更新日:2023/12/06
管理職になると部下に対する心配事が多くなり、自分自身のケアについてはおろそかになりがちです。
チームとして仕事のパフォーマンスをあげるには、まず第一にリーダーである自分の心と体調をしっかり整えることが大切です。職場での自分に対するメンタルヘルスケアの対策を紹介します。
目次
近年、メンタルヘルスリテラシーという用語が注目されています。これは、精神疾患の知識や信念のことです。メンタルヘルスリテラシーを向上させることで、自分の心の状態に気づき、早期に対処し、精神疾患の"予防"につながります。
まず自分の心の状態に気づくことが最も重要です。このとき精神疾患を「心の動き」ではなく「心の病気」と認識することが大切です。初期症状は、精神疾患によってさまざまですが、ストレスや不安を慢性的(約1~2週間程度)に感じている場合は精神疾患の可能性を疑ってみてください。
また、保健所や病院などで配布されているパンフレットを参照し、自分の症状に当てはまるかをチェックするのも良いでしょう。該当項目が所定の数値を上回ったり、1~2週間以上ストレスや不安を慢性的に感じたりしている場合は、ほかの人に相談し、援助を求めましょう。
しかし現状は、羞恥心もあって周りにアドバイスを求めなかったり、否認や怒りといった行動に出るため治療が効果的に行えなかったりするケースも多く指摘されています。メンタルヘルスリテラシーが不十分で、どこか精神疾患に対する差別や偏見が残っている状態では、解決にはつながりません。
精神疾患を患った人への差別や偏見をなくし、早期に自分の心の不調に気づき援助を求めることが、悪化を防ぐことに繋がります。
職場でもできるセルフケアを、ここでは2つとり上げます。両方とも、心身のリラックス状態を作り出すことが目的で、椅子に座りながら短時間で行うことができます。
一つは、腹式呼吸によるリラクセーションです。腹式呼吸をし、からだの緊張をゆるめる練習をしてみましょう。二つ目は自律訓練法で、広く用いられている方法です。以下の教示文を順に自己暗示しましょう。
感情を日記などに書き出すことはストレス対処に有効です。感情を言語化することで、ストレスイベントとそれに対する自分の反応について理解することができ、ポジティブな結果につながると考えられています。
ある研究では、大学生に感情が揺さぶられた場面を想起してもらい、そこで感じたことなどについて一日1時間半×3~5日間書き出してもらったところ、because, reason, realize, know, understandというような言葉を書いている学生ほど、健康的で学業成績もよく、適応的でした。
また、運動も効果的です。適度な運動は、抑うつや不安を防ぐことが多くの研究で示されています。
朝1時間運動したり、一つ前の駅で降りて歩いて帰ったりするなどして日常的に運動することが大切です。
ストレス対処として、周囲の人に助けを求めることが有効な方法であることは、多くの研究で明らかになっています。問題に対して、良い改善案が提供される場合もありますが、自分の話を他者に受け入れてもらったり、理解してもらったりすることだけでも、自身の心の健康につながります。
また,職場内外のカウンセラーに思い切って相談してみる必要があります。このとき、少しでもストレスを抱えていると思えば、気軽に相談することが重要です。いち早く専門家に相談することは、精神疾患の発病や重症化を防ぐのに有効です。
先進国の中で、日本は精神疾患についての対策が遅れており、まだカウンセリングを受けること自体に偏見を持つ人もいるようです。イギリスなど海外の国では、カウンセラーに気軽に相談できる機会に多く恵まれています。ストレスを抱えていることにいち早く気づき、専門家に相談することが精神疾患の発病や重症化を防ぐのに何よりも重要です。
チームのパフォーマンスや生産性を上げなくては...だったり、皆のお手本にならなければ...など管理職になると、上に立つ立場として強いプレッシャーを感じることになります。
日ごろから自分なりの気分転換の方法を身に付けておくことも大切です。また心や体に不調を感じたときは、周囲にサポートを求めたり、解決をしなければ専門家に相談をするなど早めに対応をするようにしましょう。
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