更新日:2022/07/27
この記事のまとめ
化学メーカーに転職するには、化学系の専門的な知識やスキルが必要で、未経験者には難しいと考える人も多いのではないでしょうか。しかし、職種によっては未経験でも転職可能です。
この記事では、化学メーカーの転職事情や求められるスキルについて解説します。転職で役立つ資格も5つ紹介しているため、ぜひ参考にしてみてください。
目次
未経験でも化学メーカーへの転職は可能です。化学メーカーには、研究・開発・技術・営業といったさまざまな職種があります。営業や事務、工場勤務であれば未経験でも転職できるでしょう。
ただし、高度な専門スキルが求められる研究や開発といった職種は、大学の理系・化学関係の学部出身者や一定の実務経験が求められる傾向があります。
化学メーカーへの転職を考えた際に、日系と外資系のどちらに転職するか悩む人もいるでしょう。企業ごとの特色もありますが、共通していえるのは、どちらも異業界からの転職が可能という点です。ここでは、日系化学メーカーと外資系化学メーカーの転職事情について解説します。
電機業界や食品業界といったほかの製造業と比べて「化学業界は異業種からの転職が難しい」というイメージを持つ人もいるかもしれませんが、大手や中堅の日系化学メーカーでは、異業種からも積極的に採用する傾向があります。
その背景にあるのは、急速に進む再生可能なエネルギーの拡大やデジタル化の促進です。激しい変化に対応するには、相応のスキルを持つ異業種の人材を採用する必要があります。また、業績の拡大により営業職や製造職といった職種の中途採用に力を入れており、転職市場は活発といえるでしょう。
外資系化学メーカーでは、M&Aや不採算事業の売却により、特定の専門領域でのシェア拡大を狙う傾向があります。また、特定の分野に特化した中小企業も少なくありません。異業界から転職を考えるケースでも、個人の能力や経験次第では幅広い選択肢が存在します。とはいえ、外資系企業は実力主義である場合が多く、未経験者が転職するのは簡単ではありません。
化学メーカーには数多くの職種が存在するものの、業界未経験の場合、選べる職種は限られます。転職では前職の経験が活かせる職種を選ぶのが一般的です。ここでは、化学メーカーの主な職種と未経験でも目指せる職種について解説します。
化学メーカーの主な職種は以下のとおりです。
ほかにも、経営企画や経理財務など、企業によってさまざまな職種があります。
未経験でも転職しやすい職種には、製造・営業・総務・人事があります。製造現場では、工程がマニュアル化されているのが基本で、他職種と比べて仕事を覚えやすいのが特徴です。また、前職で営業の経験があれば、営業職も目指せるでしょう。商品に関する専門的な知識を身につける必要がありますが、入社後に研修や教育を用意している企業も数多くあります。
総務・人事に求められるのはPCスキルや事務処理能力で、化学に関する専門的なスキルは必要ありません。したがって、前職で総務・人事の経験があれば十分に転職可能です。
化学メーカーへ転職する際は、どのような人に適性があるか知ることが大切です。向いている人の特徴が分かれば、企業が求める人材も把握できます。志望動機や面接の対策にもなるため、きちんと押さえておきましょう。ここでは、化学メーカーへの転職に向いている人について解説します。
基本的にどの仕事でも責任感の強さは求められますが、化学メーカーでは特に重要です。危険物を取り扱う場面が多く、ひとつのミスが大きな事故を生むケースも少なくありません。大きな事故になれば、企業としての信頼を失うだけでなく、自分や従業員にも身の危険を及ぼすでしょう。したがって、責任を持って仕事をこなせる人が向いています。
特に研究開発に関わる場合、失敗しても諦めずに取り組める人が向いています。新商品開発の際には、何度も実験を繰り返したり、試行錯誤したりして失敗することも少なくありません。そういった場面では、「なぜ失敗したのか」「どのように改善できるか」と粘り強く考える能力が求められます。そのためには、果敢にチャレンジする意識が大切です。
化学メーカーではチームで協力して仕事をすることが多いため、チームワークが得意な人が向いています。チームで仕事を進める際は、「ほかの人が何をやっているか」「自分は何をやるべきなのか」とお互いの進捗や方針を共有して仕事を進めなければなりません。チームワークは研究開発職だけでなく、プラントエンジニアや営業にも必要です。
化学メーカーは工場や研究所が各地に点在する企業が多く、海外に拠点がある企業も珍しくありません。ほかの拠点への転勤の可能性もあるため、柔軟に対応できる人が向いています。家族がいる場合、パートナーが仕事を辞めたり子どもが転校したりする必要がある点がデメリットです。一方、新しい環境で働くことで刺激を受けて、視野が広がるというメリットもあります。
転職を成功させるために、化学メーカーで求められるスキルを確認しましょう。職種によって必要なスキルは異なりますが、ここで紹介する3つのスキルはどの職種でも重要です。自分に足りないスキルを知り、転職活動前に身につけておくとよいでしょう。
化学メーカーでは、他部署との連携や関連会社とのやり取りができるコミュニケーション能力が重要です。特に管理職にとっては、社内外との交渉を円滑に進めるうえで欠かせません。
また、チームマネジメントや後輩の指導をすることもあります。すぐに身につけられるものではありませんが、積極的に人と話すことで徐々に鍛えられるでしょう。
生産技術やプロセス開発では、生産設備の改善や生産ラインの効率化を考える能力が重要です。製造工程や現場に関する知識を身につけたうえで、試行錯誤して仕事を進める必要があります。
製造工場で働いた経験がある人は、前職でどのように改善・効率化を図っていたかをアピールできれば転職で有利でしょう。日々の業務効率化は生産技術やプロセス開発に限らず、製造職や営業職でも求められます。
化学メーカーでは英語力を求められる傾向があります。特に海外展開している企業では、会議やメールで英語を用いることもあるため、ビジネスレベルの英語力は欠かせません。「TOEICのスコアが700点以上」と明記されている求人もあるため、英語力に自信がある人はアピールするとよいでしょう。
特に、海外の法人に商品を紹介する営業職や、海外の関連会社と共同研究することが考えられる研究開発職にとっては重要なスキルといえるでしょう。
基本的に化学メーカーへの転職で必須の資格はありません。ただし、入社後に必要となる資格をあらかじめ取得することで、応募書類や面接でアピールできる材料となります。特に未経験者の場合、自分の知識やスキルをアピールするのは困難です。転職を成功させるためにも、応募先企業で活かせる資格の取得を目指しましょう。
一般財団法人消防試験研究センターが実施する国家資格です。資格を取得することで、消防法で定められた「危険物」を取り扱えるようになります。
「甲種」「乙種」「丙種」の3種類あり、甲種は消防法上の第1類から第6類まですべての危険物の取り扱いが可能です。化学メーカーで勤務するのであれば、甲種の取得を目指しましょう。ただし、甲種は一定の学歴や実務経験といった受験資格があるため、未経験者は乙種や丙種から取得することをおすすめします。
公益社団法人日本プラントメンテナンス協会が実施する国家資格です。機械の修理やメンテナンスといった、工場で機械が正常に稼働するように保全を担う知識が習得できます。
特級・1級・2級・3級と資格区分があり、3級以外は受験するために一定の実務経験が必要です。まずは3級を取得し、管理職を目指すのであれば、2級以上に挑戦するとよいでしょう。
参照:国家検定 機械保全技能検定|公益社団法人 日本プラントメンテナンス協会
公益財団法人安全衛生技術試験協会が実施する国家資格です。資格を取得することで、伝熱面積の合計が25平方メートル未満のボイラーの運用・管理・保守点検ができます。
ボイラー技士の資格には、二級・一級・特級があり、一級を受験するには二級の免許、もしくは一定の学歴や実務経験が必要です。二級は本人確認書類を提出すれば、誰でも受験できます。
一般社団法人知的財産教育協会が実施する国家資格で、知財マネジメントスキルを習得できます。モノづくりの企業が利益を得るには、経営資源としての知財を戦略的にマネジメントすることが重要です。
試験の難易度によって、1級・2級・3級の3つの等級に区分されています。1級・2級は学歴や実務経験といった受験資格がありますが、3級は知的財産に関する業務に従事しようとしている人であれば誰でも受験可能です。
参照:国家試験 知的財産管理技能検定|一般社団法人知的財産教育協会
一般財団法人国際ビジネスコミュニケーション協会が実施する英語力を図るテストです。合否ではなくスコア制で、自分の現在の英語力がどの程度なのか、具体的に分かります。海外に拠点がある化学メーカーでは英語力が必要であるため、TOEICのスコアにより英語力を証明できると転職で有利になるでしょう。
応募資格として「TOEICのスコアが600点以上」と求人に明記されている場合があります。テストは基本的に毎月行われているため、転職でアピールしたいのであれば受けておくとよいでしょう。
参照:【公式】テスト申込|TOEIC Listening & Reading Test|【公式】TOEIC Program|IIBC
化学メーカーは未経験者でも転職可能です。ただし、職種によっては専門的な知識やスキルが必要であるため、応募する際は自分に合った職種を選びましょう。応募先企業について情報収集し、転職後に活かせる資格を取得するのも有効です。
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