更新日:2021/12/14
昇進の喜びもつかの間、中間管理職という立場の厳しさに葛藤やストレスを感じてしまう人は多いようです。
中間管理職とはその名の通り、上司と部下の間に入りさまざまな調整や管理をおこなう立場です。両者の板挟みになってしまうこともあり、ストレスを抱えてしまう人の少なくありません。
そこで今回は、中間管理職のストレス要因の深掘りや発散方法などを解説していきます。日々のストレスに押しつぶされそうな中間管理職の方は、ぜひ最後までご覧ください。
目次
上司と部下の板挟みとなりストレスを抱えやすいポジションに位置するのが中間管理職です。上司から求められる難題をクリアしていかなければなりませんが、上司からの指示内容をそのままを現場に流しているだけでは中間管理職の役割を全うしているとは言えず、評価も得られません。
中間管理職として活躍するには、上から要求されることを現場レベルに落とし込み、やる気を発揮させるマネジメント力が欠かせません。目標達成のためには自らがチームの舵取りをしていく必要があり、そのためには気にかけるべき人や要素が必然的に増えていきます。そうした要素が積み重なるためにストレスが溜まりやすいのです。
ここからは中間管理職のストレス要因をさらに深掘りしていきます。中間管理職の方は、自分に当てはまるものがないか確認していきましょう。
一般の従業員と比べて格段に業務量が増える中間管理職はストレスを抱えやすい立場です。本来の役割である部下のマネジメントと並行して、プレイヤーとしても成果を求められる立場であるプレイングマネージャーとしての活躍を期待されるケースも多いようです。そのため、業務量はますます増加傾向にあります。
現に、産業能率大学総合研究所が実施した調査によると、課長職の中間管理職のうち98.5%が、自身がプレイングマネージャーであると回答しています。
中間管理職は日々膨大な業務を捌き続けなければならず、ストレスがなくなることはなかなかありません。
中間管理職には数値目標やノルマ達成のプレッシャーが重くのしかかります。これらをストレスに感じるケースは多いでしょう。目標達成に向けての計画から部下のコントロール、関係各所との連携など、すべての工程に目を配り、確実に数値やノルマを達成していく必要があります。たとえ不可避のトラブルや部下の失敗があったとしても、目標未達の場合は中間管理職が責任を負わければなりません。そのプレッシャーから日々ストレスを感じている中間管理職は多くいます。
中間管理職は、直下の部下だけでなく上司との関係性も良好に保たなければなりません。部下のことを理解しようとせず上層部の都合ばかり押しつける上司や気分で頻繁に発言が変わる上司など、上司の人間性に振り回されることも多く、そうなるとストレスが溜まっても不思議ではありません。
中間管理職は経営層と現場の「ちょうつがい」のような役目も果たすため、関係性をこじらせないように気を配り、ときにはぐっと耐えなければならず、ストレスを一人でため込みやすいのです。
部下が思い通りのパフォーマンスを発揮してくれないと、中間管理職のストレスは溜まる一方です。
スキルや経験、特性、性格など、一人ひとり異なる性質を持つ部下をまとめ、こちらの思い通りの成果を発揮させるのは難儀です。部下を指導しマネジメントするのが中間管理職の役目でもありますが、どんなに指導に力を入れたり緻密な計画を立てたりしても、期待通りの動きができるようになる保証はありません。多くの中間管理職はそれを理屈では理解しているものの、感情のコントロールは難しく、ストレスを抱えてしまいます。
上司と部下のパイプ役となる中間管理職は、板挟み状態でストレスを溜めやすい環境下にいます。経営視点を持つ上司と現場視点を持つ部下の間に身を置き、潤滑油のような役割を果たさなければなりません。また、双方の立場や状況を考慮しながらバランスの良い落とし所を見つけていく必要もあります。時には本意ではない言動も取らなければならないため、ストレスも溜まりやすいでしょう。
中間管理職となり業務量も責任も増えたにもかかわらず十分な給料や待遇を受けられなければ、ストレスが溜まって当然です。上司が自分の働きぶりをきちんと評価してくれていないと感じれば、日頃の上司の言葉に対して素直に耳を傾けられなくなり、信頼関係も築きにくくなってしまいます。「上司の無理難題にも答え成果もあげているのに、なぜ認めてくれないんだ」と、ストレスを感じてしまうのも無理はないでしょう。
上記のように、日々さまざまなストレスに晒されている中間管理職ですが、自ら工夫しストレスを発散していかなければ精神的に参ってしまいます。以下のようなストレス発散を試し、良好なメンタルヘルスを保てるようにしましょう。
友人など会社に関係のない人との関係を深めていくことは、中間管理職のストレス発散に非常に効果的です。仕事の顔を知らない者同士の人間関係にはビジネスの思惑がなく、純粋に人間同士としての交流をすることができます。新たな発見や気づきを与えあったり、気兼ねなく悩みや愚痴を言い合えたりする友人関係を育めれば、日頃のストレスも発散しやすくなるでしょう。
相談できる人がいない、自分の悩みを知られたくないという場合は、第三者であるカウンセラーに相談すると良いでしょう。
ひと口にカウンセラーといっても心理カウンセラーや産業カウンセラーなどさまざまな役割を持つカウンセラーがいますので、自分のストレス要因に適したカウンセリングを受けることが大切です。中間管理職を専門にするカウンセラーもいるので調べてみましょう。
心を扱うプロに心の内を打ち明けることで、ストレス解消が叶うだけでなくストレス要因との向き合い方も身につけられるかもしれません。
お互いの気持ちがわかるであろう中間管理職の同僚と悩みを相談し合うのも効果的です。
中間管理職は、人間関係が交錯する中で各所から成果を求められる立場です。この厳しさやストレスは、他の立場の人にはなかなか理解してもらえないものかもしれません。しかし、同じ境遇にいる人であればきっと共感してくれるでしょう。
あなたの話に耳を傾けてくれる上司がいる場合は、あなたのストレス要因について相談してみましょう。一人で考えているだけでは視野が狭くなり、どんどんマイナス思考に陥って、ストレスは大きくなるばかりです。
恐らく上司も今のあなたと同じようなストレスを抱え、同じような道を通ってきたはずです。上司はどのようにストレスと向き合ってきたのか、その経験を聞かせてもらうだけでも、ストレスへの効果的な対処法が見つかるかもしれません。この先の組織運営のうえでも有益なやりとりができるかもしれませんので、タイミングを見計らって相談してみましょう。
どうにもストレスが解消できず辛い状況が続く場合は、いったん仕事から離れるのも一つの方法です。週末と有給休暇で連休を確保し、趣味に没頭したり心身を休めたりすれば、リフレッシュになりストレスも徐々に和らいでいくでしょう。直接ストレス要因にアプローチする方法ではありませんが、仕事とはまったく違う環境に身を置いているうちに何らかの突破口が見いだせるかもしれません。
ストレスの蓄積により心身の健康状態を損なわないよう、セルフケアを取り入れてみましょう。セルフケアとは、厚生労働省が推奨する労働者のためのメンタルヘルス対策で、年に一度実施されるストレスチェックをもとに、その人に合ったストレスを溜めない取り組みを実践することです。
セルフケアの一例としては、ウォーキングなどの適度な運動や入浴、思考の整理などが挙げられます。効果的なセルフケアは人によって異なるため、自分にあった最適な方法を模索してみましょう。
上記のようなストレス解消法を試してみても悩みが改善されない、毎日が辛く体調が優れないという場合は、これ以上の無理は禁物です。過度なストレスを抱え自分自身を追い詰めてしまえば、最悪心の病を発症してしまう可能性もあります。そうなれば、あなたの思い描いていたキャリアが実現できなくなるだけでなく、プライベートにまで支障をきたすかもしれません。
そうならないよう、職場を変えるという選択肢もあることを頭に入れておきましょう。ここまで頑張ったあなたが転職することは、決して無責任でも逃げでもありません。より穏やかに働ける環境に移ることを検討しましょう。
自分一人では決められないと悩んでいる場合は、転職エージェントの利用を検討してみましょう。マイナビエージェントでは、プロのアドバイザーが現在の状況をヒアリングし、そこから自信の強みや適した転職プランを提案します。一度無料の転職支援サービスを受けてみてはいかがでしょうか?
中間管理職はあらゆる面でストレスに晒されやすい立場です。上司と部下、それぞれから求められることに応えたいと思う気持ちは大切ですが、すべてを一人で完璧にこなさなければならないと考えるのは危険です。
ストレスを抱え込みすぎれば、遅かれ早かれあなたの身体は悲鳴をあげてしまいます。仕事は健康な身体があってこそできるものだと自覚し、日頃からストレスとの賢い向き合い方を意識しておきましょう。
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