更新日:2021/08/27
外資系企業への転職を検討する際、日本企業との違いは非常に気になるポイントではないでしょうか。
外資系企業への転職では、求められるスキルや重視される能力が日本企業とは異なる場合があります。
日本企業のみで働いてきた方は、まずは外資系企業の特徴について知ることが必要です。
今回は、外資系企業特有の仕事内容や求められる人材像、転職を成功させるためのポイントなどについて解説します。
目次
あらためて「外資系企業とはどういうものか」と問われると、すぐに答えが浮かばない人がほとんどではないでしょうか。
外資系企業の仕事内容などを説明するにあたって、まずは「外資系企業とはどのようなものか」について知っておきましょう。
外資系企業とは、日本国内に存在する会社の中で、外国企業または外国人投資家が一定以上の出資をしている企業のことです。
外資系企業は大きく分けて以下の3種類があります。
ひとつ目は外国企業が100%出資している子会社であり、日本にありながらも資本や経営の主導権を持つのは外国企業です。
社内の雰囲気などにおいて本国の文化を強く反映している傾向があります。
2つ目の場合、日本企業は国内市場に関する情報やブランドイメージを、外資系企業は資金力や経営ノウハウをそれぞれ提供することを条件にしてお互いに出資するというパターンが多いようです。
一般的に、外国の企業の出資比率のほうが高い場合に外資系企業と呼ばれます。
3つ目は、経営危機に陥った日本企業が立て直しを図るために外資を受け入れるケースなどです。
元々ある日本企業を外国企業が買収するなどして、資本が外資となった企業がこれに当たります。
日本に進出している外資系企業のジャンルとしては
などが代表的です。
IT系では、SNSや検索システムに代表されるようなWebサービスの開発を手がける企業から、法人向けのシステムを開発などあらゆる業種の企業が日本に進出しています。
金融系は、保険会社や投資銀行、証券会社などの種類があり、その他の外資系業種の会社に比べても給与水準が高い傾向です。
世界的にも広く知られるような大手の外資系金融会社では、20代や30代で年収が1,000万円を超えることも珍しくありません。
法人向けに経営戦略やマーケティングに関する助言を提供するのがコンサルティング会社で、専門的な知識やグローバルな視野が要求される業種です。
また、従来の紙広告・テレビ広告をはじめとした媒体のほか、Web広告のマーケットが拡大していることに伴い、Webマーケティングを手がける外資系の広告代理店の日本参入が増えています。
外資系企業の中にもさまざまな業種があります。
一口に外資系企業といっても、業種や出資元の国籍ごとに企業文化や経営スタイル、求める人物像は大きく異なるでしょう。
ここでは、外資系企業の仕事内容の特徴について、業種ごとに解説します。
ITは近年成長が著しい分野ということもあり、早いスピードで変化する環境への適応力が求められます。
業界的に創立年数の若い会社が多いということもあり、従業員の平均年齢も比較的若く、中途でも若年層の採用に積極的な傾向があるようです。
入社後も、IT分野に関する専門的な知識を高めていくことが求められます。
さらに昇進してマネジメントの役割を担う際には、プロジェクト推進のためにIT技術に長けた専門家たちをまとめていくという「プロジェクトマネジメント」のスキルも身につける必要があるでしょう。
その他外資系のIT企業にみられる特徴としては、労働時間にフレックスタイム制を採用しているケースや、リモートワーク制度を採用しているケースが多くみられます。
総じて、「自由な働き方」を推進する風土といえるでしょう。
外資系金融は、他業種と比較しても給与水準が高いのが特徴です。
他業種の外資系企業では業務がほぼ日本市場に限定されている会社も多くありますが、金融系は海外とのつながりがより強い傾向があります。
外国人社員の割合が高く、日々の業務についても海外市場からの影響を強く受ける業界といえるでしょう。
そのため、外資系金融企業においては語学力や外国人を相手にしたコミュニケーション能力、海外の文化に対する適応力についても高い水準が要求されます。
このような能力に長けていて、なおかつ業務における実績が認められれば、年齢が若くても昇進や昇給が早く、日々の業務の成果次第で待遇がダイナミックに変動するのが特徴です。
外資系コンサルは、経営戦略の助言に特化した「戦略系コンサルティングファーム」と、経営戦略以外にもITや財務・業務改善などのさまざまな分野でのアドバイザリーを手がける「総合系コンサルティングファーム」に分けられます。
戦略系のファームにおいては、クライアントの企業が抱える課題に対して意思決定と経営判断に関してアドバイスする立場なので、高度な思考力が必要です。
こうしたことから、選考時に学歴を重視する傾向が比較的強いといえるでしょう。
一方で、総合系のファームは、経営戦略以外にITや財務、業務改善に関するアドバイザリー部門を備えています。
これらのアドバイザリー部門においては、戦略系のファームほど思考力への要求水準が高くないものの、各分野に関する専門知識が必要です。
外資系広告代理店における主な職種は
などです。
基本的には日本国内の消費者を相手にするため、語学力への要求はさほど高くない傾向がありますが、広告主がグローバル企業の場合など英語でのやり取りや提案が必要なこともあるでしょう。
特に必要とされる能力はコミュニケーション能力やプレゼンテーション能力などです。
特にプレゼンテーション能力は、クライアントへの提案のほか、社内での企画発表や打ち合わせをする際に重視されます。
さらに、デジタルマーケティングの部署においてはWeb分野に関する知見や、マーケティングに関するノウハウなどの専門的知識が求められるでしょう。
外資系企業は、日本企業に比べてスピーディーに経営判断を下す傾向があります。
従業員は、マネジメントの判断に基づいて迅速に任務を遂行することが求められるでしょう。
「石橋を叩いて渡る」という慎重な姿勢よりも、むしろ素早く判断・行動し、早く成果を出すための仕事術が好まれる傾向にあります。
具体的には「業務遂行において必要な情報をシンプル化してインプットする」ことと「具体的な終着点を明確にして取り組む」ことが重要です。
日本では「情報量は多いほどよい」と考えて、資料などに必要以上の情報を詰め込みやすい傾向があります。
しかし、必要以上の情報は必ずしも良質な判断に貢献しません。
外資系企業では、達成すべき目標に対しての最短ルートを計算し、業務の効率化を図りながら確実に結果を出すという仕事の仕方が歓迎されるでしょう。
外資系企業と日本企業では文化や価値観が異なるため、社内での評価においても日本企業とは異なる基準で判断されます。
外資系企業の中で活躍し、社内で高い評価を受けるためには、外資系企業が人材に求める要素について理解を深めることが大切です。
日本では、自己主張を控え、周囲と強調しつつ"縁の下の力持ち"としての役割を全うすることが美徳とされる傾向があります。
一方、外資系企業では自己の考えを強く発信することを心がけないと、意見が弱い人あるいは業務に対して消極的な人という評価をされがちです。
外資系企業では、自分自身の考えを堂々と発表する力が重要といえるでしょう。
日本企業においては実績を出すことと同等、もしくはそれ以上に、資格や学歴・年齢・人格やその他のポテンシャルや、勤務態度などに着目した人事評価が行われる傾向があります。
これに対して、外資系企業はより成果を重視する風土です。
不利な状況下においてもコンスタントに結果を出す力が必要となるでしょう。
外資系企業においては精神的プレッシャーの強い業務が多く、メンタルタフネス(精神力)が必要です。
強い精神的負荷に耐えながらも、業務上の目標を冷静に意識しつつ、着実に業務を進めて成果に結びつけることが求められます。
外資系企業では、国籍や職能・価値観などのバックボーンがそれぞれ異なるメンバーとともに働く必要があります。
したがって、異なる文化をもつほかのメンバーとの間にチームワークを築き、ともに成果を出していく柔軟性が必須のスキルです。
「アピールする力」にも通じる要素ですが、リスクを伴う困難な業務にも積極的にチャレンジし、業務上の課題をクリアしていく行動力が要求されます。
行動量を増やすだけでなく、行動を具体的な成果に結びつける力量も必要です。
外資系企業は社内での評価システムのみならず、採用時の基準についても日本企業とは大きく異なる点があります。
転職を検討する際は、日本企業との違いを知っておく必要があるでしょう。
ここでは、外資系企業内で評価されるための要素とともに、採用時に押さえておきたい転職成功のポイントについて解説します。
外資系企業は一般的に年功序列の傾向が弱く、たとえ年齢が若くても実力の優れた人材を高いポジションへつける傾向があります。
日本企業への転職においても同様ですが、ハードワークやスピーディーな行動が求められる外資系企業においては特に、若さも大切な要素です。
目安としては、35歳~40歳を越えると転職する際のハードルが徐々に高くなると考えてよいでしょう。
40歳以上の転職では、エグゼクティブクラスのヘッドハンティングというケースが多いようです。
この場合、マネジメントの経験値や大型プロジェクトの成功などといった経歴とスキルが大きなポイントとなります。
外資系企業には、さまざまな部署をジョブローテーションしながら総合的能力を養うという、日本企業の総合職育成にみられるようなゼネラリスト志向はあまりありません。
ひとつの専門分野において深い知見と豊富な経験をもつスペシャリストを尊重する風土です。
また、外資系企業は新卒採用をすることが少なく、即戦力となる人材が求められます。
転職にあたっては、入社してすぐに成果を上げられるような専門分野を持っておく必要があるでしょう。
外資系企業であれば、高い英語力をもつことは非常に重要です。
社内の外国人とのコミュニケーションのほか、会議が英語で行われることも多くあります。
さらに、業務上必要な情報収集を英語で行う機会も多く発生するため、英語力は対人コミュニケーションだけでなく業務上のさまざまなシーンで必要です。
外資系企業での勤務にはメリットとデメリットの両面があります。
外資系企業への転職活動を本格的に始める前に、外資系企業の長所と短所を理解しておくことが大切です。
ここで解説するメリットとデメリットをもとに、自分自身が外資系企業の風土に合っているか、本当に転職すべきかどうか検討しましょう。
外資系企業で働くメリットとしては、主に以下の点が挙げられます。
給与水準が高いことは、外資系企業の大きなメリットのひとつでしょう。
成果主義の傾向が強いため実力が評価されやすく、能力しだいで報酬が大幅に増える可能性があるのも魅力です。
業務においてはスピード感があり、日本企業と比べ意思決定が迅速なのが特徴といえます。
個人の裁量も大きい傾向があるので、達成感が得られるでしょう。
また、ワークライフバランスが重んじられる風土のため、比較的有給休暇を取得しやすい傾向があります。
日本企業と比べ仕事とプライベートを切り離して考える文化があるため、人間関係がドライでフラットであることも特徴です。
外資系企業で働くデメリットは、以下のような点です。
成果を出せば給与が上がりやすいというメリットがある反面、成果が出せなければ減給につながる可能性も十分にあり、場合によっては解雇されることもあります。
このような扱いは日本企業においては少なく、まさに外資系企業の特徴的な一面ともいえるでしょう。
外資系企業は入社してすぐの人材にも即戦力となることを要求する傾向があります。
入社後は業務上で分からないことがあったとしても、周囲に聞きづらく、日本企業で働いた経験しかない転職者にとってはストレスを感じやすいポイントとなるようです。
外資系企業への転職を経験したことがない人にとって、いざ転職活動に踏み出すとなるとさまざまな不安が生じるのではないでしょうか。
転職活動に際しては、非公開求人情報やサポート体制が充実している転職エージェントの活用がおすすめです。
また、企業によっては英語面接があるなど、日本企業とは採用基準が異なる点が多々あります。
専門知識や情報量が豊かな転職エージェントが非常に心強い味方となるでしょう。
外資系企業といっても、業種や本拠地がどの国かによってその特徴は異なり、面接のスタイルをはじめとした採用方法や採用基準もさまざまです。
とはいえ、一般的には外資系企業は日本企業と比べ成果主義の考え方が強く、結果を出しつづける能力やメンタルの強さが求められるでしょう。
外資系企業は給与水準が高く、実力が認められやすいなどのメリットもありますが、即戦力を重視されることによる厳しさもあります。
転職を検討する際には、志望する業種や企業の詳細な情報を集めたり、自身の転職における優先事項を整理したりすることが大切です。
マイナビエージェントでは、転職のためのノウハウを熟知したキャリアアドバイザーが一人ひとりの状況を丁寧にヒアリングし、転職活動をサポートいたします。
まずは無料登録をして、お気軽にご相談ください。
転職全般
事務職の転職理由や志望動機はどう書く?ポイントや盛り込みたい内容を解説
転職全般
入社5年目での転職|メリット・デメリットや成功のポイントを詳しく解説
転職全般
仕事と子育ての両立は難しい?成功させるポイントやおすすめの仕事を紹介