あなたはどのような希望条件で企業を選択しておられますか？

よくばりに全ての希望条件を叶えられればいいのですが、そうは中々いかないのが転職活動ですね。

キャリアアドバイザーとしてご相談をお受けする中で、譲れない条件としてよくお聞きするのが、給与、勤務地、女性の働きやすさ（育休産休の取得実績や復帰率、時短取得など・・）という軸です。

このコラムをお読み頂いている方でも、確かに上記の条件は譲れないなぁ・・という方は多いのではないでしょうか。

実はこれらの条件を女性が叶えやすいのは無形の企業が多いという事はご存知でしょうか。

ちなみに無形の業界とは分かりやすく言うと形のないモノやサービスを提供している企業になります。例えば金融業界、IT業界、広告業界、人材業界などなどが代表的かと思います。

対比する有形業界の例をお伝えするとメーカー、商社などがあげられます。

ではなぜ無形の業界のほうが給与・勤務地・女性の働きやすさが叶いやすい企業が多いのでしょうか。「給与」、「勤務地」、「女性の働きやすさ」の面から、無形の業界について、ご紹介させていただきます。

給与

まず、給与ですが、それぞれの業界の利益構造をお考え頂くとイメージしやすいかと思います。

有形の業界は他社に負けない製品を作ることが売上を上げる要となりますので、製品開発費や製造費に一番コストをかけます。
また、無形の業界に比べると利益率が低い企業が多いのでどうしても給与水準があげにくい業界といえます。

それに比べ無形の業界はサービス内容の工夫などで他社との差別化を図れる業界なので、利益率が高く、サービスを提供する要である人件費に一番コストをかけられるのです。

業界の給与水準は利益率・一人当たりの生産性に大きく比例します。
このような利益構造の成り立ちから給与水準が高い業界は無形業界が多いのです。

勤務地

次に勤務地ですが、有形の企業が地方都市にもまんべんなく支社を構える必要があるのに対し、無形企業は通勤の便がいい主要都市部に集中しているケースが多いですね。

これは何故かと申しますと、有形の企業は製品の製造過程において工場が必要となるからです。広大な敷地を必要とする工場は生産コストを少しでも抑えるために中々都会の一等地には作れないので、どうしても地方都市や海外への展開が必要となります。それに伴い転勤頻度も増えます。

それに比べ無形業界は生産工場を構える必要がなく、主要都市部の拠点だけで十分なサービス拡充が見込めます。それに伴い転勤頻度も少なくなるのです。

女性の働きやすさ

最後に女性の働きやすさですが、有形業界では製品によっては工場に出向き、職人の方や理系の技術者の方と技術的知見を持ってお話する必要があったり、出張も増えるのでどうしても男性が重宝されがちです。

あまりこのような話はしたくありませんが男性社会の企業が多いのです。
そうすると女性の産休育休や時短に対応する例がどうしても少なくなるので、制度が整いづらくなってしまいます。

それに比べ無形の業界はお客様のニーズに合わせたソリューション提案を行うので女性特有のコミュニケーション能力が活かせる点や、有形企業に比べ後発のビジネスモデルなため、風土も先進的で女性社員も積極的に最前線のメンバーとして採用を行う企業が多い点から
育休産休を取っても復帰して頂きたいニーズが高まります。それに伴い対応事例が増えるのでどんどん制度が整っていくのです。

女性が多い環境であれば、女性としてのライフイベントがあった際の働きやすさを考えざるを得なくなるのですね。

このような背景から無形業界＝女性が活躍出来、制度も整った会社が多いのです。
もし、あなたが転職先は条件を重視して探していきたいとお考えなのであれば、無形の業界から探していくことでいい企業にめぐり合える可能性が高まるかもしれません。

まれに無形の業界というと、激務で大変なのではないかというイメージをお持ちの方が意外と多いのですが、先進的な風土の企業が多いため、国の残業規制にもいち早く対応している企業が多いです。

IT系＝激務、人材系＝激務というのは一昔前のお話になりつつあります。

これまでのキャリアやご志向性によっても選ぶべき業界や職業などは様々です。
まだはっきりとご自身の方向性が見えていない方は、ぜひ一度に転職市場に精通したアドバイザーにご相談頂くことをお勧めいたします。