更新日:2022/01/05
中途採用は、新卒採用と異なる企業へのアプローチが必要です。
ここでは、中途採用と新卒採用との違いや、企業側の評価のポイントの他、中途採用を成功させるためのコツをご紹介します。また、中途採用を行う企業側のメリット・デメリットについて解説します。
目次
中途採用とは、過去に1社以上の企業に就業した経験がある方を、企業が採用することをいいます。対象となる人材は、即戦力となるキャリアを持った方や、第二新卒、正社員経験がない方など、多岐にわたります。
中途採用の時期は決まっているわけではなく、企業が必要とするタイミングで募集が開始されます。
従業員の休職・退職などによる欠員補充や、事業拡大による人員増強は、年に1度の新卒採用だけではカバーできません。そのため、様々なタイミングで、企業は中途採用による人材募集を行います。
企業が中途採用をする理由には、「すぐに取り組んでもらいたい業務があるから」「新しい事業を始めるにあたって、自社にはない知識やノウハウを求めているから」といったものが挙げられます。
続いては、中途採用と新卒採用、それぞれの特徴について見ていきましょう。
新卒採用は、一般的に年に1度の定期採用であり、卒業予定の学生(新卒)を対象としています。
企業は、「従業員の年齢層のバランスをとるため」「新鮮なアイディアや価値観を取り入れて、組織を活性化させるため」「幹部候補を育成するため」といった理由で新卒採用を行います。
新卒採用では社会人経験がない分、人柄や成長性といったポテンシャルが重視され、自社の文化を継承し、将来的に活躍していくことを期待されています。新卒採用された場合、業務上の知識はもちろん、社会人としてのマナーなども入社後に学ぶことができます。
中途採用は不定期採用ですが、会社によっては通年募集しているところもあります。
中途採用では、就業経験を持つ全ての人材が対象です。社会人としてのマナーや業務上の知識は、当然身に付いているものとみなされます。第二新卒採用を除いては、即戦力として活躍することが求められるのが一般的です。
なお、企業の中には、中途採用を「キャリア採用」として募集を行う場合があります。
企業の人事担当者にとって、中途採用には新卒とは違うメリットがあります。企業側にとっての中途採用のメリットを見ていきましょう。
中途採用の最大のメリットは、これまでの実務経験を確認できる点です。
中途採用では、企業は求職者に対して「履歴書」や「職務経歴書」の提出を求めます。そのため、どれほど活躍してくれるか未知数である新卒と比べて、どれほどの実力を持つ人材なのか、容易に判断することができます。
新卒採用のプロセスは、就活解禁から採用まで約1年と長期にわたりますが、中途採用は募集から採用決定まで、早ければ1ヵ月で完了します。求めている人材を短期間で効率良く探すことができるのも、中途採用のメリットです。
企業によりますが、新卒で採用した人材には、まずビジネスマナーや業界知識、ノウハウなどを一から教える必要があるので、3ヵ月から1年程度の教育期間が必要です。
一方、他社で経験を積んできた中途採用者の場合、社会人としての一定のマナーや常識などを備えているため、新卒採用と比べて、教育に時間やコストをかけずに済みます。
同業他社で活躍していた人材を確保できれば、前職で培った知識やノウハウを自社で活用できる他、本人の人脈を活かした新たなビジネスチャンスが得られる可能性もあります。
また、異業種からの転職者は、斬新な発想を活かして、前例のないビジネスモデルで売上に貢献してくれる可能性があるでしょう。
人材不足が続く日本では、予定していた人数の新卒を採用できないという場合もあります。そんなときに中途採用を行えば、不足した人員を補完することが可能です。
新たな顧客層の開拓や企業ブランドの変革を求めて新規事業を立ち上げる際、専門的な知識・技術を持つ人員が社内にいないことがあります。
そんなとき、新規事業に関する知識や経験、資格などを持つ人材がいれば、活躍してくれることが見込めるでしょう。中途採用を行うことで、新規事業の立ち上げで即戦力となる人材を確保することができます。
「顧客ニーズへの対応」や「既存商品の付加価値向上」など、事業の拡大に向けて強化すべきものに、人材を挙げる企業は少なくありません。
相応の経験や知識、スキルを備えた中途採用者の活躍によって、日々激しく変化するビジネスシーンに素早く対応し、会社の成長スピードを加速させることができます。
特に、中小企業やベンチャー企業は、事業を成長・拡大させるための有効な手段として、中途採用をメインとした採用活動を行う傾向があります。
中途採用では、特定のスキルや経験を持った即戦力となる人材を獲得できるというメリットがある一方で、デメリットもあります。これらのメリットとデメリットを勘案した上で、企業は中途採用を行うかどうかを判断することになります。
同業他社からの中途採用を行った場合、転職者が前職でのやり方に固執してしまう場合があります。その場合、業務がスムーズに進まないので、中途採用であっても即戦力とはいえなくなるでしょう。
中途採用者の転職の目的がキャリアアップであった場合、さらなるキャリアアップを目指して、すぐに辞めてしまう可能性があります。
中途採用を行う際には、長く働いてくれるかどうか、転職を繰り返していないかなど、チェックする必要があるでしょう。
続いては、中途採用で転職を成功させるためのポイントをご紹介します。
中途採用の場合は、学歴よりもそれまでの経験や実績が重視されます。培ったスキル・実績を、入社後にどのように活かせるかをアピールすることが大切です。
効果的にアピールするために、これまでの営業成績や実績を整理して提示できるようにしておきましょう。自己PRでは、募集要項をしっかりと分析して企業が求める人材像を把握した上で、自身の能力が応募企業にどのようなメリットをもたらすのかをアピールしましょう。
「営業成績140%を◯期連続で達成」「総額◯億円のプロジェクトを主導」など、具体的な数字を盛り込むと、より説得力のある自己PRになります。
たとえ企業側の求めるスキルや経験とマッチしていても、その会社で働き、成果を上げたいという熱意が伝わらなければ、採用には至らないでしょう。
他の企業ではなく、その企業を選んだ理由を伝えるには、志望動機や自己PRにおいて、入社後のビジョンや目標を伝えることがポイントです。この会社だからこそ実現できると思った目標があることや、スキルを活かして、会社に貢献したいと思っていることを、明確に伝えられるよう準備しましょう。
能力や実績があっても、入社後に他の従業員とうまくやっていける人材でなければ、企業側としても採用に二の足を踏まざるをえません。
前職のチーム・プロジェクトにおいて、「報告・連絡・相談を細やかに行うことで、業務を円滑に遂行した」といった具体的なエピソードを用いて、コミュニケーションスキルをアピールするのが有効です。
中途採用は、「社会人としてのマナーを身に付けている」「業務上、必要な知識と十分な経験、技能がある」「即戦力として活躍できる」というように、企業から求められる要素が非常に明確です。企業に利益をもたらす人材であるとアピールするために、キャリアや実績をまとめておきましょう。
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