更新日:2022/10/27
この記事のまとめ
ゲーム業界への転職を検討している方の中には、業界の年収水準がどの程度か気になる方もいるのではないでしょうか。事前に年収水準を知ることで、転職してから報酬面のミスマッチに悩むリスクを減らせます。
そこでこの記事では、ゲーム業界の平均年収を職種別に紹介します。年収水準の特徴や年収アップのコツが分かれば、スムーズな転職が実現するでしょう。
目次
厚生労働省の2021年賃金構造基本統計調査によると、ゲームクリエイターの平均年収は584万4,000円です。同調査で全産業の平均年収は489万3,100円であるため、ゲーム業界の報酬水準は高めといえるでしょう。
ただし、ゲームクリエイターはゲーム制作に携わるクリエイター職の総称です。デザイナーやプランナー、サウンドクリエイターといった多種多様な職種が含まれるため、転職を検討している方は目指す職種の平均年収を忘れずにチェックしましょう。
出典:
令和3年賃金構造基本統計調査
ゲームクリエーター - 職業詳細 | 職業情報提供サイト(日本版O-NET)
ゲーム業界には、プランニングやデザイン、サウンド、シナリオに携わるクリエイター職が存在します。ここでは、ゲーム業界で活躍するクリエイターの一例として、CGデザイナー・イラストレーター・プロジェクトマネージャーの平均年収を紹介します。なお、年収データは厚生労働省の2021年賃金構造基本統計調査によるものです。
CGデザイナーは、CG技術を活用してさまざまな映像やアニメーションを作る職種です。ゲーム開発では欠かせない仕事で、キャラクターや背景、ゲームを構成するグラフィックを制作します。デザインの作成からコンポジットまでの全行程を担当し、大規模なゲームであれば多数のCGデザイナーが携わります。
平均年収は478万6,000円です。ゲームクリエイター全体の平均年収よりは低いものの、全産業の平均年収と同じ程度で低い水準ではありません。
出典:CG制作 - 職業詳細 | 職業情報提供サイト(日本版O-NET)
ゲームの世界に登場するさまざまなキャラクターやアイテム、地形、植物、動物のイラストを描くのがイラストレーターの仕事です。仕様書や要件定義書に記されているテーマや設定、方向性に基づいてゲーム内で使用するイラストを制作します。
平均年収は486万9,000円で、CGデザイナーと同じ程度です。ゲームクリエイター全体の平均年収より低いため、年収アップを転職の目標に掲げている方は、希望する報酬を実現できるか求人情報を確認しましょう。
出典:イラストレーター - 職業詳細 | 職業情報提供サイト(日本版O-NET)
ゲーム業界で働くプロジェクトマネージャーは、ゲーム開発プロジェクトの立ち上げから完遂までの全工程に携わります。プロジェクトの企画段階では予算の獲得や工程の見積もり、スタッフの確保を行い、スタートしたら進捗状況を確認しつつ、開発がスケジュールどおりに進むようにマネジメントする仕事です。
平均年収は733万6,000円で、ゲームクリエイターの平均年収より高水準です。ただし、IT業界全体のデータであるため、正確な金額が知りたい方は応募先企業の年収を確認することをおすすめします。
出典:プロジェクトマネージャ(IT) - 職業詳細 | 職業情報提供サイト(日本版O-NET)
ゲーム制作には、プログラマーをはじめとしたエンジニア職も必要不可欠です。ここでは、ゲーム業界に欠かせないエンジニア職の平均年収を紹介します。紹介する具体的な職種は、プログラマー・サーバーエンジニア・インフラエンジニアの3つです。なお、年収データは厚生労働省の2021年賃金構造基本統計調査に基づいています。
ゲームプログラマーは、ゲームが意図したとおりに動作するようにプログラミングする仕事です。ゲームのプログラミングではC++やc#、Luaのようなプログラミング言語のほか、UnityやUnreal Engine、CRYENGINEといったゲームエンジンを取り扱うケースもあります。
平均年収は523万円ですが、ゲーム業界以外で活躍するプログラマーのデータも含まれている点に注意しましょう。転職する際は、応募先企業の年収や求人情報の記載事項をしっかりと確認することが大切です。
出典:プログラマー - 職業詳細 | 職業情報提供サイト(日本版O-NET)
オンラインゲームに必要なサーバーの設計・運用・保守に携わるのがサーバーエンジニアです。プログラムを動かすために求められるスペックを備えたハードウェアを調達してサーバーを構築し、正常に動作するようにチューニングするほか、稼働中は不具合やダウンが発生しないようにメンテナンスやアップデートをします。
平均年収は558万8,000円です。ただし、プログラマーと同様にゲーム業界以外のデータも含まれるため、実際に応募する企業の情報を細かくチェックしたほうがよいでしょう。
出典:運用・管理(IT) - 職業詳細 | 職業情報提供サイト(日本版O-NET)
ゲームサービスの提供に使用するネットワークやクラウドサービス、データベースの設計・構築・保守・運用に携わるのがインフラエンジニアです。オンラインゲームの運営やアップデートの配信には通信回線が欠かせません。必要なスペックを備えた通信回線を引き込み、正常に通信できるように管理するのも仕事のひとつです。
平均年収は733万6,000円と高めですが、ゲーム業界以外のデータが含まれています。転職先を選ぶときの目安と考えて、応募先企業のデータを詳しくチェックするのがおすすめです。
出典:システムエンジニア(基盤システム) - 職業詳細 | 職業情報提供サイト(日本版O-NET)
ゲーム業界の年収水準は、職種以外にも企業の属性や役職の有無によって差が生じます。転職で年収アップを実現したいのであれば、職種だけでなく企業選びも重要です。ここでは、転職先の企業を選ぶときの参考となる情報を2つ紹介します。
ゲーム開発を行っている企業は、上場企業や非上場の大手企業、中小企業、ベンチャー企業とさまざまです。ゲーム業界内の企業を分析すると、東証プライム上場企業や大手企業ほど同じ職種でも年収水準が高い傾向があります。
ただし、企業ごとの差が大きいため、上場企業や大手企業を選べば確実に年収が高くなるとは言い切れません。年収アップを実現したい方は、求人情報を比較・検討して実際に提示している年収水準を確認することが大切です。
ゲーム業界で活躍する職種はさまざまですが、マネージャーやディレクターのような役職者ほど年収が高い傾向があります。賃金構造基本統計調査によると、ゲームクリエイターの平均年収は584万4,000円ですが、プロジェクトマネージャーは733万6,000円です。
より高い年収を得たいのであれば、マネジメントスキルをはじめとした必要なスキルを習得しつつヒット作を生み出すといった成果を出し、マネージャーやディレクターを目指すとよいでしょう。
ゲーム業界への転職で年収アップを実現するには、企業選び以外にも注力したいポイントがいくつか存在します。たとえば、自分のスキルを高めて、成果を上げることは年収アップの実現に不可欠です。ここでは、年収アップにつながるポイントを4つ紹介します。
年収アップを実現する有効な方法のひとつは、ヒット作を生み出すといった目に見える成果を残すことです。売上本数のようなデータは可視化しやすく、成果を出すことで高い評価を受け報酬にも反映されるでしょう。
また、マネージャーやディレクター、プロデューサーといった役職に就ける可能性も高まります。報酬に関して企業と交渉する際も大きな武器になるでしょう。成果を残すには、高い分析力や豊富な経験が求められますが、努力する価値があるといえます。
ゲーム業界で活躍する職種の平均年収を比較すると、クリエイター職やエンジニア職よりマネジメント層のほうが高い水準です。クリエイター職やエンジニア職として働きながらマネジメントスキルを習得し、マネジメント層にキャリアアップする道を検討してもよいでしょう。
ただし、マネジメント層はゲーム開発に携わるのではなく、予算や進捗状況、スタッフを管理する仕事です。開発職とは別の適性が求められるため、まずは自分にマネージャーの適性があるか考えましょう。
ゲーム業界にはさまざまな企業が存在し、年収水準もそれぞれ異なります。似た職種でも企業によって年収に大きな差があるため、経験を積んでゲーム業界内で転職するのもおすすめです。
転職先を選ぶ際は、年収だけでなく手掛けているゲームのジャンルや具体的な仕事内容もチェックすることが大切です。在職中にスキルアップに励み、高い成果を出していれば年収アップを実現しやすくなるでしょう。
ゲーム業界にこだわらない方やゲーム業界から離れたいと考えている方は、IT業界内の別業種に転職するのもひとつの方法です。IT業界でも業種によって年収が異なるため、高水準の業種に転職すれば年収アップを実現しやすいでしょう。
ゲーム開発で習得したプログラミングスキルやデザインスキルは別分野でも活用できるため、スキルを高く評価してくれる業種・企業を探すことをおすすめします。
年収アップを目的に転職したいと考えている方は、いくつかのコツを押さえて転職活動することが大切です。ここでは、転職で年収アップを成功させるコツを2つ紹介します。転職による年収アップを実現し、ミスマッチに悩まないためにも紹介するポイントを意識するとよいでしょう。
自分の市場価値を高めて、年収アップを実現したいのであれば、スキルアップに励みましょう。ゲーム業界で活躍するには、高いレベルの開発スキルやデザインスキル、マネジメントスキル、プランニングスキルが必要です。
高いスキルを有する人材は多くの企業が求めています。転職先の選択肢が広がり、高年収を提示する求人にも応募しやすくなるでしょう。
転職では、応募先企業について徹底的に研究することが大切です。企業によって年収だけでなく、業務内容や労働時間も異なります。転職してからミスマッチに悩まないためにも、以下の情報をチェックしましょう。
これらの情報を詳しく調査することで、どのような企業なのか分かります。自分にマッチした企業かどうかを考えて、応募するか判断しましょう。
ゲーム業界の年収水準は全産業の平均より高めで、年収アップを目的とした転職を考えている方にとって有力な選択肢のひとつです。クリエイター職やエンジニア職などさまざまな職種があるため、自分のスキルや経験にマッチした職種を選びましょう。より高い年収を求めるのであれば、マネジメント層を目指すのもおすすめです。
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