女性が未経験から正社員へと転職するのは難易度が高いといわれていますが、置かれた状況によっても転職の難しさは変わります。年齢はもちろん、どの職種を希望するかでも転職の成功率は変わってくるでしょう。

そこでこの記事では、女性が未経験から正社員を目指す際のポイントをご紹介します。未経験でも採用してもらいやすい職種や、キャリアチェンジの成功を後押ししてくれる資格を確認しておきましょう。

女性は未経験職種への転職で正社員を目指せる？

自分の可能性を広げたい気持ちを抱えながらも、未経験分野への挑戦に不安を感じる女性は多いのではないでしょうか。目指す業界や職種、年齢や経歴などのさまざまな要素によって転職の成功率は変わってきますが、ある程度の傾向はあるものです。ここでは、未経験から正社員を目指す際の難易度や、成功のコツをご紹介します。

性別を問わず転職難易度は高め

未経験分野への転職は、経験のある分野に比べて難しいのが実情です。これは女性の転職に限らず、男性の転職にも共通します。企業が中途採用を行う場合、即戦力となる人材を採用したいのが本音です。業種も職種も異なる分野からの転職であり、その仕事がまったくの未経験となれば、入社後に即戦力となるのは難しいと判断されてしまいます。

転職では年齢が高いほど即戦力を期待される傾向があるため、20代よりは30代、30代よりは40代の女性のほうが難易度は高いといえるでしょう。

女性はライフイベントが懸念材料になるケースも

20代〜30代の場合は結婚や妊娠、出産や育児など、生活面で大きな変化を迎える女性も多いでしょう。ライフスタイルの変化によって、入社後に休暇を取得したり働き方を変えたりするケースも珍しくありません。「未経験」という不安材料に「働き方の変化」という懸念が加わると、採用を踏みとどまってしまう企業もあります。

とはいえ、先のライフイベントのみを考慮し、キャリアの構築を諦めるのはもったいないでしょう。ライフプランを立てたうえで、働き方についての考え方を持っておくと、企業側の不安要素を軽減できます。

未経験から正社員を目指すなら事前準備が大切

未経験分野へのチャレンジでも転職成功を目指せます。入念な事前準備を行えば、採用の可能性は高まるでしょう。そのひとつが、スキルの棚卸しです。現職と懸け離れた企業を目指す場合でも、今日までの経験に価値がないわけではありません。未経験分野でもスキルや経験を活かせる部分を見つけると、企業へうまくアピールできます。

業界研究や企業研究も重要な対策のひとつです。これまで携わってこなかった業界だからこそ、多くの情報を収集して、新しい分野への理解を深めておきましょう。友人や知人に、目指す業界で活躍している人材がいる場合には、リアルな情報を得ておくとよいでしょう。

女性が未経験から正社員を目指しやすい4つのケース

一口に未経験といっても、「未経験業界」を目指すのか「未経験職種」へ転職したいのかでは、活かせるスキルが変わってきます。ここでは、年齢や職場の雰囲気などのさまざまな要素を考慮したうえで、女性が未経験から正社員を目指しやすいケースをご紹介します。

年齢が若いケース

転職市場では、年齢が若いほど未経験の採用率は高まるといわれています。その背景にあるのは、企業からの期待値の違い。第二新卒や若い世代を採用する場合、多くの企業はスキルや実績よりもポテンシャルを重視します。企業から伸びしろがあると判断されれば、たとえ経験が不十分でも、今後の活躍を見込んで採用してもらえるでしょう。

一方で30代以上の場合は、ポテンシャルよりスキルや実績が重視される傾向がみられます。いかに即戦力になれるかが採用率に影響を与えるケースも珍しくありません。すべての企業に当てはまる基準ではないものの、年齢が若いほうがキャリアチェンジを成功させやすいのが実情です。

採用活動が積極的な企業に転職するケース

キャリアチェンジの方向性が決まっていない女性は、これから大きく成長していく業界を視野に入れてみるのもおすすめです。今後の伸び率が高い業界は人手不足が心配されるため、業界の拡大を見込んで採用に積極的になる企業が増えます。たとえば、デジタル化が進む現代では、AIが担えない業界の成長が見込まれます。少子高齢化が深刻な問題とされる社会情勢を踏まえると、福祉業界も伸び率が大きいと予想できるでしょう。

こうした情報は、厚生労働省が公表している有効求人倍率から読み取れます。分析が難しいと感じたら、転職エージェントなどの転職市場に精通するプロに相談するのが得策です。

スキルや経験を活かせる職種へ転職するケース

身につけたスキルや経験を活かせる未経験分野を選ぶと、まったく共通項のない分野よりも活躍できる可能性が高くなるでしょう。たとえば、新たな業界へのチャレンジを試みる場合、職種は変えない選択があります。同職種への転職であれば、テクニカルスキルや経験が高く評価されるケースも珍しくはありません。

また、応募者の携わってきた業界が企業の顧客が属する業界だった場合、業界理解が深い点で企業にとって大きな戦力になり得ます。そうしたメリットがあれば、応募者が業界未経験であっても、採用に前向きな企業もあります。

女性が働きやすい環境へ転職するケース

ライフイベントによる働き方の変化を踏まえたうえで転職先を探すなら、女性社員が活躍している職場かどうかも確認したいポイントです。多様な働き方に理解がある場合、ライフイベントへの懸念という部分のハードルは低くなるでしょう。近年は女性活躍推進法の後押しによって、女性の採用に積極的な企業もあります。

また、管理職が女性の場合、キャリアアップを望みやすい環境が整っているかもしれません。キャリア形成を考えたとき、「企業からの採用」はあくまでキャリアを実現する手段であり、ゴールではありません。未経験から正社員を目指しやすいルートを探りながらも、入社後によりよい環境で活躍できる転職先を探すとよいでしょう。

未経験女性が転職する際に役立つ職種6選

女性が未経験分野へ転職をする場合、職種によっても採用難易度は変わってくるでしょう。ここからは、未経験女性におすすめの職種をご紹介します。キャリアチェンジをしたいものの、目指す方向性が決まっていない方は、ぜひチェックしてみてください。

1.事務職

未経験からの転職でおすすめなのが事務職です。事務職には未経験から正社員を目指せる求人もあります。年齢が若い場合、ポテンシャルを見込んで採用してくれる企業もあるでしょう。ただし、ほかの職種と同様に、企業側は即戦力となれる人材を求めています。事務職の正社員を目指すのであれば、まずは派遣社員から経験を積むなど、段階を踏むのもひとつの方法です。

2.販売職

販売職は特殊なスキルを必要としないケースが多いため、経験がなくても正社員を目指せる職種のひとつです。求人数の多さも、未経験からの転職成功を後押ししてくれます。コミュニケーション能力もアピール材料に。販売職としての経験はなくても、周囲と柔軟にコミュニケーションを取れる人材は、企業から評価されやすい傾向があります。

また、採用率を高めるためには、企業が展開する商材について理解を深めておくとよいでしょう。商材に関する資格を有していると、選考で有利になるかもしれません。販売職へのキャリアチェンジの場合、「好き」を仕事にできるメリットも。企業が扱う商品を愛用していれば、選考でプラスに働くケースもあります。

3.営業職

「未経験歓迎」の募集も多い営業職。営業職は売り上げに大きく貢献できる職種であるため、優秀な人材の活躍を期待して採用に積極的な企業もあります。多くの場合、特別なスキルは必要ありません。そのため、ポータブルスキルのアピールが採用につながるケースも期待できます。積極的なアクションが必要になる営業職の特性から、意欲的な人材も評価されやすいでしょう。

女性ならではの視点が売り上げに貢献する商材もあり、そういった商材の営業職では多くの女性が活躍しています。女性比率が高い職場は、ワークライフバランスを充実させやすいのが魅力です。

4.プログラマー

手に職をつけるという視点で考えると、プログラマーもおすすめです。プログラマーになるためには、プログラミングのスキルを有する必要があります。しかし、業界全体で人手不足が背景にあるため、採用後に研修を設けている企業もみられます。

プログラミングスキルは、独学でも取得可能です。学習サイトや動画を活用し、費用をかけずにスキルの習得を目指す方もいます。プログラミングスクールに通い、基礎力や応用力を身につける方法もあるでしょう。転職支援や転職保証つきのプログラミングスクールもあるため、こういった支援を受けて転職するのもひとつの手です。

5.介護職

資格を持たなくても採用してもらえる介護職は、女性が未経験から正社員を目指しやすい職種です。もちろん、資格があるほうが携われる業務が増えるため、キャリアの幅は広がります。しかし、入社後に働きながら、資格取得を目指す選択肢もあります。

実務経験があれば、介護福祉士をはじめとする国家資格取得への道が開けます。女性比率の高い職場も多いため、ライフイベントとの兼ね合いを考慮したうえで、キャリアプランを描けるのが嬉しいポイントです。

6.コーディネーター

一口にコーディネーターといっても、「フードコーディネーター」「フラワーコーディネーター」「ブライダルコーディネーター」などその種類はさまざまです。コーディネーターの仕事に共通しているのは、女性ならではの視点が活きる点です。センスを活かしてキャリアアップしたい女性は、コーディネーター系の職種を目指すのもよいでしょう。

コーディネーターは専門知識が必要です。専門学校やスクールに通って知識を習得するのが一般的ですが、通信講座を利用したり独学で勉強したりする方もいます。アシスタントから始める方法もあるでしょう。

年齢別｜未経験から正社員に転職するためのポイント

「未経験から正社員」という目的は同じでも、年齢によって転職成功の難易度は異なります。年齢が若いうちはポテンシャルがひとつの武器になるものの、年齢を重ねるにつれてスキルや実績も装備しなければいけません。ここでは、年齢に応じた転職成功のポイントをご紹介します。

20代女性が転職する場合

20代前半は、転職のハードルが低い世代です。将来を見据えてキャリアチェンジを考えたなら、明確なプランを立てたうえで、目標へ向かって突き進むとよいでしょう。ただし入社してから1年未満など、あまりにも社会人経験が短い転職の場合には、仕事意識が低いと思われてしまうケースも。どのルートが目標への近道なのか、現職で経験を積む選択肢も視野に入れたうえで、転職活動を始めましょう。

20代後半は、スムーズなキャリアチェンジを望めるラストチャンスです。30代以降のキャリアチェンジが不可能なわけではありませんが、難易度は一気に上昇します。チャレンジしたい仕事において、現職の経験が活かせる部分を見つけ、転職先へうまくアピールしましょう。

30代女性が転職する場合

20代女性と比較して、即戦力を求められるのが30代女性の転職です。業界や職種の経験がまったくないとなれば、企業からの評価が下がる可能性は否めません。柔軟性とポテンシャルの高さに期待されて採用される20代とは違い、「教育コストをかけてまで採用すべき人材か」という部分が問われるケースもあるでしょう。30代後半になれば、スキルや経験に加えてマネジメント力も重視されます。

スムーズな採用を望むのであれば、拡大業界を中心に転職先を探すのもひとつの手です。一時的な年収ダウンも受け入れたうえで、キャリアアップを目指すとよいでしょう。また、資格の取得が転職を有利に進めてくれるケースもあります。

40代女性が転職する場合

即戦力としての活躍をベースにしたうえで、マネジメント経験も重視される40代女性。40代女性の未経験分野への転職は、ハードルが高いと押さえておきましょう。転職先でも活用できる優れたスキルを有していない場合、厳しい現状が待ち受けているかもしれません。

あれもこれも......と、条件面を欲張りすぎると、なかなかよい求人と巡り会えないでしょう。転職難易度が高いからこそ、重視したい条件は何かを明確にして転職活動を進めましょう。正社員にこだわるのではなく、幅広い働き方も視野に入れると、転職成功の可能性も高まります。

未経験女性が正社員への転職を成功させる4つのコツ

女性が未経験分野に挑戦する場合、転職の方向性をしっかりと定めておく必要があります。目指す場所を明確にしておくと、キャリアを積むために選択すべき道が見つかるでしょう。ここでは、4つのコツをご紹介します。転職活動を進める際にお役立てください。

キャリアを棚卸しする

まず、これまでの社会人経験を振り返り、携わった業務や身につけたスキルを挙げてみましょう。業務内容は細かく書き出し、業務に対して感じた心境にも目を向けます。キャリアの棚卸しで自分自身の仕事観と向き合うと、キャリアプランを描きやすくなります。

転職成功のためには「企業へ自分をアピールする力」が大切です。キャリアを棚卸しして、自分の強みと弱みを把握していれば、自分を採用するメリットを偽りなく企業へ伝えられるでしょう。

知識やスキルを身につける

その仕事が「未経験」である点は、企業の目にはマイナスに映るかもしれません。しかし、学ぶ姿勢の高さをアピールできれば、企業からよい印象を持ってもらえるケースもあります。志望する業界や職種を決めたのであれば、少しでも知識を身につけておきましょう。

入社後に活かせる資格があれば、取得しておくと仕事へ向き合う姿勢をアピールできます。セミナーを受けたり通信講座を受講したりなど、知識を学んでおくのも良策です。スキルや実績で勝負できない未経験者にとって、こうした努力する姿勢は大きなアピールポイントになるでしょう。

明確なゴールを決める

未経験分野への転職を考える理由は人それぞれですが、どのような理由がある場合も、ゴールを明確にしておく必要があります。自分の目指すべきところをはっきりさせたうえで、必要なアクションを取りましょう。場合によっては、キャリアチェンジをせずに、難易度の低い方法でゴールへたどり着けるかもしれません。

企業は、自社で活躍してくれる人材を採用したいと考えています。明確な目標に向かって努力したい意欲のアピールが、入社後の活躍を想像させ、採用につながるケースもあるでしょう。

転職エージェントを活用する

未経験でも活躍できる人材だと企業へアピールするには、これまでに得たスキルや経験から入社後に役立つ部分を見つけ出したうえで、企業側へうまく伝えなければなりません。

採用につながる訴求力の高いアピールをしたい方におすすめなのが、転職エージェントの活用です。転職エージェントでは、転職のプロであるキャリアアドバイザーが、一人ひとりの転職活動を手厚く支援します。キャリアの棚卸しや企業選定、選考を通過するためのフォローも充実している点が転職エージェントの魅力です。女性ならではの悩みにも、経験豊富なプロから的確なアドバイスを受けられるでしょう。

未経験から正社員への転職を考えている女性はマイナビエージェントがおすすめ！

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未経験分野への転職は難易度が高いからこそ、プロの力をご活用ください。マイナビエージェントには、非公開求人も存在します。なかなか自分に合う求人を見つけられない方も、キャリアアドバイザーからの紹介で、希望をかなえる企業と出会えるかもしれません。転職への不安や悩みを抱えている方は、ぜひマイナビエージェントにご相談ください。

まとめ

未経験から正社員への転職を考えている女性は、まったく経験がない職種を目指す場合、転職難易度が高いと押さえておきましょう。転職は、年齢を重ねるほど難しさが増すのも実情です。しかし、女性のキャリアチェンジが不可能なわけではありません。徹底した事前準備と入念な選考対策で、理想の環境への転職を実現させましょう。

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