【女性管理職向け】キャリアプランの立て方 〜大手保険会社某関東地区営業所所長 山崎洋子さん(仮名)の場合|求人・転職エージェント

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更新日:2023/12/06

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【女性管理職向け】キャリアプランの立て方 〜大手保険会社某関東地区営業所所長 山崎洋子さん(仮名)の場合

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女性がキャリアアップを目指すとき、どのようなプランを立てるのでしょうか?
特に異業種間の転職でキャリアを一から築き上げていく場合は、プランを立てるのさえ難しいものです。

大手保険会社で所長を務める山崎さんもそんな一人。専業主婦から事務職へ、さらに保険会社に転職をし、現在は所長として活躍する山崎洋子さん(50歳)のキャリアアップへの道のりを聞きました。

目次

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専業主婦から事務職に仕事復帰、さらに異業種へ転職

山崎さんは短大卒業後就職、20代で結婚し退職。2人の子どもを出産します。当時は結婚したら退職するのは当たり前、いわゆる寿退社をする女性がほとんどでした。専業主婦として二人の子育てに追われる日々を過ごしますが、30歳で離婚を経験します。
その時強く思ったのは「いざという時に備え、女性も経済的に自立をしなくては!そのためにも正社員として働きたい」という気持ちでした。この気持ちがその後の山崎さんのキャリアの原点となります。

30歳で事務職として再就職をし、後に再婚し40歳目前で3度目の妊娠をします。1年の産休をとり、復帰をしようと思っていた矢先にリーマンショックが起こり、さらに同じ年にタイの洪水が発生。当時働いていた会社は、タイとの取引がメイン。一気に業績が悪くなり、山崎さんは正社員だったものの、退職を余儀なくされました。その時年齢は40歳。正社員として再就職できる求人はほとんどなく、家計を節約する必要に迫られます。

まずは保険料の負担を減らそうと、当時加入していた生命保険会社に出向き、契約内容見直しの相談をします。そこで保険会社の担当者から「仕事を探しているのならここで働きませんか?」と思わぬ誘いを受けることに。その時の「正社員として定年になる60歳まで(当時)あと20年しっかり働けます!退職金も勤続年数20年を境に金額がグンとあがるんですよ!」という言葉に心を動かされ、営業職未経験ながら入社を決心します。

初の営業職でステップアップを目指す

念願の正社員としての採用、でも未経験の営業職にはかなり不安はあった山崎さん。ただ保険業界は年功序列ではなく、完全に営業の売り上げがモノを言う実力主義。40歳で入社した山崎さんにもチャンスは平等にありました。

山崎さんの在籍している職場は、一般営業職→新人研修トレーナー→所長というのがキャリアアップへの道筋。まずは売上成績を伸ばし、新人研修トレーナーのポジションを目指します。

もともと人見知りではなく、人とコミュニケーションをとるのは得意だった山崎さん。個人の顧客を担当し、一人ひとり丁寧な商品提案を行って行きます。さらに営業に必要なゴルフにチャレンジしたり、知識を深めるためFPの資格取得など努力を重ねます。

順調に営業成績を伸ばし、3年後に新人研修トレーナーに就任。新人への熱心な指導力が認められ2年後、46歳で所長に抜擢されました。

さらなるキャリアアップを目指すには部下との関係が鍵

現在は4人の部下を率いる所長として活躍する山崎さん。上に立つ立場になって実感することは、チームメンバーのケアの大切さです。部下の小さな変化にも気づけるよう、常にコミュニケーションをとるよう日々努力を重ねています。

「部下とのコミュニケーションは一番大切だと思います。営業から帰ってきてちょっと元気がないな、という時は必ず声はかけますし、一日に一度も話さない部下はいません。」


その声かけの内容も常に前向きなことを盛り込むよう心がけているとか。

「営業成績が悪くても"ここがダメなんじゃない"というような悪いところを指摘したり否定的なことは言いません。どうすれば売り上げが伸ばせるのか、など前向きなアドバイスをするようにしています」


声かけにより部下の仕事へのモチベーションもあがり、それが自分の成績にもつながっていく。ここから更なるキャリアアップを視野に入れると、優秀で信頼できる部下の存在は欠かせないようです。

女性ばかりの職場のメリットを生かす

女性のキャリアアップに大きな壁として立ちはだかるのが、子育てとの両立。
3人の子持ちである山崎さんはどのように切り抜けてきたのでしょうか?

保険会社の営業所内は女性が多いイメージがありますが、山崎さんが勤める職場も男性の支社長以外は全員女性です。その環境を生かして、皆で助け合うシステムが構築されています。

「現在の私の部下は皆子持ちの既婚女性で、子どもが熱を出せば、代わりに誰かがサポートします。また土日や夜など保育園がやっていない時間のアポイントが入ってしまったら、誰かがその人の子どもを預かるようにしています。私も入社したての頃は子どもも小さく、周囲に助けてもらいました。女性ばかりだと人間関係が難しいように見られがちですが、結構さばさばしていて逆に助け合うこともできて、いい関係が築けているんですよ」


さらに「悪口とかもしかしたら言われているかもしれませんが、気が付かないだけかもしれませんね!気にしない精神力も大切です」

適度な鈍感力を持ちながら、部下の変化には気を配る、話しやすい女性上司として活躍する山崎さん。入社10年が経ち、最初の目標である「20年働く!」のいまちょうど半分。「あと10年、このまま頑張っていつか支社長に!」という目標も見えてきました。

まとめ

リストラや出産などで、これまで築き上げてきたキャリアをリセットされ、プラン通りにキャリアアップができなくても、「仕事がしたい」という気持ちがあり行動を起こせば、再び別の形でもキャリアは築けます。違う業界や業種でも前向きにチャレンジする気持ちが大切なようです。

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執筆・編集

株式会社回遊舎

“金融”を専門とする編集・制作プロダクション。 お金に関する記事を企画・取材から執筆、制作まで一手に引き受ける。金融・経済関連を中心に、ビジネス、女性のキャリアアップ、起業のノウハウなども幅広く取材・執筆している。代表酒井富士子の近著に『知りたいことがぜんぶわかる!つみたてNISA&iDeCoの超基本』(Gakken)、『マンガと図解でよくわかる お金の基本 高校生から理解できる資産形成&金融知識』(インプレス)、『おひとりさまの終活準備BOOK』(三笠書房)ほか。

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