更新日:2021/11/15
会計・給与を管理するのが主な仕事である「経理業務」は、在宅ワークが可能です。
コロナ禍の今、在宅ワークに魅力を感じる方は増えています。
しかし、在宅ワークが未経験だと、「どのように仕事をするのか」だけでなく、「どうやって仕事を探したらよいのか」が分からないという方もいるのではないでしょうか。
そこでこの記事では、経理業務の在宅ワークについて解説します。
仕事の方法や探し方以外にも、在宅ワークならではのメリット・デメリットを知れば、自分に向いた仕事かどうかが分かるでしょう。
目次
在宅ワークでも経理業務はできますが、一般的な会社員とは仕事内容のほか、契約内容や報酬形態が異なります。
それぞれの違いを知ることで、自分に合った働き方が選べるでしょう。
ここでは、在宅ワークの経理業務の特徴について解説します。
在宅での経理業務は、給与計算や経費計算、請求書作成といった比較的単純な作業が多く見られます。
一般的な会社では、単純ながら時間と手間のかかる業務を外注する傾向があるためです。
経理業務に含まれる入出金の管理や取引先管理といった業務は、在宅ワークで取り扱うことはほとんどないといってよいでしょう。
そのような重要な業務は契約会社の経理部門が担当するため、在宅ワークではサポートをする立場といった位置づけです。
在宅ワークの経理に関する求人は、雇用契約は少なく、主に業務委託契約です。
雇用契約で支払われるのは労働時間に応じた給与であるのに対し、業務委託契約は成果に応じた報酬という違いがあります。
業務委託契約の場合、求められるのがあくまで成果であるため、原則的に労働時間や仕事方法についての制約がないのが特徴です。
在宅ワークは時間給ではなく成果報酬が基本です。
雇用契約とは違い、業務を何時間したとしても成果を提出できなければ報酬は支払われません。
終身雇用の考え方も適用されないため、安定性には欠けるといえるでしょう。
報酬の相場は、月3万円~10万円程度といわれています。
また、1案件当たりの報酬は仕事内容によって大きく異なるのが実情です。
成果報酬であることから、業務量に比例して報酬も多くなるため、月当たりの報酬は個人差が大きい傾向にあります。
在宅での経理業務には、メリットもあればデメリットもあります。
メリットに強い魅力を感じることだけでなく、デメリットに大きなストレスを感じないことが大切です。
ここでは、在宅による経理業務のメリット・デメリットを紹介します。
在宅ワークが自分にマッチするかどうかを見極めるポイントのひとつとして、参考にしてみてください。
経理業務に限らず、在宅ワーク全般のメリットとしていえるのが、時間に縛られにくいことです。
通勤がなく労働時間が原則決まっていないため、自分の体質や生活リズムに合わせて仕事を進められます。
また、休日の設定も自由なため、会社勤めよりも時間の融通は利きやすいでしょう。
空いた時間は、さらに仕事に取り組むのも趣味に使うのも自由です。
在宅ワークの場合、基本的にネット環境さえあれば、どこでも仕事ができます。
地方在住や勤務地が遠いといった理由で諦めていた憧れの会社でも、在宅ワークであれば働けるかもしれません。
また、場所を選ばないため、住む場所を仕事に左右されないのもメリットです。
「引っ越しができない」という方だけでなく、「気軽に引っ越しをしたい」という方も悩みを抱えにくいでしょう。
在宅ワークでは、基本的にチャットツールやメールといった文字でのコミュニケーションが中心です。
オフィス勤務と比べて、リアルタイムでのコミュニケーションが取りづらく、困ったときに質問してもすぐに回答があるとは限りません。
特に、経理業務はお金の管理に関わることからミスのないように進める必要があり、円滑なコミュニケーションが取れるように工夫しなければならないでしょう。
また、在宅ワークは勤務態度が見えづらいため、成果での評価になりやすい傾向があります。
努力を認められず、人事評価に納得できない場合もあるかもしれません。
在宅ワークは自宅が仕事場となるため、業務環境を自分で整えなくてはなりません。
パソコンや周辺機器だけでなく、デスクや椅子を買い替えたり買いそろえたりする必要がある方もいるでしょう。
また、委託契約を受ける以上は、情報漏えいを防ぐためにネット環境を整備することも大切です。
たとえば、セキュリティソフトの導入やパスワードの管理といったセキュリティ強化にも気を配る必要があります。
在宅ワークで依頼される経理業務は、特殊なスキルを必要としないケースがほとんどです。
ただし、応募のハードルが低いことは競争率の高さにつながります。
持っているスキルによっては報酬アップを狙えるかもしれません。
ここでは、経理に求められるスキルについて解説します。
経理をはじめとした事務職の在宅ワークでは、パソコンの基本的な操作スキルが必須です。
基本的な操作スキルには、WordやExcelといったソフトの操作も含みます。
特に経理では、Excelの簡単な計算式や関数を使いこなせるに越したことはないでしょう。
独学でも構いませんが、「Excel表計算処理技能検定」や「情報処理技能検定試験 表計算」のような資格を取得すると、より強みとなります。
経理業務では、正確かつスピーディーな仕事が求められます。
また、トラブル発生時の応用力やコミュニケーション能力をはじめとした、広い意味での対応力が重要です。
対応力は知識も必要ですが、経験を通して身につくものでもあります。
したがって、経理の実務経験があると、業務を進めるときだけでなく採用選考も有利となりやすいでしょう。
案件によっては、「freee」や「弥生会計」のような会計ソフトを使用することもあります。
すべてのソフトを網羅する必要はありませんが、1つでも2つでも知識のあるソフトがあれば武器となるでしょう。
また、業務委託契約による在宅ワークの場合、自身で確定申告するのが一般的です。
その際にも会計ソフトがあると便利なため、操作に慣れるためにも導入の検討をおすすめします。
在宅ワークの経理の仕事は、「自己管理が徹底できる人」「整理整頓がうまくできる人」「集中力のある人」に向いているといわれています。
自分の性格と比較して、在宅ワークという働き方が合っているかどうかを見極めることが大切です。
ここでは、在宅ワークの経理の仕事に向いている人について解説します。
在宅ワークの場合、基本的に進捗状況を細かく管理されません。
したがって、納期までにどのようなスケジュールで業務にあたるかをはじめとした業務管理は、自分で徹底する必要があります。
在宅ワークは労働時間が自由であることから、サボることも簡単です。
ただし、納期に間に合わなければ報酬はもらえず、次からは仕事の依頼がなくなるかもしれません。
しっかりと自己管理をして仕事をまっとうする責任感が求められるでしょう。
経理業務では数多くの会計書類を扱うため、慎重にならなくてはなりません。
在宅ワークの場合、基本的にデータ書類を扱います。
さまざまなデータが混在していては、仕事の効率に関わるほか、ミスしやすくなるでしょう。
常日頃からファイルの整理整頓を心掛ける必要があります。
何事も丁寧に取り組める方には、経理業務は向いているといえるでしょう。
経理業務は効率のよさと正確さが求められる仕事です。
また、単調な業務を長時間にわたって行う傾向があるため、集中力を必要とします。
集中の仕方にはタイプがあるといわれていますが、長時間一定の集中力を発揮できる方は特に力を発揮しやすいでしょう。
また、集中力とともに、計算ミスや入力ミスを起こさないように徹底できる慎重さも大切です。
在宅ワークの経理に関する求人では、「日商簿記検定」「給与計算実務能力検定」「FASS検定」の資格が強みとなります。
採用後の業務でも役立つため、取得を目指して学ぶとよいでしょう。
ここでは、おすすめの3つの検定の特徴や学べる知識を紹介します。
日商簿記検定では、仕訳や帳簿、財務諸表の記帳方法といった経理業務に必須といえる知識を学べます。
在宅ワークに限らず、経理関係の仕事を希望するのであれば役に立つでしょう。
どの資格から取得するか悩んだときは、日商簿記検定をおすすめします。
1級から3級まであります(※Webで受けられる級を除く)が、仕事のために取得するのであれば2級がよいでしょう。
3級は強みになりづらく、1級は非常に難易度が高いため、独学での取得はあまりおすすめできません。
給与計算実務能力検定では、給与計算に必要な保険や法律、税金の知識を学べます。
経理の中でも限られた分野の資格であるため、日商簿記検定ほどは重視されない傾向にありますが、給与計算業務のある案件では重宝するでしょう。
1級と2級に分かれており、給与計算の基本を学べる2級がおすすめです。
FASS検定は経理・財務スキルの育成を目的に、経済産業省の委託によって実施されている検定です。
受験すると、A~Eの5段階評価が下されます。
日商簿記検定ほどは重要視されない傾向にありますが、簿記のみでなく経理業務全般の知識を学べるのが魅力といえるでしょう。
未経験者や資格不要の求人もありますが、経験や資格がない方が在宅で経理の仕事をするのは難しいでしょう。
在宅ワークはオフィス勤務と違い、基本的に会社が育成をしません。
したがって、実務経験者や有資格者といった即戦力が求められています。
在宅ワークで経理の仕事をしたいのであれば、正社員や派遣で経理を担当して実務経験を積むか、経理に役立つ資格を取得するのがおすすめです。
在宅ワークが可能な経理の仕事は、一般の求人誌で募集していることはあまりありません。
探すのであれば、「クラウドソーシングサイト」や「転職サイト」の利用がおすすめです。
ここでは、クラウドソーシングサイトと転職サイトそれぞれの特徴や使い方について解説します。
クラウドソーシングサイトとは、仕事を依頼したい会社と仕事を受けたい個人の橋渡しをするサイトです。
会員登録を済ませば、すぐに求人情報を検索できます。
気になる求人に対してはメッセージで応募できるため、気軽に使える方法といえるでしょう。
書類選考や面接がない求人もあります。
条件のよい案件には多くの方が集まりやすく、採用されるには高い能力や経験、自己アピール力が必要です。
また、ほとんどが業務委託契約のため、直接雇用を希望する方には不向きかもしれません。
クラウドソーシングサイトの求人はほとんどが業務委託契約であるのに対し、転職サイトの求人は直接雇用が多い傾向があります。
直接雇用を望んでいるのであれば、クラウドソーシングサイトよりも転職サイトが向いているかもしれません。
会員登録後に求人情報をサイト上で検索し、その場で応募が可能です。
ただし、クラウドソーシングサイトとは違い、書類選考や面接を実施する場合が多いでしょう。
在宅ワークが可能な経理の求人を探す方法として、クラウドソーシングサイトと転職サイトの2種類が挙げられます。
しかし、いずれも求人を探すところから応募、面接まですべて自力でやらなくてはなりません。
時間や手間がかかるだけでなく、「どの求人が自分に合っているのか分からない」「自己アピールがうまくできない」といった壁にぶつかることもあるでしょう。
そのような方におすすめしたいのが「転職エージェント」です。
転職エージェントであれば、転職のプロが仕事探しのすべてをサポートしてくれます。
求人探し以外にも履歴書の添削や面接の対策までしてくれるため、よりスムーズな転職が可能となるでしょう。
自力での転職に限界を感じているのであれば、転職エージェントの利用をおすすめします。
経理の仕事をはじめとした在宅ワークは、年々注目度を増しています。
採用されることは難しく、経験や資格だけでなく自己アピール力が大切です。
経理に役立つ日商簿記検定といった資格を取得することで、自らのスキルをアピールしましょう。
マイナビエージェントがサポートするのは、一人ひとりにぴったりな仕事探しだけではありません。
履歴書の添削から面接対策はもちろん、推薦状の用意までサポートします。
面接後には企業と連絡を取り、面接時の印象やよかった点をフィードバックいたします。
履歴書や面接に自信のない方も、マイナビエージェントをご検討ください。
転職全般
転職の面接で失敗しない髪色とは?染める際の注意点とヘアセットのポイントも
転職全般
マーケティングの仕事内容とは?やりがいや向いている人の特徴を解説!
転職全般
転職活動に最適な時期は何月?ケース別の時期や採用動向を解説