更新日:2022/09/28
この記事のまとめ
転職先を選ぶ際の条件として「年収が高いこと」を重視している方も多いのではないでしょうか。さまざまな職種があり人気も高い製薬会社ですが、どのくらいの収入が見込めるのか気になっている方もいらっしゃることと思います。
この記事では、製薬会社の職種別の年収や、なぜ製薬会社の年収が高いのかについて解説します。
目次
多くの製薬会社では、一般的な企業よりも平均年収が高い傾向にあります。大手の製薬会社の有価証券報告書を参考にした平均年収は次の通りです。
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上記の例を参照すると、大手製薬会社の年収は平均1,000万円前後であることがわかります。ただし、上記はあくまでも大手製薬会社の例であり、製薬会社の規模によっては年収が大きく変動することもある点には注意が必要です。
厚生労働省の賃金構造基本統計調査によると、令和2年度の全業種の平均年収は307.7万円となっています。製薬会社が1,000万円程度の平均年収であることを考えると、3倍以上の開きがあります。
企業規模や、経験スキルによって年収に変動はあるとはいえ、一般的な平均年収と比較すると高い傾向にあります。
同じ製薬会社であっても、職種によって年収には差があります。ここでは、マイナビエージェントの求人情報等を参考に、職種別の年収の違いについて見ていきましょう。
医薬品や医療機器の製造を行う「研究職」と、臨床試験を担当する「開発職」の平均年収は20代で400万円、30代で550万円程度だといわれています。後述する営業職(MR)と比べると、やや少ない傾向にありますが、技術職の中では高収入に相当しており、医療系の技術職の平均年収よりも高い水準です。
研究職や開発職は、医薬品や医療機器を新たに開発・臨床して最新の医療を届けるために欠かせない職種です。開発職は、臨床データをまとめた後に承認を受けるための申請業務も行っています。現行の医薬品は2010年ごろを境に特許が次々と切れはじめているため、研究職や開発職は注目度が高い分野となっています。
前項でご紹介した大手製薬会社Aでは、研究職、研究技術職、開発職、生産技術職、総合職、Global Business Solutions Specialistの職種を「博士卒=298,000円・修士卒=264,000円・学部卒=240,000円」の給与(2021年度実績)で新卒募集をしています。
医薬品営業は「MR」とも呼ばれており、医療関係者に自社の医薬品や医療機器を届けることで、医薬品の適正な使用を促し普及させる役割を担います。自社の製品に関する深い知識が求められる職種です。
営業・販売の平均年収は20代で500万円程度、30代で700万円程度と、研究職や開発職に比べて高いのが特徴です。一般的に営業職は平均年収が高めになる傾向がありますが、製薬会社は営業職全体の平均年収よりも100万円ほど高いといわれています。
また、現行の医薬品や医療機器だけではなく、新規開発した医療機器や医薬品を紹介したりと、医療業界の最新の情報や業界で注目されている情報を届けたりする役割も担っています。
「品質管理・品質保証」とは、自社の医薬品や医療機器を安全に製造して医療現場へ届ける管理業務を行う職種です。平均年収は400〜450万円程度の求人が多い傾向にありますが、中には750万円といった比較的高額な求人もあります。
医薬品や医療機器には高い安全性が求められるため、品質を保つ責任は非常に重く、やりがいのある仕事です。
ここまでお伝えしてきた内容から、製薬会社の年収は他業種と比較して高額であることがわかります。では、なぜ製薬会社の年収は高いのでしょうか。その4つの理由をご紹介します。
医薬品や医療機器は直接人の体や肌に触れたりするものであるため、トラブルを必ず防ぐ必要があります。この「責任の大きさ」に伴い、年収も高く設定されていると考えられます。
研究職や開発職においては、安全性が判明するまで世の中に製品を出すことはできません。また、無事に承認されたとしても品質が低いと人体に悪影響を及ぼしたり、期待通りの効果が得られないといった可能性があるため、品質管理・品質保証の責任は重大です。
営業・販売職には現場の医療関係者に適切な使用方法や効能を周知し、安全に活用してもらうための活動が求められます。このように、どの職種にも相応の責任が伴うため、製薬会社の年収は高く設定されているのです。
製薬会社で働くためには、医薬品や医療機器、医療業界に関連する専門性の高い知識やスキルが必要になります。専門性の高さも製薬会社の年収を引き上げている理由の一つと考えられます。職種や企業によって必要な知識やスキルは異なりますが、多くの職種で専門性の高さが年収にも反映されているといえるでしょう。
医薬品や医療機器は利益率が高い製品です。企業は利益率が高い商品を販売できるほど多くの利益を確保できるため、そのぶん従業員の給与に反映させることが可能となります。そのため必然的に年収も高くなります。
どのような社会情勢であっても医薬品や医療機器を求める人は常に存在します。特に日本では今後超高齢化社会を迎えるとされているため、医療を必要とする人が減少することは考えられません。こうした背景も高い年収が維持される理由の一つです。
内資系企業と外資系企業の大きな違いは開発規模です。一般に外資系のほうが規模が大きいケースが多く、多額の研究開発費が投じられています。ITシステムについても内資系は旧来型の場合が多く、外資系の方がシステム化が進んでいるケースが多いでしょう。
雇用形態にも大きな違いがあります。内資系は一度正社員になると簡単に解雇することができませんが、外資系では能力が期待値に満たない社員は比較的簡単に解雇されてしまう傾向にあります。成果主義の側面が強いため能力は必要になりますが、成果を出せれば報酬は高くなります。
福利厚生は内資系のほうが充実している傾向にあります。また、内資系では近年、業務範囲や責任の範疇、勤務時間・場所などが明確に決められて変動がない「ジョブ型雇用」を取り入れる企業も出てきています。
製薬会社は他業種に比べて年収が高く、転職活動において年収の高さを重視している方にとっては選択肢の一つになり得る業種です。専門性の高い知識やスキルが必要になりますが、高年収を求める方はぜひチャレンジしてみると良いでしょう。
また、転職活動を行う際は、一人で対策を行うのではなく、プロのキャリアアドバイザーがサポートしてくれるマイナビメーカーエージェントを活用するのがおすすめです。希望に近い求人を紹介したり、志望動機書の作成や面接対策を行ったりと、スムーズに転職活動を進められます。ぜひご活用ください。
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