更新日:2022/06/29
この記事のまとめ
製造業への転職を検討しており、その中でも化学メーカーに興味がある方もいるのではないでしょうか。しかし一口に化学メーカーといっても、企業によって扱う製品の種類や仕事内容は異なるため、自分が就きたい職種や実現したいキャリアプランに応じて適切な企業を選ぶことが大切です。
この記事では、化学メーカーの特徴や代表的な製品、主な職種など気になる情報を紹介します。化学メーカーの特徴を把握したうえで転職先を選べば、転職後のミスマッチを防げるでしょう。
目次
化学メーカーは、製造業の一分野である「化学工業」を営む企業のひとつです。化学工業とは、化学反応を用いて原料から中間材料や最終製品を製造する産業を指します。具体的な製品は石油製品や染料、肥料、医薬品、ゴム製品などさまざまで、いずれも社会生活に欠かせません。
化学メーカーには材料の研究・開発や製造など、さまざまな職種があります。携わる職種によって業務内容はまったく異なるため、自身のキャリアプランを考えたうえで適切な職種を選びましょう。
化学メーカーは開発・製造している製品の特徴や事業内容によって以下の3種類に分けられます。
ここでは、それぞれの企業の特徴を詳しく解説します。転職を成功させるためにも、希望する企業がどの分野に携わっているかを正しく理解しましょう。
総合化学メーカーは、原料の調達から最終製品の製造・販売までを自社で担う企業です。たとえば、日常生活でよく使用するポリ袋の製造工程を見てみましょう。
総合化学メーカーでは、上記の4工程すべてを自社内で担当します。技術力が高く、日用品や医薬品などさまざまな製品を取り扱っている企業が多い点も特徴です。
誘導品メーカーは、原料を調達して中間材料を製造し、完成した中間材料を別のメーカーに販売する企業を指します。ポリ袋の製造を例にして主な事業内容を解説すると、以下のとおりです。
自社では最終製品であるポリ袋は製造せず、中間材料のポリエチレンをほかのメーカーに販売します。取引形態は企業間取引(BtoB)が基本です。
電子材料メーカーは、半導体をはじめとした電子部品を製造し、電子機器メーカーに部品を販売する企業です。多くの電子機器に使われているマイクロプロセッサーを例に取ると、以下のような工程に関与します。
電子材料メーカーの中には、総合化学メーカーのように自社でCPUやGPUなどの最終製品を製造するところもあります。
化学メーカーは基礎研究や商品開発、生産技術の開発、製品の製造などさまざまな分野に取り組んでおり、職種も多種多様です。どの職種に転職するかによって業務内容は大きく異なるため、自身のやりたいことや習得しているスキルにマッチしたところを選びましょう。
ここでは化学メーカーの職種のうち、「研究・開発」「生産技術」「調達・購買」「品質管理」の4分野を紹介します。
研究・開発職の主な仕事は、製品開発や技術研究です。ただし一口に研究・開発といっても、実際の業務内容は多岐にわたります。主な業務は以下のとおりです。
複数分野の製品を取り扱っている企業であれば、どの製品の研究・開発担当になるかによって業務内容が大きく異なります。転職を検討する際はどの分野の研究・開発職を募集しているのかをきちんと確認し、自身のスキルを活かせる分野を選ぶことが大切です。
生産技術は実際の製品を設計・生産する職種で、原料の加工をはじめとした生産全般に携わります。たとえば以下の業務内容に従事します。
研究・開発職が新商品や新技術の開発を担当するのに対して、生産技術職は研究・開発職が生み出した製品の商業生産体制の確立が主な業務内容です。研究・開発職と混同されやすいため、注意しましょう。
調達・購買職の仕事は原料やパーツの発注および納品対応がメインです。それに加えて発注先の選定や取引条件の交渉、物流の管理にも携わります。
原料やパーツは国外の企業から調達することも多く、高いレベルの語学力や交渉力が求められる分野です。原料やパーツの品質は自社製品の品質に直結します。クオリティーが高いものを適正な価格で仕入れるには、調達・購買職の活躍が欠かせません。
品質管理の主な仕事は、製品を検査して定められた基準に達しているかを検証することです。製造業において高い品質を維持することは、自社製品の価値を高めるために欠かせません。具体的には、以下のような業務に携わります。
単純に製品の品質を管理するだけではなく、必要に応じて生産部門や開発部門にフィードバックしたり取引先と交渉したりする役割も担います。
化学メーカーは比較的経営が安定している企業が多く、将来性にも期待できます。製造業への転職を検討しており、将来性や社会貢献度の高さを重視している方にとっては最適な転職先といえるでしょう。ここからは、数ある製造業の中で化学メーカーを選ぶメリットを2つ紹介します。
化学メーカーは、高度な技術力を活かして日常生活に直結するさまざまな素材や製品を開発・製造しています。取引先は企業が中心で需要もあるため、経営が安定している企業が多い傾向にあります。世界的に知られている有名企業も数多く存在しており、業界全体の安定性を重視する方にも向いています。職場環境がよく、福利厚生が充実している企業が多数存在するのも大きな魅力です。
化学メーカーが製造している製品には、現代社会に欠かせないものが数多く存在します。化学メーカーが取り扱っている製品の一例は以下のとおりです。
いずれも常に社会から必要とされており、需要が大きく減少することは考えにくいでしょう。日々の業務をとおして自分の仕事が社会の役に立っていることを実感でき、やりがいにつながる点も転職先として化学メーカーを選ぶメリットのひとつです。
中には未経験から化学メーカーへの転職を検討している方もいるのではないでしょうか。化学メーカーは中途採用が活発なため、職種によっては未経験でも転職できる可能性があります。化学業界未経験者が転職しやすい職種は次のとおりです。
これらの職種は未経験者向けのマニュアルがきちんと整備されており、化学業界以外の経験が活かしやすい傾向にあります。一方、研究・開発職や技術開発職といった専門職は実務経験が求められるケースが多いため、未経験から転職するのは難しいでしょう。
化学メーカーへの転職を検討する際、いったいどのような経験やスキルが求められるのか、気になる方は多いのではないでしょうか。そこでここでは、化学メーカーへの転職に必要な経験やスキルを3つ紹介します。転職活動を有利に進めるためにも、日頃からスキルの習得に励みましょう。
研究・開発職として化学メーカーに転職すると、素材や製品開発のために実験する日々が続きます。転職時には実験業務に取り組んだ経験があるかどうかが重視されるため、前職で研究職として実験に取り組んでいればその経験を転職先でも活かせるでしょう。
特に転職先と同じ分野での研究経験があれば、選考時に有利に働きます。研究・開発職として働いていた方は、自身の経験や業務を通じて習得したスキルを積極的にアピールすることが転職を成功させる鍵です。
化学メーカーに転職するときには、応募する職種を問わずコミュニケーションスキルが求められます。関係先とのやりとりが必要になる営業職や品質管理職だけではありません。研究・開発職もチームを組んで協力しながら研究に取り組む必要があります。円滑に業務を進めるためには一定のコミュニケーションスキルが欠かせないため、日頃から周囲の人と積極的にコミュニケーションを図り、スキルを磨きましょう。
取引先や親会社・子会社などの関連企業がすべて日本国内に存在するとは限りません。国外の企業から原料を仕入れたり、製品を国外の企業に販売したりするケースもあるでしょう。そのようなときには海外企業の担当者とミーティングやメールをしたり、外国語で商品のプレゼンをしたりする機会もあります。語学力が必要になるケースも多いため、積極的に外国語の習得に励むとよいでしょう。
現代社会に欠かせない製品を製造する化学メーカーは経営が安定しており、将来性も期待できる企業です。ただし化学メーカーといっても職種はさまざまなため、転職を検討する際はそれぞれの特徴や仕事内容を把握したうえで、自身の経験やスキルに合った分野を選ぶことが大切です。
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