更新日:2021/12/14
「管理職に出世したのに毎月の給料がほとんど変わらない、むしろ少ないときもある」
そんなお悩みをお持ちではないですか?
管理職は残業代が支給されないため、以前よりたくさん働いているのに思いのほか手取りが少ないと嘆いている方も多いかもしれません。しかし、ここで知っておかなければならないのは、管理職には、残業代が支給される管理職と支給されない管理職の2種類が存在するということです。
正しい認識を持たなければ、本来受け取る権利がある残業代を受け取り損ねる可能性があります。
そこで今回は、残業代が受け取れる管理職と受け取れない管理職の違いや、残業代を受け取るための対処法について解説していきます。
目次
管理者とは、企業において労働者の管理監督をする立場であり、部署やチームを先導する役割を担います。一般的には、部長や課長、係長、主任、リーダーなど、何らかの役職、ポストに就いている人物を指します。
しかし、管理職に該当するか否かは肩書きではなく、実際に担う業務内容や与えられた裁量、責任、勤務実態などを複合的に見て判断されます。そのため、同じ名称の役職なのにA社では管理職だけれど、B社では一般労働者の扱いになるというケースもあり得ます。
「管理職には残業代が出ない」というのは事実です。労働基準法では、原則1日8時間、1週間40時間までという労働時間の制限が設けられていますが、管理職に限ってはこれらが適用されません(労働基準法第41条2号)。したがって、管理職には時間外労働という概念が存在せず、残業代が出ないのです。
ただし注意が必要なのは、上記はあくまでも法令上で「管理監督者」に該当する場合を指しているということです。次に触れる「名ばかり管理職」に関してはこの限りではありません。
管理職には2通りの解釈が存在します。労働基準法の定めに該当する管理者である「管理監督者」と、会社側の建前上の管理者である「名ばかり管理職」です。現在管理職の方は、自分がどちらに該当するのか確認してみましょう。
労働基準法上で定められているのが、一般的な管理職に該当する管理監督者です。以下に該当する場合は、法的にも会社的にも管理監督者として見なされます。
管理監督者に該当する場合は、労働時間や休憩、時間外、休日に関して規定する「36協定」の対象となります。1日の労働時間や休憩時間、休日労働に関して制限がないため、一般労働者とは勤怠形態が異なります。
上記のように法令上で定められる管理監督者に該当しないにもかかわらず会社側から管理職としての役割を与えられている労働者は、俗に「名ばかり管理職」などと言われます。法令上の管理監督者としては扱われないため、企業側には残業代を支給する義務が生じます。
管理監督者ではなく"名ばかり管理職"に該当するのは以下のようなケースで働いている方です。
上記に該当するにもかかわらず残業代が支給されていない場合、会社側は法で課された義務を意図的に逃れようとしている可能性が考えられます。実際には残業代を受け取るべき立場にあるため、会社側に正当な対応を要求してみましょう。
自分が社内で名ばかり管理職と見なされている場合、どのように対処すべきなのでしょうか。以下の手段の中から、環境や状況を考慮し可能な方法を検討しましょう。
名ばかり管理職になってからの時間外労働の総時間を取りまとめ、未払い残業代を請求してみましょう。その際の根拠として、タイムカードやオフィスの入退出履歴など、勤怠状況を証明できる記録を用意しておきましょう。
できることなら穏便に解決したいと思う方がほとんどかと思います。まずは会社側との交渉による解決を目指す形が一般的でしょう。人事労務担当者へ実態を報告し、未払い残業代の請求と今後の状況改善を交渉しましょう。
会社との交渉が決裂しそうな場合には、労働基準監督署に被害状況を通報しましょう。労働者からの通報内容から悪質だと判断されれば、会社に対し調査や指導が入る可能性があります。万が一そこまでに至らない場合でも、どのような対応をすべきかアドバイスがもらえるでしょう。
上記いずれの手段でも解決が見込めない場合は弁護士に相談してみましょう。大事になりそうで躊躇してしまうという方は、まず無料相談を利用するのも一つの手段です。実際に依頼する場合には費用がかかってきますが、法律のプロに介入してもらうことで解決にぐっと近づきます。
いきなり「私の残業代を支払ってください」と申し出るのではなく、まず会社の制度改善について提案する方法もあります。本来支払われるべき残業代が支給されていない現状は、あなたを含め会社を支える管理職に対し誠意ある対応とは言えません。現状が会社としてあるべき姿ではないことを人事労務担当者や経営層に理解してもらい、残業代支給を含め労働環境に対して抜本的な対処を依頼してみましょう。
できる限りの手を尽くしたけれど、現状が改善する見込みが薄いという場合には思い切って転職し、自らの身の置き所を変えるのも良いでしょう。従業員の声に耳を傾けず法を犯す行為を続ける会社に居続けても、あなたの未来のためになりません。当たり前のことを守り、人を大切に考える会社はたくさんあるので、あなたの頑張りが正当に評価される会社を選びましょう。
管理職の転職には転職エージェントの利用がおすすめです。マイナビエージェントには一般公開していない非公開求人も数多く取り扱っており、人気企業の求人や極秘プロジェクトに携われる案件も揃っています。求職者一人ひとりにマイナビエージェントの専任アドバイザーがつくため、企業担当者とのスムーズな給与交渉も実現しやすくなります。もちろん、再び「名ばかり管理職」となってしまうような状況も避けることができるでしょう。
すべてのサービスは無料で利用できますので、まずは無料転職支援サービスへ申し込みしてみてはいかがでしょうか。
管理者は一般労働者とは異なり時間外労働の概念がないため、残業代も発生しません。しかしそれは、法令上の管理監督者に該当する場合のみです。
会社の建前上で呼ばれる「名ばかり管理職」に自分が当てはまっていないか、働きに対する正当な評価が得られているかを一度チェックしてみることをおすすめします。もし当てはまっている場合は、この記事を参考にぜひ解決への道を探ってみてください。
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