更新日:2021/08/29
転職する際に、正社員から業務委託に働き方を転換したいと思っている人もいるのではないでしょうか。
しかし、正社員と業務委託では、働き方や待遇などさまざまな面で違いがあります。
そのため、まずは業務委託に関する正しい知識を身につけておくことが必要です。
そこでこの記事では、業務委託という働き方や、正社員・派遣社員・パートとの違いについてご紹介します。
転職を検討している人や、正社員から業務委託への転換を視野に入れている人は、ぜひ参考になさってください。
目次
業務委託には、正社員やパートにはないメリットがいくつかあります。
ここでは、業務委託のメリット、デメリットを詳しく解説します。
転職を考えている人は、まずはメリットとデメリットをしっかりと把握しておきましょう。
そのうえで、業務委託に向いているかどうかを考えてみることが大切です。
最大のメリットは、場所や時間にとらわれることなく、得意とする分野の業務を選択できるという点です。
正社員、派遣社員、パートの場合は勤務時間や勤務場所、さらには業務内容があらかじめ決められていることが多いでしょう。
それに比べると、好きな時間に好きな場所で働けて、望まない仕事を断れる自由度の高さは業務委託の大きなメリットだといえるでしょう。
さらに業務委託は、収入がわかりやすいというメリットもあります。
業務を完遂すると報酬が発生するので、どれくらい業務をこなせば収入がいくらになるのかが明確です。
やるだけ収入が得られるので、働き方によってはいくらでも高収入を目指すことができ、モチベーションアップにもつながります。
労働者を保護してくれる労働基準法が適用されないという点が大きなデメリットだといえます。
会社と雇用契約を結ぶ正社員やパートとして働く人は労働基準法が適用されるため、休みや就業時間などに決まりがあり、守られる権利も多くあります。
派遣社員についても派遣元企業と雇用契約を締結しているので、労働基準法の適用対象です。
しかし、会社との雇用契約を結ばない業務委託は、労働基準法が適用されず労働者として守られるものが少ないため、さまざまなケースにおいて自分自身で守らなければいけないのです。
さらに事業主という扱いになるため、確定申告や保険料の支払いなどもすべて自分で行わなければなりません。
また、自分で仕事を探して契約、その仕事を完遂して初めて報酬が得られるので、月々の収入の保証がありません。
当然仕事が少ないと、その分報酬も少なくなってしまうため、収入が安定しない点は大きな不安要素となるでしょう。
業務委託は派遣社員と混同されることがありますが、実際このふたつは大きく異なります。
違いを正しく理解しておかないと、いざ転職したときに大きなトラブルが起こりかねません。
ここでは、ふたつの違いや派遣社員で働くメリット、デメリットなどを詳しく解説していきます。
違いを理解すると、転職後の働き方をイメージしやすいでしょう。
派遣社員と業務委託は、目的が大きく異なります。
派遣社員は「人材を確保する」ことが目的であるのに対し、業務委託の目的は「依頼した業務が納品まで完遂されること」です。
派遣契約では、派遣先が派遣社員の管理を行います。
業務委託の場合、委託元が請負業務の管理や仕事の方法についての指示を直接出すことはできません。
派遣先の企業に派遣社員の業務に対する責任はあるのですが、業務委託の場合はすべての責任が自分自身にある、ということです。
また、派遣社員は労働時間を提供することで「時給」が支払われ、業務委託は働いた時間にかかわらず、成果に対しての「報酬」が支払われるという違いもあります。
派遣社員と業務委託では、求人にも大きな違いがみられます。
派遣社員は、法律で禁じられている一部の職種を除くと、比較的幅広い職種の求人があります。
事務や経理といった職種はもちろん、IT系やWeb系の職種でも派遣社員の求人を見つけることができるでしょう。
一方、業務委託の場合は、クラウドソーシングサイトなどを経由した求人が中心です。
ただしクラウドソーシングサイトや請負会社を経由した求人は、業務委託間の情報網の口コミで募集枠が埋まってしまうケースもあるため、その数は決して多いとはいえないでしょう。
そのため、求人があればすぐに応募する瞬発力や、こまめに情報を集める情報収集能力が必要とされます。
派遣社員は派遣会社や労働基準法に守られているので、何かトラブルが起きたときに会社や法律が味方になってくれる、というメリットがあります。
さらに、正社員や契約社員と比べると残業が少なく、パートやアルバイトに比べて時給が高く設定されています。
また、派遣社員は、直接雇用の正社員と違って仕事内容が契約で定められているので、契約以外の業務が発生することはほとんどありません。
希望の職種や勤務地などの条件を設定して、仕事を探すこともできます。
いろいろな企業や職場を経験できるのも、派遣社員の魅力のひとつです。
正社員として入社するのは難しい会社でも、派遣社員なら働けるという場合もあります。
派遣社員のデメリットは、ひとつの職場で最長3年しか働けないという点です。
派遣期間の上限は3年と決められているので、引き続き派遣社員として働くことを希望する場合は、会社を変えなければいけません。
派遣社員の契約は、主に3ヵ月から6ヵ月ごとが一般的で、最長が3年間となります。
契約期間が満了した時点で3年未満でもあっても、そのまま契約が終了してしまうこともあるというわけです。
いくら派遣先で実力を発揮して一定の評価を得ることができても、プロジェクトの終了や経営状況によっては、契約そのものを打ち切られてしまうということも充分に考えられます。
また派遣社員は、スキルや資格の有無で時給が左右されがちです。
特に未経験の仕事の場合は、時給が高い仕事をみつけるのはなかなか難しいのが現状です。
派遣社員と業務委託を比較して、自分に合う働き方はどちらなのか考えてみましょう。
働く時間とプライベートの時間はしっかり区別したい、決められた範囲の仕事をこなす方がいいと思う人は、派遣社員向きだといえます。
一方で、頑張れば頑張るほど収入がアップする仕事がしたい、自分のリズムで仕事をすすめたいという人は、業務委託が向いているでしょう。
業務委託は責任も伴いますが、業務を完遂すれば報酬を得られるので、自分の裁量で進められます。
また、働く時間や場所を自分で決められる業務も多数あります。
自分にとって自由度が高いのはどちらなのかを考えて働き方を選択するのもひとつの方法です。
業務委託と正社員でも、働き方は大きく異なります。
保険や労働環境などにも、さまざまな違いがあるため、転職前にはどちらについてもしっかり理解しておきたいところです。
ここでは、業務委託と正社員の働き方や、収入の違い、正社員として働くメリットなどを詳しく解説していきます。
業務委託と正社員、それぞれの特徴を知ることで、自分に合っている雇用形態がみえてくるでしょう。
企業の正社員として働く場合、企業とは「雇用契約」を結びます。
これは正社員だけでなく、パートやアルバイトなど、すべての従業員において同様です。
この雇用契約を結ぶことによって、従業員は会社で定められた時間やルールに沿って労働力を提供しなければなりません。
この際、雇い主は従業員を指揮できる「指揮命令権」が発生します。
つまり、雇い主と従業員の間に主従関係が発生し、従業員は雇い主の指示どおりに業務を遂行しなくてはなりません。
その対価として給与が支払われるのです。
正社員は年収が安定しているので、一定の収入を確保し続けることができます。
また、しっかりと仕事を遂行していれば、突然解雇されるという心配は少ないでしょう。
安定した収入の見込みはありますが、ほとんどの正社員は会社によって決められた時間や場所で仕事をすることが求められるので、働き方の自由度が高いとは言えません。
一方、業務委託は働く時間や場所にとらわれることなく、自由なタイミングで業務を行うことができます。
しかし、業務を完遂しなければ報酬は発生しないので、正社員と比べると収入面が不安定です。
さらに、業務委託契約の期間内であっても、企業側の事情で契約を突然解除される可能性もあります。
また、年金や健康保険、所得税などの手続き・支払い方法においても大きな違いがあります。
正社員の場合、年金や健康保険の加入・手続きなどは会社が行ってくれますが、業務委託の場合は、自分で全ての手続きをしなくてはいけません。
所得税についても、正社員は月々の給与から所得税が源泉徴収され、年末調整で過不足分を調整しますが、業務委託は自分で確定申告を行うことで納税額が決定し、納税を行います。
正社員の最大のメリットは、労働基準法を中心として、各種法律に守られて仕事が行えることです。
合理的な理由なく解雇される心配はありませんし、社会保険や福利厚生をきちんと受けることができます。
長時間の労働に対しては残業代などの手当てが支払われ、賃金などの労働条件を一方的に下げられることもほぼないでしょう。
また、仕事とプライベートをしっかりと分けられるので、自由に使える時間も確保できます。
給料以外にボーナスが支給される会社も多いので、収入の安定も見込めるでしょう。
ほかにも、厚生年金や雇用保険など、いざというときに会社からの保障がある点も大きなメリットだといえます。
病気などで長期の休養が必要となった場合、社会保険に加入している正社員は疾病手当てが支給されますし、妊娠・出産の際には産前産後休暇や育児休業を取得できることが挙げられます。
正社員に向いているのは、収入や生活の安定を第一に望む人です。
正社員になると、常に安定して給与をもらい続けることができるので、金銭的な不安をあまり抱かずに業務に集中することができます。
ひとりでコツコツ仕事をするよりも、大勢の中でチームワークを発揮しながら業務にあたりたい、という人も正社員向きだといえるでしょう。
さらに、上司の指示や命令を柔軟に受け入れることができる人、人とコミュニケーションをとるのが好きな人も正社員向きだといえます。
また、正社員になると、基本的にはその会社でずっと働き続けることを意味します。
多種多様な仕事を行うよりも、ひとつの仕事を突き詰めたい、という人も正社員という雇用形態がおすすめです。
業務委託では、求人サイトやクラウドソーシングサイトを利用して仕事を探す方法が一般的です。
クラウドソーシングサイトとは、専門分野や得意なジャンルで自由に仕事をしたいフリーランサーと、業務をアウトソーシングしたい企業をマッチングするサイトです。
今では多くの企業がを登録しており、さまざまな職種・業務を委託しています。
つてや経験の浅い人は、まずは求人サイトやクラウドソーシングサイトに登録してみるとよいでしょう。
また、以前所属していた会社や知人といったコネクションを活用して、仕事を受ける個人事業主も少なくありません。
さらには、SNSで自分のスキルを宣伝して仕事を獲得する人もいます。
業務委託は、働き方の自由度が高く成果に応じた報酬を得られるというメリットがある一方で、労働基準法が適用されなかったり、諸手続きが面倒だったりなどのデメリットが多いのも現状です。
また、体調を崩すなどして仕事をキャンセルする、あるいは長期間の休養が必要という状況になった場合は、収入が減少するという大きなリスクもあります。
他にも、納期に遅れてしまったり業務を完遂できなかったりした場合、損害賠償を請求されるなどのトラブルに発展する可能性もあるでしょう。
このように転職で業務委託を選択する場合は、リスクも大きいということを理解しておかなければいけません。
これらのリスクを大きいと感じる場合は、比較的働き方が自由なリモートワークやフレックスタイム制などを取り入れている企業への転職を視野に入れて活動してみるもの選択肢の一つです。
自由に働きたい、と考える人の中には業務委託・フリーランスへの転身を視野に入れている人も少なくないでしょう。
しかしフリーランスとして業務委託で仕事をする場合、トラブル処理や保険加入など、すべて自己責任で解決策や手続きを進めなくてはなりません。
一方、最近では正規雇用の社員でありながら自由度の高い働き方を導入している企業もたくさんあります。
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