更新日:2021/12/14
中間管理職は企業がビジネスを推進するうえで非常に重要なポジションであり、欠かせない存在です。
今回は、中間管理職の具体的な仕事内容や役割、必要なスキルについて解説していきます。中間管理職の業務の実態やその役割について知りたい方は、ぜひ最後までご覧ください。
目次
中間管理職は「ミドルマネジメント」とも呼ばれ、名前のごとく組織の中間部に身を置き、上司と部下の両方と関係性を構築する役職です。主に部長や課長、係長などの役職が中間管理職に該当します。
中間管理職は、特定の部門を率いる長でありながら経営にも参加する立場にあるため、現場と上層部の架け橋となる存在です。時には上司と部下の板挟みになることもあるため、バランス感覚を持ち、広い視野で物事を判断する力が求められます。
中間管理職の仕事は多岐に渡りますが、主な役割としては以下の5つが挙げられます。
今後中間管理職を目指す方は、この内容を押さえておきましょう。
中間管理職は、自らが率いる部門のマネジメントを適切に行い、会社全体に利益をもたらす役割を担います。部下一人ひとりの適性を見極め、適材適所を実現し、個人のパフォーマンスを最大化させることで、チームとして高い成果を狙っていきます。
部下を一人前のプレイヤーへ育て上げ、自らの後進を育成する責任も負っています。部下が目指したいと思える未来を、中間管理職自身が背中で見せていかなければなりません。また、部下が組織やチーム方針から逸脱しそうなときには、気づきを与え道を正すことも必要になってきます。
部下が不要なストレスを抱えることなく伸び伸びと働ける良好な労働環境を作ることも、中間管理職の重要な役割です。
チームの成果の最大化には一人ひとりの成長が欠かせませんが、その実現にはメンバー間の良好な人間関係が不可欠です。和やかな関係性のもとでモチベーションを高め合ったりお互いの弱点を補い合ったりできるチームワークを育てていくことが必要となります。
上司にあたる経営層と部下のパイプ役となることで円滑な組織運営を先導していく立場にあります。経営層と現場の従業員では立場や着眼点が異なることから、相互理解が難しいところがありますが、組織力を高めていくには、経営層は現場の意見を吸い上げて反映し、現場は経営層が描くビジョンや方針を理解した上で動いていかなければなりません。双方の間に身を置く中間管理職は、その意思疎通を実現させるパイプ役として重要な役割を担います。
自部門内の縦割りの関係性だけでなく、横に広がる他部門との連携強化もミッションの一つとなります。部門の異なる中間管理職同士がコミュニケーションを密に行うことで、より明確に組織の全体像が把握できるようになり、新たなチャンスを生み出すきっかけになるかもしれません。
上司と部下に挟まれている中間管理職だからこそ見える景色は、組織の拡大成長に大きな影響をもたらすはずです。
担う役割の範囲からも想像できるように、中間管理職は誰にでも簡単に務まるものではありません。ここでは中間管理職に必要な代表的な能力を5つ紹介します。
マネジメント能力は中間管理職に必要な能力の中で最も重要なものと言っても過言ではありません。自分自身がプレイヤーとして成果を上げる立場にないため、部下のスキルやパフォーマンスを十分に引き出す力が重要となります。現実的なチーム目標を設定し、実現に向けて部下のアクションを先導していかなければなりません。
チームを牽引する存在として高いコミュニケーション能力が求められます。部下との良好な関係性の構築にはもちろんのこと、部下の間で起こる摩擦やトラブルに対してうまく仲裁し、円滑なチーム運営を維持し続けなければなりません。また、他部門との協力関係構築の観点からもコミュニケーション能力は重要です。
優秀な部下を育てるための人材育成能力も中間管理職には欠かせません。部下一人ひとりの人柄や特性を生かしたアプローチをする必要があります。
チームと会社の利益を守るために、いつ起こるかわからないトラブルに柔軟に対応する危機管理能力も備えておかなければなりません。起こったトラブルに随時対処していくのは当然ですが、想定できるリスクをあらかじめ潰しておくこと、またどうしたらリスクに晒されないチーム運営が実現するかを日頃から考え、危機を未然に回避していくことが大切です。そのうえでチーム内に改善すべき点や対処法を共有できれば、チーム全体に危機管理能力が育まれていくでしょう。
中間管理職のもとには、上司や部下、他部門の中間管理職などから多くの情報が集まります。それらの情報を適切に解釈、分析し、上司と部下それぞれに適切な報告や指示、判断をおこなわなければなりません。経営層の掲げるビジョンや方針、現場従業員の置かれている現状など、双方の観点や状況をしっかり考慮する力が求められます。
中間管理職として職務を全う上で注意しなければならないことはいくつかありますが、部下の信頼を損なわないためにも、特に以下の2点についてはしっかり心得ておきましょう。
部下の仕事に干渉することは避けましょう。「自分ならこうするのに」「私がやった方が早い」と思ったとしても、必要以上に手出ししたり部下の行動を制限したりすべきではありません。中間管理職には、部下のスキルや能力を育み、一人前のビジネスパーソンに導く任務があるからです。まずは部下の能力を信じて見守り、頼ってきた時にしっかり手を差し伸べるような関わり方が望ましいでしょう。
たとえ部下が思い通りの動きをしてくれない場合でも必要以上に叱責することは避けましょう。「もっとできるはずだ」「わかってほしい」と思えば思うほど、熱がこもってきつい表現になってしまいがちです。しかしそれでは、部下が自分のミスや言動の本質と向き合う機会を奪うことになりかねません。
叱責されればされるほど、部下は自分を責めてモチベーションが保てなくなったり、中間管理職の人間性に疑いを持ち、信頼関係が破綻するリスクが高まります。ただ叱りつけるのではなく、部下の思考を促す論理的なアプローチを試みましょう。
ここまでの内容を踏まえ、中間管理職に向いているとはどのような人なのか、3つの特徴を挙げていきます。
前述の通り、中間管理職はさまざまな立場の人と数多く関わりを持ち、求められるものの幅も非常に広い立場です。そうしたさまざまな環境や状況に応じて柔軟に対応できる人には中間管理職としての活躍が期待できるでしょう。
経営層にあたる上司と自部門の部下とのパイプ役を担うだけでなく、他部門との連携役も担いますので、自らの利益ばかり主張していてはその役割は務まりません。広い視野を持ち、相手の立場を考えて対処するバランス感覚や調整力に長けている人物が適任です。
中間管理職にはどうしてもストレスがつきものです。上司と部下の間で板挟みになることも多く、求められる成果も一般従業員と比べて非常に大きくなります。にもかかわらず自分のスキルアップや成果だけを追い求めて仕事ができるわけではなく、業務の比重は直下の部下のマネジメントに大きく取られます。自分だけの力ではコントロールできないことも増え、そのぶんストレスを受けやすくなりますので、そのストレスに耐えることができる心の強さが必要です。
中間管理職になるには、今の職場での昇進を目指すのが最も一般的な方法です。管理職の育成を目的としたマネジメント研修などが行われていれば積極的に参加してみましょう。自分のスキルを磨けるだけでなく、上司へのアピールにもつながります。
ただし、しばらく昇進が見込めない場合や別の業界にチャレンジしたい場合などは、今の職場を離れる選択もあるでしょう。
転職によって中間管理職を目指す場合は、転職サイトなどに掲載されている求人に応募する方法や、転職エージェントに企業を紹介してもらう方法があります。転職サイトなどから自分で応募する場合は自分のペースで転職活動が進められるメリットがありますが、より早く確実に中間管理職を目指したい場合は、数多くの非公開求人を取り扱う転職エージェント「マイナビエージェント」の利用がおすすめです。あなたの希望を踏まえたうえで最適な企業を紹介してくれるため、最短距離で中間管理職への道が開かれるはずです。
中間管理職と一般の従業員とでは、役割や求められることが圧倒的に異なります。やりがいを感じる瞬間も多い仕事ですが、一方ではストレスに見舞われる可能性もある立場でもあります。
今までと同じ感覚では務まりきらないものだと認識し、中間管理職のあり方やミッションをしっかりと理解したうえで職務にあたりましょう。
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