更新日:2021/08/22
外資系IT企業について「実力主義」「英語が必須」といったイメージをお持ちの方が多いのではないでしょうか。
外資系IT企業では英語力以外のスキルが評価されることや、実力主義だけではない、ワークライフバランスに配慮された会社が多いという実情もあります。
そこでこの記事では、外資系IT企業の特徴や転職を成功させるポイントなどについて詳しく解説していきます。
転職を成功させるためにも、外資系IT企業が自分の価値観とマッチしているかを考えてみましょう。
目次
外資系企業とは、「海外企業の国内子会社や日本支社」「海外企業が50%以上出資して日本企業と共同設立した会社」「海外企業に買収された日本企業」のいずれかを指すことが一般的です。
外資系IT企業の特徴を大きく分けると以下の4種類に分類できます。
「メーカー」は、海外製のソフトウエアやハードウエアを日本向けにカスタマイズし、国内で展開することを主な事業としています。
「ベンダー」は、海外製のシステムや機器などを日本向けにカスタマイズし、販売する業種です。
「Webサービス」は、普段の生活の中で接する機会が多いWebサービスを提供しています。
「コンサルティングファーム」は業務改革や戦略立案を担う業種で、中立性や独立性を持って事業戦略を行うのが特徴です。
ひとくちに外資系IT企業といっても、その社内にはさまざまな職種があります。
外資系IT企業では実務経験が重視される傾向にあるため、転職する前にこれまで培ったキャリアとの親和性や関連性をしっかりと把握しておくことが大切です。
ここでは外資系IT企業で求められる主な職種と、その仕事内容や必要なスキルについて解説します。
ITエンジニアは、外資系IT企業におけるバックオフィス業務です。
システムエンジニアやセキュリティーエンジニア、ネットワークエンジニアなどが挙げられます。
中でもシステムエンジニアは、クライアントの要求を分析し、プログラミングやテストまでをトータルで行う職種です。
Webサービス関連企業での経験や、外部APIを使った開発経験などが要求されます。
Webシステムやアプリの設計、開発などを行うのがWebエンジニアの仕事です。
チームをまとめてクライアントの課題をクリアしていくリーダーシップも求められます。
務経験3年以上を条件とする企業も多い職種で、最新スキルに関する知識の有無やこれまでのアプリサービス制作実績などが採用の基準となる場合もあります。
外資系IT企業では、プロジェクトごとに業務を進めるのが基本です。
プロジェクトマネージャーの職務は、プロジェクトの統括です。
チームを統率するスキルやコンサルティング力のほか、システムの設計・開発などに関する幅広い経験が必要となります。
PMPの資格を取得すると転職活動に有利です。
ITコンサルタントは、クライアントにとって最適なITソリューションの提案やシステム構築などを行う職種です。
高い問題解決能力や論理的思考力が求められます。
また、インフラやシステム上で起こる問題・課題をクリアしていく視野が必要とされるため、エンジニアとしての知識も必須となります。
オフィス系スタッフとは、一般事務や営業事務のことです。
電話対応や在庫管理、出荷処理などを行う仕事ではありますが、ITの知識も求められる場合があります。
企業によっては、プロジェクトマネジメント経験やSAPの使用経験が問われる場合もあり、IT業界出身の方が転職しやすい職種といえるでしょう。
では実際に外資系IT企業への転職を成功させるためには、どのようなポイントに気をつけるとよいのでしょうか。
ここでは「実務経験や専門性の大切さ」と「転職が有利になる年齢」について具体的に解説していきます。
外資系IT企業では、それまでの実務経験とスキルの専門性が重視される傾向にあります。
転職を考える際には、まず自身の職歴を整理し、得意分野や希望の条件などを書き出してみましょう。
また、外資系企業には日本の企業よりも自主性が求められる傾向があるため、自分の得意分野については積極的にアピールすることが大切です。
スキルの専門性をアピールする場合は、LPICやシスコ技術者認定など、国際的な資格を取得しておくと役に立ちます。
このような資格の最上位もしくは2番目程度のランクを取得しておくのがおすすめです。
外資系IT会社への転職で20代、30代が有利とされる理由には、以下の点が挙げられるでしょう。
まず、外資系IT企業は労働時間が長くハードワークになりやすいという特徴があります。
プロジェクトの期限内にクオリティーの高い内容が求められたり、クライアントとの調整などに時間がかかったりと拘束時間が長いため、ハードワークに耐えられる体力が必要です。
つぎに、能力の習得速度が挙げられます。
外資系IT企業では業界の速い動きにあわせ、最新のテクノロジーやノウハウを習得し続けなければなりません。
そのため吸収力が高いと予想される20代、30代が有利な傾向にあります。
実力主義の外資系IT企業では、自己主張できるコミュニケーション能力はもちろん、自己研鑽を怠ることなく常に知識を更新し続け、成長していく意欲が必要です。
すべての社員に即戦力が求められます。
ここでは外資系IT企業へ転職することで感じられるメリットをみていきましょう。
技術の進歩が非常に速いIT業界では、新しいテクノロジーが途絶えることなく開発されており、IoTやAI、ビッグデータなど最新のテクノロジーのほとんどは、アメリカ合衆国を本拠地とする企業で生み出される傾向があります。
今後のスキルアップに役立つような、世界最先端のITスキルを習得できることはメリットといえるでしょう。
今後、注目されるスキルとしてIT業界では、企業が膨大に蓄積しているデータを活用するスキルやセキュリティーの強化スキルなどが注目されており、外資系IT企業ではこうした最先端の技術に触れられる可能性があります。
IT業界に限らず、外資系の企業はグローバルな環境下での仕事となります。
世界中から優秀な人材が集まる外資系企業では、日系企業に多い年功序列の風習はあまりみられません。
一人ひとりの能力や成果を評価する成果主義の企業が多いため、年齢や性別に影響を受けることは少なく、実力次第でだれにでも活躍できるチャンスがあります。
多くの外資系IT企業では、システムなどの開発だけにとどまらず、マーケティングやコンサルティングまでを包括的に行っています。
そのため、エンジニアなどの現場経験をもとにしてさらに上位の職種にも挑戦しやすいのも特徴のひとつです。
特に、プロジェクトのリーダーやマネージャーとしての経験を積むことで、マーケティングやコンサルティングなどの上位職種へのステップアップが目指しやすくなるでしょう。
現場経験を生かすことでキャリアアップ後もスムーズに業務を進めることができ、収入の増加も期待できます。
5年もすれば業界全体が大きく変わるといわれるほど、トレンドの移り変わりが激しいのがIT業界の特徴です。
エンジニアに関していえば、使用される言語はどんどん新しくなっており、近年ではPHPなどのWeb系言語に関する知識が特に求められています。
トレンドに振り回されることなく、どのような技術・分野がこれから成長していくのかを予測して、それに適したスキルや技術を磨き続けていかなければなりません。
世界中から人材が集まる外資系IT企業では、社内のミーティングやクライアントとの交渉などで共通言語として英語を使う場面があるかもしれません。
では、どれほどの英語スキルが必要となるのでしょうか。
ここでは「プログラマー・エンジニア系」と「プロジェクトリーダー・マネージャー」に分けて解説していきます。
プログラマーやシステムエンジニア、Webエンジニアといった職種の場合、高い英語力を求められることは少ない傾向にあります。
プログラムを作成することが主な業務で、実際にコミュニケーションをとる相手は日本人であることが多いためです。
しかし、職場内には外国語を話す同僚が勤めていたり、作成しているプログラム内に英単語が出てきたりということは想定できますので、日常会話程度の英語スキルがあると、より仕事をスムーズに進められるでしょう。
プロジェクトリーダーやマネージャーといった上位職になると、現場を代表して上司や取引先とコミュニケーションをとる機会も増えるため、英語を必要とするシーンは多くなります。
外資系IT企業では上司が外国人であるケースが多く、報告書の作成をはじめ、口頭での説明や相談などの際には英語の対応が求められるからです。
また、企画職やコンサルタントになると、外国人クライアントと交渉することが多いため、より高度な英語スキルが必要となります。
外資系IT企業が求める人材とは一体どのようなものなのでしょうか。
外資系IT企業で働くには、スキルや知識のほかに仕事をしていくうえで欠かせない資質が求められます。
ここからは、外資系IT企業に向いている人の特徴をピックアップしていきますので、転職を考える際の参考にしてみてください。
外資系企業では自己発信できるスキルが大切で、自分の意見を気おくれすることなく相手に伝えることが求められます。
特に外資系IT企業は変化の多い職場であり、海外に本社が置かれている場合も多いため、自分がいま置かれている状況や日本国内の市場動向などを的確に説明できる能力が必要です。
「論理的に意見をはっきりと述べる」「英語で発言する」を心得ておくとよいでしょう。
自分の存在感を明確に出していくことは、外資系IT企業で働くにあたって重要なポイントです。
外資系IT企業の場合、部門ごとの独立性が強いという特徴を持っています。
そのため、他部署とのコミュニケーションが重要になります。
異なる部署の人間とも柔軟な発想を持って話し合い、協力関係を築く姿勢が大切です。
特に本社外国人スタッフとのミーティングでは、論理的なコミュニケーション能力が求められます。
マネージャーなどの立場であればクライアントとのミーティングに同席する場合もあるため、TOEICスコア700点以上程度の英語力は身につけておくとよいでしょう。
外資系IT企業では、問題が発生した際にフレキシブルに対応できる能力が求められます。
日本で起きた問題であれば情報がすぐに伝わりますが、海外からの情報は時差の関係でやや遅れて自分の部署に伝わることがあります。
問題が起きてからの対処ではなく、あらかじめ問題に対する対処能力を備えておくことが必要です。
絶え間なく変化する市場や技術の進歩にあわせて、積極的に業界動向を把握し、知識を更新していくことも要求されます。
外資系IT企業は自分の意見を発信する自主性や、状況に応じてフレキシブルに対応する力を求められます。
選ぶ職種によって、重要視されるスキルは異なるため、まずは転職にあたって自分のスキルや経歴の棚卸しをしておくとよいでしょう。
転職活動を成功させるためには、外資系企業・国内企業にかかわらず、自分に合った職場環境や自身が求める希望条件などを整理して、広い視野で求人情報を集めることが大切です。
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