更新日:2022/04/07
バリ取りは、金属やプラスチックのパーツを扱う工場で求められる仕事です。
製造業において仕上げの工程を担うだけでなく、製品の誤作動を防いだり、製品を手にする人の安全を守ったりする大切な仕事です。
ここでは、バリ取り作業者の仕事の内容や国家資格の取得方法についてご紹介します。
目次
バリ取りとは、金属やプラスチックのパーツを加工する際に生じたバリ(素材の出っ張り)を取り除く作業のことをいいます。
バリが残っているパーツを使用すると、所定のサイズでないために組み立て不備による誤作動などを引き起こしてしまう可能性があります。また、バリ取りが不十分なパーツにふれた場合、鋭いバリで手を切るなどのケガをする可能性もあります。
バリ取りは製品の品質維持や、パーツを手に取って使用する人の安全にも貢献しているのです。
バリ取りは、意欲さえあれば初心者からでも修得可能な技術です。
細かな手元作業と同時に、大きな機械を用いてバリ取りをすることもあります。
製品の仕上げという最終工程で、慎重かつ丁寧に作業を進める必要があり、粘り強く几帳面な人にも向いているといえます。
バリ取りが活躍する職場は、金属やプラスチックのパーツを加工する工場が中心になります。
取り扱う部品によって、手元で慎重な作業をすることも、大きな器具を使って作業することもあります。
バリ取りは、さまざまな電子機器の最終的な仕上げを担い、価値を高めることに直結する仕事ですから、製品の最終工程に携わっているというやりがいを感じることができるでしょう。
バリ取りの仕事は、安全管理を徹底していればケガの可能性は少ないといえます。
ただし、バリ取り作業の際には火花が散るため、目を保護するためのゴーグルと、削った屑を吸い込まないためのマスクの着用が必要です。
資格がなくてもバリ取り作業はできますが、バリ取りに使うグラインダー(研磨機)の砥石の取替えなどをするには「研削といし取替試運転作業者」という特別講習を受講する必要があります。研削(けんさく)とは、砥石を使って金属やプラスチックの表面を滑らかに研磨することです。
「研削といし取替試運転作業者」は厚生労働省認定の特別講習で「自由研削といし取替試運転作業者特別講習」と「機械研削といし取替試運転作業者特別講習」の2種類があります。
どちらを受講するべきかは作業環境によります。このため入社後に会社が講習を受けさせることがほとんどです。
グラインダー、切断機など、手元で使う電動工具を使って研削作業をする場合は、自由研削用砥石の取替えなどの業務特別教育を受講します。
大型で置型の工作機械を使った研削作業の場合は、機械研削用といしの取替え等の業務特別教育を受講します。
研削といし取替試運転作業者の資格を履歴書に書くときは、「自由研削といし取替試運転作業者特別教育修了」または「機械研削といし取替試運転作業者特別教育修了」と書きます。
バリ取りに使うグラインダーのといしの取替えは、特別教育を修了していないとできません(労働安全衛生法第59 条による)ので、国家資格を持っていることは就職・転職時のアピールにつながります。
バリ取り作業者は、どのような就職先で働くことができるのでしょうか?
キャリアアップについても確認しましょう。
バリ取りの求人は製造業がメインです。
職場は、金属やプラスチックのパーツ製造会社や、パーツを組み立てる会社が多く、仕事内容は扱う部品のタイプによって異なります。
「加工補助」などの名称の求人は、バリ取りの前後に必要な機械操作の補助や検品作業をまとめて任されるものもあります。
バリ取りの現場では、女性も活躍しています。
特に、プラスチックの小さなパーツのバリ取りは、男女問わず作業しやすく、アルバイトやパートから始めることも可能です。
バリ取りには専門技術や知識に加えて、作業の勘や経験も必要です。
経験を重ねるほど職人的な技術は上がりますし、技術の進歩で最新のバリ取り機械なども登場していますから、そういった機械操作なども覚えていくと仕事の幅が広がるでしょう。
といしの取替えなどの作業は「研削といし取替試運転作業者」の特別講習を受けていないと出来ませんので、「研削といし取替試運転作業者」を受講し、国家資格を取得することもキャリアアップにつながります。
メーカー
機械設計の転職先とは?転職で失敗するパターンと成功の5つのポイント
メーカー
機械設計の年収水準は?年収アップに必要なスキルや転職のコツも
メーカー
【例文つき】機械系エンジニア(機械設計)の志望動機の書き方やポイントを紹介