更新日:2021/12/27
憧れの管理職になれたのに一般社員の頃よりも仕事がつらく、「こんなはずではなかった」と思ってしまう方は少なくないようです。また、一般社員であれば先輩社員や同僚などに愚痴をこぼしながら気軽に話すことができたのに、管理職になり立場が変わると愚痴を話せる相手が少なくなり、一人でストレスを抱えてしまうという方もいます。
本記事では、管理職がなぜつらいと感じるのか、その理由や解決策をご紹介します。
目次
管理職になりたての人は慣れないマネジメント業務につらさを感じやすいものですが、ベテラン管理職の場合は別の理由でつらさを感じているようです。
ここでは、なぜ管理職がつらいと感じるのか、その要因を3つご紹介します。
1つ目は、いわゆるプレイングマネージャーになってしまっているためです。本来、マネージャーである管理職は部下のマネジメントのみをおこないますが、プレイングマネージャーは部下のマネジメントと並行して一般社員の業務もこなす、いわば『選手兼任監督』のような存在となります。
あえてプレイングマネージャーでありたいと考える管理職もいますが、管理職に専念したいのにプレイングマネージャーになってしまう場合はストレスを抱えてしまいやすいでしょう。
管理職がプレイングマネージャーにならざるを得ない状況の背景には、部署内やチームの業務量の多さに対してリソースが不足している、部下の力量が追いついていないなどの理由があるようです。
働き方改革の推進が管理職の負担を増加させている一面もあります。
働き方改革によって、就業時間の制限や残業削減など、一般社員の労働時間削減が企業に求められています。しかし、就業時間中に終わらなかった部下の業務を管理職が代行する、新たな業務を部下に依頼できないなどの理由により、管理職にしわ寄せが来ている実態があるようです。
仕事の悩みを相談しづらい点も管理職がつらさを抱えてしまう要因の一つです。昇進する前であれば先輩や同僚に相談することができていたのに、上司と部下の関係になると、相談をすることで、上司としての評価が下がってしまうのではないかと考えてしまう方もいるようです。
また、中間管理職の場合は部下と上司の板挟みになることがあります。会社の方針や上司の言い分は理想として理解できるものの、実態を知っている部下たちの言い分も理解できるため、折り合いをつけるのに苦労することも多いのです。
つらいと思いながら管理職を続けていくとパフォーマンスが下がってしまいます。また、「我慢」はさらにパフォーマンスを下げる要因ともなります。
では、管理職がつらいと思った場合にはどう対処したらいいのでしょうか。
まず、業務量の調整を上司に相談してみましょう。相談する業務量はチームの業務量と管理職としての業務量を両方とも提示することをおすすめします。
チームの業務量を提示することで、チーム構成員のキャパシティーに対して管理職であるあなたにどれだけしわ寄せが来ているかを定量的に提示できます。また、あなたの管理職としての業務を提示することで、どの部分を上司にお願いしたいのか、人員追加が必要なのかなどの改善点が可視化できます。
業務量の調整ができず管理職を継続することがむずかしい場合、公的な相談窓口の利用もおすすめです。
会社や労働組合に相談窓口がない、相談しても取り合ってくれないなどの場合は、総合労働相談コーナーや「こころの耳(働く人のメンタルヘルス相談)」など厚生労働省の窓口への相談が可能です。総合労働相談コーナーでは、労働問題に関するあらゆる分野について専門の相談員に面談あるいは電話で相談ができます。
会社の労働組合や相談窓口だと自分に不利益があるのではという懸念から、なかなか相談ができない方もいるかもしれません。
しかし、公的相談窓口ではプライバシーが守られるため、公的な相談窓口を利用したと会社に知られることはありません。また、対面相談に抵抗がある場合は電話相談にも対応しているので、自分の要望にあった相談方法を選択できます。
さまざまな試みによっても改善が見込めない場合は転職を検討するのも一つの手段です。
マネージャー職を解いてもらう選択肢もありますが、その後の社内キャリアに影響が出てしまいます。ただし、転職先でも昇格する可能性がありますので、もしプレイヤーであり続けたいのであれば転職時ではその旨を伝えておきましょう。
また、管理職の業務内容は職場によって異なるため、転職先で管理職に再度チャレンジするという選択肢もあります。
管理職に限らず、仕事でパフォーマンスを上げるためにはメリハリをつけて働くことが重要です。帰宅後や休日などプライベートの時間にも仕事に関する考え事や悩み事をしていては、きちんと疲れをとることができません。好きなことに没頭できれば、仕事の悩みを忘れることができます。英気を養うためにも自分が楽しいと感じる趣味を見つけ、息抜きの時間を設けましょう。
20~30分程度身体を動かすのも息抜きに最適です。ジョギングやウォーキングなど軽い運動でもいいので、日光をしっかり浴び、頭の中をすっきりさせましょう。
最近はリモートワークの推進などで仕事にメリハリをつけるのが特に難しくなっています。在宅の場合には、仕事の合間に家事をしたり打ち合わせの合間に簡単なストレッチをしたりして体を動かすこともおすすめです。
オンオフの切り替えがむずかしい環境の時こそ、常に仕事に対峙するのではなく意識的に楽しめる時間を設けるように過ごしましょう。
管理職は責任ある立場ゆえ、つらくとも自分を押し殺してしまいがちです。周りに迷惑をかけないように頑張りすぎてしまったがために身体や心が不調になっては本末転倒です。
心身の健康を損なうほど管理職がつらいと感じた場合は、家族や友人など身近な人、カウンセラー、相談窓口などに早めに相談をしましょう。
根本的な解決が難しくとも、話すだけで気が楽になることがあります。無理をせずに人に頼る道を選ぶようにしてください。
管理職はプレイヤー時代よりも業務量が格段に増えてしまい、かつ立場の強さから職場内で相談できず、知らず知らずのうちにストレスを溜めてしまいがちです。ストレスが溜まっていると感じたら、ここで紹介した方法を参考にしながら、自分自身を追い込まないための対策を取ってみましょう。
強い責任感を持ち真剣に仕事に打ち込む人ほど、つらさやストレスを感じてしまいがちです。時には自分を解放しながら、長く健康的に管理職を続けられる環境作りにぜひ取り組んでみてください。
転職全般
事務職の転職理由や志望動機はどう書く?ポイントや盛り込みたい内容を解説
転職全般
入社5年目での転職|メリット・デメリットや成功のポイントを詳しく解説
転職全般
仕事と子育ての両立は難しい?成功させるポイントやおすすめの仕事を紹介