更新日:2023/11/15
キャリアを積み重ねていくうちに、部下を持つ立場になることも。
管理能力も重要なスキルとなります。とくに頭を悩ませる人が多いのが「部下の叱り方」。関係が悪くなることを恐れてガマンしていても根本的な解決にはなりません。また叱り方によっては、パワハラだと非難される側に立たされることも。
そこで、年齢差や性差のある相手にも通じる、効果的な叱り方のコツを紹介します。
目次
理由があるとはいえ、他人の前で叱られることはプライドを傷つけるもの。恥ずかしさから肝心の指摘が耳に入らない状態になりがちで、逆恨みされる可能性も。まったく効果的ではありません。できれば、話声が漏れない個室を用意しましょう。
なぜその部下を叱るのかを明確にしておきましょう。
「ミスをした」「納期が遅れている」「遅刻が多い」など、まずは問題点を具体的に示し、それに対しての部下の言い分も聞きます。事実をクリアにした上で、何のためにそれを変えてほしいのかをはっきり伝えることが大事です。さらに、改善のための方法や、今後の目標を提示して変化のきっかけを与えれば部下も受け入れやすくなります。
叱るべきは行動・行為であって、人格を否定するのはNGです。
「やる気がない」「この仕事に向いていない」「~だからダメなんだ」などというのはただの悪口。
「じゃあどうすればいいの?」とやる気を失わせるだけです。また同期や後輩と比べることも避けましょう。「◯◯さんができているんだから、あなたもできるでしょう?」と励ましたつもりでもプレッシャーに。「自己効力感」の低下に繋がります。
※「自己効力感」(self-sffecacy)とは、「自分はこの目標を達成できると信じられる」という自信の一種。根拠を持って自分を肯定する気持ち。カナダの心理学者、アルバート・バンデューラが提唱。
「集中力を維持できるのは15分周期」という説があります。ダラダラと同じことを言い続けたり、あれもこれもと話を広げたりすると、相手もしだいに飽きてきます。できるだけ15分以内に話を終わらせましょう。
そして、「人の怒りのピークは6秒」とも言われています。叱っているうちに感情的になりすぎた場合は、6秒間思考停止を。深呼吸するのも良いでしょう。相手の態度にかかわらず、冷静に問題点を指摘することが大事です。
信頼関係があり、普段からお互いに親しみを感じている相手を叱るのは気が滅入るもの。関係を壊したくない、嫌われたくないという気持ちが生じがちです。
しかしこの場合、最もNGなのは「私は気にしないけど、◯◯さんが怒っていて」「部長に叱られるからやめた方がいい」などと他人のせいにすることです。こう言われると「え?あの人むかつきますね!」などと本人に否があることがうやむやになってしまい、改善が期待できなくなります。あなた自身がよくないことだと判断したこと、改めてほしいと思っていることをはっきり伝えましょう。
本当に信頼関係があるなら納得してくれるはずです。
叱る部下との関係性がさまざまでも、基本的に敬語で通しましょう。いわゆるタメ口で通している同期でも、ビジネスの場として意識を切り替える効果があります。あえて場を設けて話すような問題だということを認識してもらい、上司だというあなたの立場を理解させるのも大事です。
相手の年齢や性別によって変えた方が効果的なポイントもあります。
役職が上になっても、人生の先輩として日頃から敬意を持って接していれば、耳を傾けてくれるでしょう。「仕事のことはあなたよりわかっている!」と思いがちなので、まずは問題点を提示し、会社のために見過ごせないのだ、ということを理解してもらうことが大事です。立場の違いをアピールするなどの上から目線は何よりご法度。
心から納得し、同意してもらうために「お願いします」という気持ちで向き合いましょう。
まだお互いに信頼関係が十分でない時期は、「あなたはいつも~だ」などと決めつけて叱ることは避けましょう。自分のことを知らないくせに、と、叱られた内容よりもあなたの嫌な印象が残ることになりがち。上司に認められたいというのも仕事を続ける上で重要なモチベーション。
ここを失わないよう、否定よりも具体的な指示を出すことが大事です。
叱る場面では、相手に関わらず敬語を使って距離を保ちましょう。問題のある行動や態度を改めてほしいと伝えるのに、仲良しの雰囲気は必要ありません。
ただし、上司=人として偉いというのは思い上がり。どんな相手にも敬意を持って接することが大事です。感情をぶつける「怒る」に対して、「叱る」はその人のため、改善のためにする行為とされています。この意識を持って問題点を一緒に解決していくのが、正しい叱り方。
部下を叱りながら、上司も成長するもの。良い仕事環境を作り出していきましょう。
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