更新日:2022/08/22
この記事のまとめ
35歳を過ぎてから転職を考えたときに、「年齢が転職の妨げになるのでは」と不安に感じる方もいるのではないでしょうか。一定の年齢や経験を積んでからの転職活動は、若手とは異なるポイントを意識しながら進める必要があります。
そこでこの記事では、35歳以上の転職が難しいといわれる理由や、転職成功率を高めるポイントについてご紹介します。これから転職活動を始める方や、なかなか採用が決まらないと悩んでいる方は、ぜひ参考にしてみてください。
目次
「35歳転職限界説」という話があるように、年齢は少なからず転職に影響を与えます。実際に「35歳を過ぎてから転職活動がスムーズに進まなくなった」と感じている方もいるのではないでしょうか。では、なぜ35歳が転職の分岐点になり得るのか、その理由を詳しく解説します。
多くの企業は、ピラミッドのような三角形の組織図で表せる「ピラミッド型組織」になっています。ピラミッド型組織の一番下の階層は、新卒入社1年目から役職を持たない30代前半の従業員で占められているのが一般的です。このような組織体制では、年齢や役職の階級が上がるほど、同じポジションにつける人数は減少します。
そのため、一般的な従業員として中途採用するなら35歳ぐらいまでと考える企業が大半を占めており、年齢が上がれば上がるほど転職も困難になる傾向があります。
20代であれば、経験やスキルを問わないポテンシャル採用も多くみられます。しかし30代後半での転職となると、マネジメントの経験や専門スキルといった高い能力を求める、キャリア重視の採用を行う企業が少なくありません。
このように、年齢が高まることにより採用要件が難しくなることも、35歳を過ぎると転職が難しいといわれる要因のひとつといえるでしょう。
フットワークが軽く育てやすい若手メンバーと比較して、採用コストが高くなりがちな中核クラスの人材の採用には、企業側も慎重になる傾向があります。目立った実績や高い専門スキルを持ち合わせていなければ、年齢重視で若手の採用を優先するケースも珍しくありません。
35歳を過ぎてからの転職では、高額な年収に見合うだけの人材かどうかを、企業側がじっくりと見極めたうえで合否判定が行われることを覚えておきましょう。
企業側にとってメリットとなる実績や経験があっても、プライドが高すぎると企業に馴染めないのではないかと懸念されかねません。入社後すぐ即戦力になれる社会人としての経験やスキルがあることは、本来であれば企業側にとってもメリットです。
しかし、経験を積んでいることにより「過去に固執し過ぎて、環境の変化に柔軟に対応できないのでは」とマイナスイメージを与えてしまうこともあります。35歳を過ぎてからの転職は、自身のアピール方法も工夫する必要があるでしょう。
35歳を過ぎると転職が難しくなるといわれる理由は、企業側の要因だけではありません。「これまでの経験やスキルを活かせる転職先を探したい」「いまの給与水準をキープしたまま転職したい」など、求職者側のこだわりが多くなることも要因のひとつです。条件が増えれば増えるほど選択肢は狭まり、転職活動がスムーズに進まなくなる可能性が高まります。
35歳を過ぎてから転職を希望するなら、転職成功率を高めるために覚えておきたい5つのポイントがあります。理想とする企業への転職が実現するよう、転職を考えている方や「何社も応募しているのになかなか採用されない」とお悩みの方は、ぜひ参考にしてみてください。
これまでの経験の有無に捉われ過ぎず、前職とは異なる業種や職種まで選択肢を広げてみるのもよいでしょう。異なる業界への転職はハードルが上がりますが、「周囲と協働する力」「課題を解決していく力」「学び続ける力」など、これまで積み上げてきたスキルや経験が活かせることがあります。
前職と応募先企業との接点や共通項を見つけて、具体的なアピールポイントを伝えられれば、転職成功率も必然と高まるでしょう。
「欠員補充による即戦力人材の獲得」「新規事業立ち上げに伴う管理職候補の募集」など、企業が中途採用を行う理由や背景を事前にきちんと確認しましょう。実績や経験が豊富でも、企業が求めている人材とマッチしなければ、採用にはつながりません。
必要なスキルだけでなく、企業側がどのような人材を求めているのかを事前に把握しておくことで、適切なアピールができます。企業が求める人材とマッチすれば、社会人としての経験も強みとなり、希望に合った転職へと結びつくでしょう。
20代での転職とは異なり、35歳を過ぎてからの転職では、チームをまとめる能力や若手を育成する力も問われます。管理職候補としての転職であれば、なおさらです。
現時点でマネジメント経験が乏しいのであれば、いまから意識して実績を作っていきましょう。新プロジェクトのリーダーに立候補したり、後輩のケアを率先して行ったりと、日ごろから意識してマネジメントスキルを身につける努力をすることが転職成功への近道といえます。
転職後に新たな企業で何がしたいかだけでなく、長期的なキャリアビジョンを描くことも重要です。5年後・10年後の自分自身のポジションや目標まで、思い描いてみましょう。
将来設計は仕事だけでなく、結婚や子育てといったプライベートのビジョンも併せて考えるのがおすすめです。より具体的な計画を立てることで、転職先に求める条件や、いまやるべきことが見えてくるでしょう。
転職成功率を上げるには、採用担当者の目に留まる魅力的な職務経歴書の作成が必要不可欠です。どれほど高い専門スキルを持っていたとしても、内容がしっかりと担当者に伝わらなければ意味がありません。見やすいレイアウトかつアピールポイントが伝わる職務経歴書が作成できれば、次のステップへとつながる可能性も高まります。
また、応募する企業ごとに記載内容を変えることも重要なポイントです。各企業が求めている人物像を理解し、興味を持ってもらえるエピソードを添えるとよいでしょう。
35歳を過ぎて未経験の職種への転職を考えたときに、「希望する企業への転職はできるのだろうか」と悩む方も少なくありません。ここでは前職とは異なる業種や職種への転職を希望する方に向けて、異業種への転職の実態や押さえておきたいポイントを解説します。
若者の需要が多い転職市場では、35歳を過ぎると経験を積んだ職種への転職でもハードルが高い傾向が見られます。しかし未経験職種へは転職できないというわけではありません。
専門知識がなかったり経験が不足していたりといった不利になる面も少なからずあります。しかし、いままで培ってきた経験やスキルが専門知識よりも優れていると認められれば、希望する企業へ転職できる可能性も高まるでしょう。
業種や職種に関係なく活かせるポータブルスキルに優れている人材は、たとえ未経験者であっても一定の評価を得られるでしょう。ポータブルスキルには、コミュニケーション能力やマネジメント能力、交渉力や課題解決力などが含まれます。
未経験職種へ転職する場合、専門的な知識やスキル部分で経験者と競うのはハードルが高いかもしれません。その場合、いままで培ったポータブルスキルをアピールするのがおすすめです。
経験者を優遇する企業は数多くありますが、経験・未経験よりも「求めている人物像により近い人材を採用したい」と考える企業も少なくありません。管理職として積み上げてきたマネジメントスキルや、営業経験で培ってきたコミュニケーション能力などは、どのような職種であっても活かせます。
企業が求めている人物像をよく理解し、マッチング度の高さをアピールできれば、選考で有利に立ち回れるでしょう。
35歳を過ぎての転職はハードルが上がることも事実ですが、人柄を重視したり年齢にこだわらない採用を行っていたりする企業も多くあります。比較的転職しやすいとされるのは、小規模の会社やベンチャー企業などです。ひとつずつ解説しますので、今後の転職先探しの参考にしてみてください。
大手企業に比べてライバルが少ない小規模の会社は、未経験であっても比較的転職しやすい傾向があります。企業側が求めるスキルや経験がある場合に限らず、即戦力になれるスキルがない場合であっても、採用担当者に人柄や熱意が伝われば採用への期待が高まるでしょう。
実力重視のベンチャー企業はニーズに合ったスキルや経験があれば、比較的年齢にこだわらない選考を行うのも特徴です。年功序列型の企業への転職が難しくなる35歳以上であっても、即戦力としての活躍が期待できる人材であれば、年齢に関係なく採用されます。応募前に社風や採用実績などもきちんとチェックしておくことで、よりスムーズに転職活動を進められるでしょう。
一般的に35歳は転職活動におけるひとつの壁といわれていますが、転職が難しくなる年齢は職種によっても違います。たとえば学歴や経歴重視が重視されやすいコンサルタントは、未経験者の採用は大半が20代です。年齢が上がるにしたがって、求められるスキルや実績も増えるため、未経験者が35歳を過ぎてからの転職は難しいといえるでしょう。
一方、実力重視のITエンジニア職などは、キャリアアップのための転職であれば、35歳以上でも比較的転職しやすい特徴があります。遅くとも30代後半までにはある程度のキャリアを積む必要があるため、それまでにできるだけ多くの経験をしておくとよいでしょう。
ほかにも、営業職のように人柄やコミュニケーション能力といった適正があれば年齢や経験を問わず採用される職種や、介護職のように基本的に年齢制限なく転職できる職種もあります。
厚生労働省が行った調査では、55歳以上を除く各年齢階級で、転職後の賃金が前職よりも増加した人が減少した人を上回りました。この結果から、35歳以上の転職であっても年収アップが期待できることが分かります。
しかし転職先の環境によっては、年収が一時的にダウンする可能性も忘れてはいけません。特に未経験の職種への転職の場合には、大幅に収入が減ることも考えられます。まずは生活に必要な最低金額を割り出し、希望条件に加えておきましょう。
・参照
令和3年上半期雇用動向調査(転職入職者の状況)|厚生労働省
転職に成功しても、新たな職場での日々に苦痛を感じたりすぐに退職してしまったりしては意味がありません。成功率を高めるためだけでなく失敗しないためにも、転職活動を始める前に注意すべきポイントを確認しておきましょう。ここでは3つの注意点について、詳しく解説します。
転職活動を始める前に、まずは転職の目的を明確にしておきましょう。キャリアチェンジや新たな分野にチャレンジしたいのであれば、部署異動や副業で実現できることもあります。目的が曖昧なまま転職をしても、また同じような悩みに陥る危険性を忘れてはいけません。
また、面接で転職理由をはっきりと答えられなければ、面接官の印象を悪くしてしまうこともあります。自分自身としっかりと向き合い、なぜ転職したいと思ったのかをきちんと整理しておきましょう。
転職には、一時的な年収の減少やポジションの変化、またライフスタイルの変化といったリスクが伴います。転職しないでいまの会社に在籍し続けたほうが、安定した給与や立場が保障される未来が待っているかもしれません。
もしリスクを考えて迷うようであれば、転職後に後悔する可能性があります。考えられるリスクを十分に把握したうえで転職の目的と照らし合わせ、結論を出しましょう。
35歳を過ぎて転職する場合には、職場の労働環境も視野に入れた転職活動を行いましょう。産休・育休の取得率や時短勤務制度の有無といった福利厚生の充実度、また男女の比率やキャリアを活かした業務に就けるかなど、自分自身が求める働きやすい環境が整っているかを事前にチェックしておくことが大切です。
35歳を過ぎてからの転職は、たとえ未経験の職種であっても即戦力としてのスキルが求められる傾向があります。まずはこれまで積み上げてきた経験やスキルを整理し、自分がどの程度評価されるのかを見極めましょう。スキルの洗い出しやアピールポイントの見極めに迷った際には、転職エージェントの活用がおすすめです。
マイナビエージェントでは、各業界に精通したキャリアアドバイザーが経験やスキルをじっくりとヒアリングし、一人ひとりに合った転職先のご提案から資料作成・面接対策までをサポートいたします。
一般的には年齢を重ねるにしたがって、転職のハードルは高くなる傾向がみられます。しかし35歳を過ぎてからでも、転職は可能です。転職先の選択肢を広げたりマッチング度が高い企業を選んだりすることも、転職成功率を高める方法のひとつといえます。
アピールポイントが分からなかったり、職務経歴書の書き方で迷ったりした際には、ぜひマイナビエージェントにご相談ください。経験豊富なキャリアアドバイザーが的確なアドバイスを行い、転職活動を幅広くサポートいたします。
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