更新日:2024/09/11
法務の仕事は、高い法律知識が求められます。難度の高いものもありますが、資格取得という目的を持ち、法務の知識を習得することは、それ自体がキャリアアップにつながっていくでしょう。
ここでは、法務の仕事に就くために役立つ資格を5つご紹介します。挑戦すべき資格を見極める参考にしてください。
目次
法務として働く上で役立つ資格を5つご紹介します。5つの資格の難度は、高いものから比較的低めのものまで様々です。どの資格を取得するのが適切であるか、自分の能力と見比べて判断してください。
ビジネス実務法務検定試験とは、ビジネスに不可欠なコンプライアンスや法令遵守能力を証明する資格です。資格を取得する過程では、ビジネスの基礎となる実践的な法律知識を体系的かつ効率的に学べます。
近年、コンプライアンスの徹底が企業に強く求められる中、従業員一人ひとりが法務の知識を備えることは大切なことです。ですから、部署にかかわらずおすすめの資格といえますが、特に将来的に法務部門への配属を検討している方は取得すべきでしょう。
ビジネス実務法務検定試験は1~3級があります。級ごとに求められる知識や実務能力が設定されており、受験料も異なります。
■ビジネス実務法務検定試験の求められるスキルと受験料
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※2020年4月現在
3級、2級は受験資格がなく、誰でも受験することができますが、1級は2級合格者のみ受験可能です。
まずは基本的な法律知識が身に付く3級を取得して、業務上のリスクを的確に回避できるようになりましょう。
ビジネスコンプライアンス検定とは、個々のビジネスパーソンに対し、企業の健全な経営のため必要となるコンプライアンス(法令遵守)能力を認定する資格です。
コンプライアンスは、事業活動を行う上で必ず意識する必要があります。たとえ一人であっても、社員にコンプライアンスの意識が欠けていると、顧客からの信頼を失ったり、社会的な制裁を受けたりするおそれがあります。
場合によっては、企業活動が法律に抵触するとみなされ、訴訟問題に発展することもあるでしょう。
このようなコンプライアンス違反を起こさないために知っておきたい、コンプライアンスに関する知識を身に付けられるのが、ビジネスコンプライアンス検定です。
ビジネスコンプライアンス検定には、3段階のレベルで評価されるBASIC WEBテストと、初級、上級の3種類があります。
それぞれの認定基準と受験料は下記のとおりです。
■ビジネスコンプライアンス検定の認定基準と受験料
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※2020年4月現在
初級と上級に関しては、合格と不合格があり、BASIC WEBテストは、得点に応じてA、B、Cの3段階のレベルで評価されます。
BASIC WEBテストは、受験者に対してレベル評価証が発行されるだけで、資格の取得というわけではありませんが、コンプライアンスの基礎知識が身に付くことは確かです。
まずは申込みから実際の受験まで、すべてオンラインで完結するBASIC WEBテストに挑戦してみてはいかがでしょうか。
司法書士は、司法書士試験に合格することで取得できる国家資格です。司法書士は、専門的な法律の知識に基づき、登記および供託の代理のほか、裁判所や検察庁、法務局等に提出する書類の作成提出など、各種登記申請手続きの代行や、裁判所に提出するための書類の作成などを行います。
高い法律知識と専門性が求められ、取得するのが困難であることはいうまでもありません。しかし、取得すれば企業の法務として法律関係の仕事を幅広くこなせるようになるでしょう。たとえば、不動産会社における契約書類の管理者や、金融・保険関係企業におけるコンサルタントなど、様々な業種における法律の専門家として活躍するのに役立ちます。
司法書士は、知名度と難度の高い国家資格であるにもかかわらず、受験資格が設けられていません。経歴や年齢を問わず、誰でも目指すことができます。
試験は、筆記試験と口述試験の2種類があり、筆記試験に合格した後に口述試験に進むという流れです。
受験手数料は8,000円で、収入印紙で納付します。
行政書士は、行政書士法に基づく国家資格です。行政書士は専門職であり、官公庁への提出書類および権利義務・事実証明に関する書類の作成などを行います。
資格の取得にあたり、様々な法律知識が身に付きますので、法務の仕事に活かせるでしょう。
弁護士や司法書士よりやや難度が下がるものの、行政書士も難関の国家資格であることに変わりはありません。取得するには、十分な準備が必要になります。
司法書士と同じく、受験資格は特に設けられておらず、受験手数料は7,000円です。
なお、企業の法務として働くには、契約法務や組織法務、コンプライアンス法務など、多角的な視点で法律の知識を有していることが求められます。ですから行政書士は、企業の法務として働くために役立つ知識のひとつとして、取得を目指すのがおすすめです。
弁護士資格は、司法試験に合格することで得られる国家資格です。弁護士は専門職であり、問題や事件が発生した際に、法律知識を駆使して事態を解決したり、依頼を受けて法律事務を処理したりします。弁護士資格があれば、企業の法務部門においても活躍できるでしょう。
ただし、弁護士資格は超難関の国家資格であり、多くのハードルを越える必要があります。弁護士資格を取得するまでの流れは以下のとおりです。
<弁護士資格を取得するまでの流れ>
弁護士資格は難関資格ではありますが、取得後の進路として、法律事務所だけでなく、国や地方公共団体、国際機関の職員など、様々な道が開けるでしょう。
また、民間企業の法務部門で働くのであれば、法律のプロフェッショナルとして重宝され、健全な経営による事業拡大に貢献できるはずです。
企業の法務として働くには、法律に関する高い専門知識を有していることが必要です。法学部の出身であれば、新卒で就職活動、または中途で転職活動を行い、企業の法務部門への配属を狙えます。
法学部を出ていない場合、法律に関する資格を取得する必要があるでしょう。法律関連の資格は難度が高いものが多く、十分な勉強時間を確保しなければ合格するのは難しくなります。
そこで、まずは法律事務所などで働き、身に付いたビジネススキルと、法律の分野における実務経験を武器に転職を目指す方法も有効です。
いずれにせよ、企業の法務部門への配属や転職は、高い法律知識はもちろん、組織法務やコンプライアンス法務など企業利益に関わる法律知識を有していることが求められ、狭き門となっているといえるでしょう。
法務の仕事に役立つ資格は、難度が高いものが多くなっています。そのため、いきなり資格の取得を目指すのではなく、法律事務所などで働きながら知識を身に付け、いずれは資格を取得してキャリアアップを目指すというのもひとつの方法です。
自身のキャリアビジョンに合った転職先を選ぶため、どのような資格を取得するのが適切であるのか、まずは情報収集から始めましょう。インターネットなどで情報収集をするのに不安がある方は、一度マイナビエージェントにご相談ください。担当のキャリアアドバイザーが、企業の法務部門に関連する求人情報に加え、転職に役立つ情報や資格をご紹介いたします。求職者の志向や条件に寄り添ってサポートさせていただきますので、転職に少しでも不安を感じられる方は、ぜひ転職支援サービスにお申し込みください。
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