹介します。
目次
転職活動に大切な履歴書。この書類を甘く考えてしまうと、痛い目に遭ってしまうこともあります。今回、ご紹介するAさんも実はその中の一人。文章を書くのが苦手だからといって、つい、やってはいけないことに手を出してしまいました...。
私は昔から文章を書くのが苦手で、何を書くにしても、どう書き始めればいいのかで迷うし、書き始めたら、今度は文法が合っているかどうかなど、いちいち細かいことが気になってペンが進まないタイプです。
そのため、転職活動での履歴書作成は本当に苦労しました。特に悩んだのが志望動機です。志望動機のあの真っ白で大きな空白をどう埋めたらいいのか?どれぐらいの文字数を書いたらいいのか?その正解が見えず、困り果てていました
私の学歴や職歴は特に問題なかったのです。必要な資格も取っていたので、志望動機に書けそうな素材はありました。ただ、文章に対する苦手意識で、素材をどのように組み立てればいいのか悩んでしまったのです。
また、志望動機という見出しも私を苦しめました。志望の動機を書くところなのに、自分をアピールしすぎてしまうことは読み手に自信過剰な印象を与え、マイナス評価につながるのではないかと心配になったのです。アピールすることが正解なのかどうか、不安は募るばかりでした。
悩んだ末に私は、「志望動機などは適当に書いておけばいいや」と開き直ってしまいました。というのも、履歴書を一枚一枚、担当者がちゃんと目を通しているとは思えなかったですし、こんな紙ペラ、どうせみんな似通った内容なんだろうなとどこかで思っていました。考えることに疲れていたということがあるかもしれません。
そのようなとき、インターネットで「履歴書 書き方」などと検索していたら、様々な業種に合わせた転職志望動機の例文をまとめたページが出てきました。さらにそこには、面接に合格するための攻略ハウツーまで全て掲載されていたのです。これを見て、こんなページが数多くネットにあるのだから、この中からまるまる例文をコピーしてもばれないだろうと思い、自分の志望動機でも使わせてもらうことにしました。おかげで、自分では絶対に作れないハイクオリティな履歴書が完成した、と思い込んでしまいました。
その後、私は書類選考を無事に突破し、面接を受けることになりました。もちろんここでも、「面接に受かるための攻略ハウツー」をネットで熟読していたので、気持ちはかなり大きくなっており、もはや受かって当然だというぐらいに自信に満ち溢れていました。
面接が始まっても、その気持ちは変わりません。序盤で質問された学歴や資格については応募条件をクリアしていましたし、前職の退職理由もハウツーに載っていた答え方で無難にやり過ごせたと思います。 しかし、その担当者が一番気になったのは「志望動機」だったようです。履歴書に書いた内容が志望先の企業の特徴を反映した部分がなく、同じ業種の企業でも通じる内容だったことから「どうして我が社なのか?」という疑問がわいてしまったようなのです。ありきたりな褒め言葉ばかりが並び、「御社の特長を反映した志望動機」にはなっていなかったのです。
さらに、攻略ハウツーの中にあった「戦力になれるよう努力いたします」という一文。これに対しても、具体的に何ができそうか、どのような努力をしているのかを掘り下げて聞かれました。私は、それに対しては何も答えられず、面接は終了。結果、不採用となってしまいました。
おそらく面接をした採用担当者は、私が転職対策サイトの例文を丸写しして志望動機を書いていることを見抜いていたのでしょう。本来、一番熱意を込めて伝えるべき志望動機に全く自分の意志が反映されていませんから、当然のことです。採用担当者はこれまでに何人もの社員と向き合ってきた、いわば人を見るプロ。そんな人を欺いて、内定を勝ち取ろうとした私が甘かったのです。
いくら文章を書くのが苦手でも、履歴書を書くという行為に対して、もっと自分自身が向き合うべきでした。自分の考えで書いていなかったということは、熱意がなかったとみなされて当然です。下手なりに、自分の言葉で書いたほうが気持ちは伝わったのだろうなと、今は後悔しています。今回のことを教訓にして、今後の転職活動に活かしたいと思っています。
その後、無事に書類選考は通り、面接を受けることになりました。面接対策のマニュアルは熟読していたので、落ち着いて受けられれば大丈夫と思っていました。職歴や資格についての質問は特に問題はなかったですし、退職理由も慌てず、マニュアルに示されていた内容で無難に答えられたと思います。
しかし一番、担当者が聞きたかったのは「志望動機」だったようです。履歴書に書いた内容があたりさわりなく、他の会社でも通じる内容だったことから「どうしてわが社なのか?」という点を突っ込まれました。
その点は、面接前に会社の特徴を頭に入れていたので、何とか切り抜けられた気がします。しかし履歴書の志望動機に何気なく書いていた「戦力になれるよう努力いたします」という文言に対し、具体的に何ができそうか、どのような努力をしているか、また掘り下げて聞かれました。
おそらく担当者は、私が転職対策の例文を真似て志望動機を書いていることを見抜いていたのでしょう。思いつく言葉を並べて質問に答えましたが、本来なら一番、熱意を込めて伝えるべき志望動機があいまいになっていたかもしれません。
いくら文章を書くのが苦手でも、履歴書に書く、という行為を通じて、自分自身がもっと志望動機について向き合うべきでした。下手なりに、自分の言葉で書いた方が気持ちは伝わったかもしれません。書きたいことが見つからなかった、ということは、それほど自分にも熱意がなかった、とみなされて当然です。
結局、面接では不採用となりました。履歴書を甘くみて、他人の言葉を借りて書いた私の責任だと思います。
以上が、Aさんの履歴書失敗談でした。志望動機は働きたい意欲を示す大事な項目です。今回のAさんのように、例文を丸々写してもあなたの個性を伝えることにはつながりません。自分の言葉で、オリジナリティのある内容にしたほうが、採用担当者の印象に残るのは当然です。
もし、どうしても書き方が分からない、文章が苦手というときは、転職エージェントに相談してみるのもひとつの手段でしょう。マイナビエージェントでは、履歴書の添削や書き方のアドバイスをいたします。
履歴書
【履歴書】自動車免許の正しい書き方|取得日や正式名称の確認方法も紹介
履歴書
履歴書の送り方は採用に影響する?郵送のマナーから封筒の書き方まで徹底解説
履歴書
履歴書に書く「現在に至る」「以上」の意味とは?ケース別の記入方法を解説