更新日:2024/03/13
ものづくりの現場において、生産効率を高めるために欠かせない仕事が「プロセス開発」や「生産技術」です。どちらもものづくりの工程設計から生産までをつなぐ役割を担っていますが、業務には具体的にどんな違いがあるのでしょうか?
ここでは、プロセス開発と生産技術それぞれを、「仕事内容」や「その仕事に向いている人の特性」「仕事のやりがいや魅力」について比較しながらご紹介します。
目次
まず、プロセス開発と生産技術の仕事内容について見ていきましょう。
プロセス開発の仕事は、「その製品の生産に対して、実験と評価・分析を繰り返し、最適な工程を開発すること」です。高品質な製品が量産できるよう、デザイン性やリサイクルコストといった項目も条件に入れながら、理想の生産工程を開発し、現場の生産ラインに落とし込んでいきます。また、生産で使われる装置や設備の選定の他、電圧・温度といった様々な項目を調整し、検証するのもプロセス開発の仕事です。
生産技術は、製品や部品の品質・コスト・スピードを重視しながら、「より効率的な生産体制を構築する仕事」です。新製品のための生産ラインの構築や生産体制の課題解決など、ニーズに応じて生産ラインを開発していきます。
生産プロセスの設計だけではなく、生産現場全体を見渡して「課題および解決策を見つけること」「新規生産ラインを立ち上げること」の他、研究開発部門や設計部門と生産現場のパイプ役となって「業務や人員配置を見直すこと」などもあり、幅広い業務内容となっています。
効率的な生産体制やプロセスの構築という点で業務内容が似ているため、プロセス開発と生産技術の仕事はほとんど同じ職種として分類されたり、募集されたりしているケースもあります。ただ、あえて挙げるとすれば、この2つの仕事の違いとしては、次のようなことが挙げられます。
生産技術と連携し、実験と分析を繰り返して最も効率的な生産工程となるよう開発・改善を行う。
効率良く高品質なものづくりをするための、生産体制のプランを立てて具現化する。
生産現場全体を見渡す役割が生産技術にはある一方、プロセス開発はより専門的な知識やスキルを活かすことができるといっていいでしょう。
次に、プロセス開発と生産技術の仕事を、やりがいと魅力の面で比較してみましょう。
プロセス開発の仕事は、自分で生産工程を設計するため、実験が成功して現場の生産ラインで適用となったときに、大きなやりがいを感じることができます。従来の生産ラインでは実現できなかった製品の開発や、生産体制の改善といった課題解決にも貢献することができるでしょう。また、時には検証や実験で、数百通りにのぼるガスや電圧、温度、その他、様々な種類の設備の組み合わせを分析しなくてはならないのですが、困難な分、大きな達成感も得られます。
生産技術の仕事は、ものづくりの現場に直接携わりながら、生産の効率向上に貢献することができます。また、ものづくりの効率化について様々な角度から生産ラインを観察し、創意工夫に富んだオリジナリティのあるアイディアを提案することができるため、自分の知識や経験を活かした仕事ができるというのも魅力といえるでしょう。
ここまで、プロセス開発と生産技術の仕事内容ややりがい、魅力について紹介してきました。ここからは、それぞれの仕事に向いている人について見ていきましょう。
プロセス開発は単独での業務というよりは、チーム全体でこなす仕事となるため、現場内外の様々な部門の人々とうまく連携し、コミュニケーションがとれることが大切です。
また、プロセス開発の仕事では、CADやPDM、CAEといったツールのスキルや知識が求められますが、こちらは会社や製品によって使用ソフトが異なることもあるため、入社後に習得していくというケースも多いです。
「ものをいかにうまく作るか」の効率化を、スピード・コスト・品質など、あらゆる角度から柔軟に発想し、それを楽しみながらできる人が向いているといえるでしょう。
企業によっては、プロセス開発と生産技術を、同じ求人として募集しているところがあります。2つの仕事の違いを熟知し、こだわりを持ってそれぞれの職種に進もうとしている方にとっては、企業がどちらの仕事をしてほしいのかというのは、とても気になる部分となります。その点をしっかり確認しておかないと、入社してから「こんなはずではなかった」と後悔してしまうことも...。そんなことにならないためにも、マイナビエージェントのキャリアアドバイザーにご相談ください。
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