更新日:2023/12/08
計装とは、工場等にある測定装置や調節用計器を合理的に管理するため、1箇所にまとめて設置することをいいます。
ここでは、計装の仕事内容や、役立つ資格の取得方法についてご紹介します。
目次
計装の「計」は計測器、「装」は装備の略です。工場などにはたくさんの機械が導入されています。これらの機械がきちんと動作しているか、温度計や圧力計などで常にチェックするのが計測器です。
各工程にある様々な機械の計測器を、管理しやすくまとめて設置(装備)し、自動制御できるようにコンピューターを使ってシステム化するのが計装の仕事となります。
計装の技術者が活躍している業界や現場は幅広く、その規模から大きく下記の3つに分けられます。
計装の技術者は製鉄や石油化学、ガスなどの巨大プラントで活躍しています。プラントには数千にも及ぶ機械とその制御装置が設置されており、最先端の制御技術が駆使されています。
万が一の不測の事態が起きても、自動化された制御装置がいち早く機械を止め、事故を免れるようになっているのです。これをプロセスオートメーションといいます。
計装の技術者の職場というと、工場などの機械を動かす生産現場がイメージされるでしょう。生産工場の機械化が進むにつれ、機械を制御する装置も増え、計装の重要度は増しています。
現在では、様々な場所でオートメーション化が進んでおり、それぞれの現場で計装が必要になってきています。たとえば一般の事務所や学校、ホテルでも、温度を一定に保つために計装技術が使われています。
病院の検査室や手術室には、高度な計装技術が取り入れられていることは、いうまでもありません。
計装は、電気工事や配管工事の知識やスキルがないとできない仕事ですが、現在は制御のためのプログラミング技術が要求されることもあります。
計装士試験は一般社団法人日本計装工業会が認定する民間資格で、合格すると「計装士」として登録でき、オートメーション機器などの計測器取付工事や、関連する配線・配管工事の設計や監督を行うことができます。
計装士試験は、建築会社や電気設備会社などでの実務経験がないと受験できません。1級は実務経験5年以上(うち指導監督的実務経験年数1年以上)、2級は実務経験2年以上となっています。
計装士試験は学科試験と実地試験があり、8月下旬に学科試験が、12月中旬に実地試験が行われます。試験は1級と2級に分かれており、試験項目は1級・2級ともに同じですが、難度が異なります。
計装一般知識について/計装設備(プラント、ビル)について/施工管理(プラント設備、ビル設備)について/計装関係法令について
計装設備計画、計装設備設計図などについて
試験の合格率は55~65%程度となっており、試験の難度はそれほど高くありませんが、受験資格として実務経験が必要なため、未経験者がキャリアアップのために資格取得するのは難しいでしょう。
1級計装士は、試験合格後、「電気工事」と「管工事」に関し、1年以上の実務経験を経て、「主任技術者」と認定されます。
主任技術者は、建設業法により、どの建築現場にも配置が必要とされています。そのため、計装の主任技術者は、各現場に必ず配置されることになっています。
また、企業が公共工事を入札する場合には、1級計装士(登録計装士という)がいることが条件となりますので、極めてニーズの高い公的資格といえるでしょう。
1級計装士を目指すことで、大きなキャリアアップが望めます。
計装そのものの経験はなくても、電気工事や管工事に関係する仕事をしていれば、そこでの実務経験年数を受験資格として申請できます。工場やオフィス等でのオートメーション化が増えるに従って、計装士は人手不足になると予測されます。
もし電気工事や管工事に関係する仕事をしているなら、大きなキャリアアップにつながる1級計装士の合格を目指してみてはいかがでしょうか。
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