異動願いは、キャリアアップや環境改善に向けた重要なステップのうちの一つです。人事制度の確認や上司への相談をしたうえで、マナーを守って異動の希望を出しましょう。
本記事では、異動願いの書き方や基本マナー、希望が通りやすい人の特徴などについて詳しく紹介します。例文を交えつつ効果的な伝え方を解説しますので、異動希望を叶えたい方はぜひ参考にしてください。
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1. 異動願いとは?
異動願いとは、現在の部署から別の部署へ異動を希望する際に提出する申請書のことです。書式や提出方法については企業ごとに異なります。
ただし、異動願いはあくまでも「部署異動したい」という従業員の意思を示すものであり、企業が必ずしも受理してくれるとは限りません。また、そもそも異動願いという制度がない企業もあるため、まずは自社の規定を確認することが大切です。
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2. 異動願いを出す前に行うべきこと
異動願いを出したいと考えている場合は、スムーズに異動願いを提出できるよう、以下の点をチェックしておきましょう。
2.1. 自社の人事制度を確認する
まず、自社の人事異動がどのような制度に基づいて実施されているのかを、就業規則などで確認しましょう。従業員自ら異動の意思を示せる制度には以下のようなものがあります。
自己申告制度
従業員が自分の希望する異動先や業務を会社に申告する制度です。企業はその情報をもとに、適材適所の配置を検討します。
社内公募制度
新たなポジションや業務に対して、従業員からの応募を募る制度です。意欲的かつ適性のある人材を選出できる仕組みの一つといえます。
社内FA制度
従業員自ら、希望する部署へ能力を売り込む制度です。希望部署のニーズにマッチすれば異動が叶います。
2.2. 直属の上司に相談する
部下が異動希望を出すことを上司が知らないのは問題になるため、まずは直属の上司に相談することが大切です。
上司は現状の業務やチーム全体の状況を把握しているので、アドバイスやサポートが受けられる可能性もあります。
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3. 異動願いの基本マナー
異動願いを出す際に意識すべき基本的なマナーを紹介します。提出するタイミングや記載する内容に注意しましょう。
3.1. 繁忙期を避けて提出する
異動願いは上司や人事部に負担をかけることのないよう、年度末・連休明け・決算月などの繁忙期を避けて提出しましょう。また、繁忙期に提出すると、異動の検討が後回しにされてしまう可能性もあります。
なお、制度によっては異動願いに提出期限が設けられている場合もありますが、期限がなくいつでも提出可能といったケースでは、異動希望日の1ヵ月前を目途に提出するのが適切です。
3.2. 会社への不満を書かない
異動願いを提出する際には、会社や上司、現在の職場への不満を記載しないことが重要です。不満を強調すると、単なるわがままと受け取られ、仕事への責任感や協調性が欠けていると見なされることがあります。
結果として会社側に良い印象を与えず、異動をさせてもまた同じ不満を抱くのではないかという懸念から、希望が通りにくくなる可能性が高くなります。
3.3. 前向きに働く意欲を示す
異動願いを提出する際は、前向きに働く意欲を示すことが重要です。異動の希望理由を「新しいスキルを身につけたい」「別の分野で経験を積み、会社に貢献したい」といった前向きな表現で伝えることで、積極性や成長意欲をアピールできます。
これにより、会社側も異動が組織全体にとって有益であると判断しやすくなります。今後のキャリアビジョンを具体的に描いたうえで気持ちを伝えられると良いでしょう。
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4.【理由別】異動願いの例文
ここでは、具体的な異動願いの例文を理由別に紹介していきます。なお、異動願いのフォーマットは企業ごとに異なり、「勤続年数」や「希望異動日」を明記しなければならない場合もあるので、自社の規定を確認したうえで記入しましょう。
4.1. キャリアアップを目的とした異動願いの例文
キャリアアップを目的とする場合は、これまでの実績や自身が持つスキル、今後の目標などを具体的に明記すると良いでしょう。
このたび、営業部で培った顧客分析力や市場調査スキルを活かし、マーケティング部で更なる成果を目指したいと考え、異動を希望いたします。
これまで、○○エリアでの売上を前年比120%に伸ばした実績があり、その経験を活かして新規市場開拓やブランド価値向上に貢献したいと考えております。自己成長と会社への貢献を目指し、全力で取り組む所存です。
4.2. 能力不足による異動願いの例文
今の仕事が合わないと感じる場合は、「どんな能力が足りないのか」「異動後の部署ではどのように貢献できるのか」を明記すると、より真意が伝わりやすいでしょう。
現在の経理業務における高度な会計知識の不足を痛感しており、より適性のある総務部への異動を希望いたします。総務業務で必要な調整力やコミュニケーション力には自信があるため、社内外の連携を円滑に進めることで会社に貢献したいと考えております。現職での経験も活かし、新たな職務において全力を尽くす所存です。
4.3. 人間関係の悩みによる異動願いの例文
人間関係に悩む場合は、「自分のコミュニケーション能力が不足しているため、対外スキルを磨きたい」とすれば、より前向きな姿勢をアピールできます。
開発部での業務に励んでまいりましたが、現在、チーム内での連携や対話のスキルが不足していると感じております。この課題を克服するため、営業部で対外的な経験を積みたいと考え、異動を希望いたします。お客様との直接的なやり取りを通じて、コミュニケーションスキルを磨きつつ、貴社の売上拡大に貢献したいと考えております。
4.4. 家庭の事情による異動願いの例文
家族の介護など異動を希望する理由を明記したうえで、異動後も変わらず会社の業績に貢献する意思があることをアピールしましょう。
父の介護を理由にリモートワークが可能な職場での勤務が必要となり、システム部への異動を希望いたします。これまで営業部での業務を通じ、CRMシステムやデータ分析ツールを活用した効率的なプロセス改善を提案しつつ、売上拡大に貢献してきました。これらのスキルをシステム部での業務に応用し、社内システムの改善やサポートに尽力したいと考えております。
4.5. 体調不良による異動願いの例文
体調不良の理由を明らかにし、異動することでどのような改善が見込めるのかを記載しましょう。異動した方が、より会社への貢献度が高くなるといった内容を伝えるのがおすすめです。
現在、長時間の外出を伴う営業業務が体調不良により難しくなり、デスクワークが中心の総務部への異動を希望しております。営業部での経験を通じて培ったスケジュール管理やコミュニケーションスキルを活かし、社内の業務サポートや環境整備に取り組みたいと考えております。体調に合った業務に移ることで、効率的に働きながらより大きな貢献を目指す所存です。
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5. 異動願いを出すメリットとデメリット
異動希望の意思を示す異動願いですが、提出することで自身の希望が通る可能性が出てくる一方、希望が受け入れられない可能性もあります。
5.1. 異動願いを出すメリット
人事異動の際、またそれ以外のタイミングでも、希望の部署へ異動できる可能性が高まることが、異動願いを出す大きなメリットです。
また、現在の仕事にストレスや悩みを感じているのであれば、異動願いを出すタイミングで上司や人事部に相談することも可能です。相談することによって適切なサポートや改善を促せるのも異動願いの利点といえます。
5.2. 異動願いを出すデメリット
人事の決定権は会社側にあるため、異動願いを出したとしても希望が通らないこともあります。
また、希望が通っても、働く環境や仕事内容が変わるため、新しい部署に慣れるのに時間がかかる場合もあります。待遇面などで差が生じる可能性があることにも注意が必要です。
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6. 異動願いが通る人の特徴
異動願いが通るか通らないかはケースバイケースですが、以下のような人は希望が通りやすくなる可能性があります。
6.1. 異動を希望する気持ちが上司に伝わっている
上司とのコミュニケーションがしっかり取れていれば、上司は部下の意向やキャリア目標を理解しやすく、異動の提案に対して積極的にサポートしてもらえる可能性が高まります。
また、普段から業務に対する姿勢が評価されていれば、上司は部下の異動希望を前向きに捉え、会社側に相談しやすくなります。
6.2. 自分のキャリアプランと会社の方向性が一致している
異動が組織にとっても有益だと判断すれば、会社はより前向きに異動を検討するでしょう。そのため、自分のキャリアプランと会社の方向性が一致していることを積極的にアピールする必要があります。
一方、キャリアの方向性が会社の方針とずれていると、「異動は会社にとっては意味のないもの」と捉えられてしまう恐れがあります。異動希望を叶えるには、会社側にとっても利点があることを伝える工夫が重要です。
6.3. 異動先で求められるスキルを身につけている
異動は、社員が新しい部署で成果を上げ、会社全体の成長に貢献することを期待して行われます。そのため、異動先で必要なスキルを持っている社員は、優先的に異動させてもらえる可能性があります。
また、必要なスキルを持つことで異動後も即戦力として活躍でき、会社からの評価も高まるでしょう。
6.4. 現在の仕事で実績を上げている
既に業績を上げている社員は、仕事に対する能力が認められている存在です。上司や人事部からの信頼も厚く、異動先でも会社の業績に貢献してくれる可能性が高いので、異動希望も通りやすいでしょう。
また、実績がある社員は仕事に前向きであることが多く、新たなチャレンジの場を提供することでさらなる成長が期待されます。そのため、こういった社員を積極的に異動させて経験を積ませたいと考える企業は多いです。
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7. 異動願いが通らなかった際の対処法
「異動願いを提出したのに、希望通りの異動ができなかった」という方は多くいます。もしも、異動願いが通らなかった場合はどのように対処すれば良いのでしょうか。
7.1. スキル向上や実績作りに努める
異動の希望が叶わなくても、現在の職場で成果を上げることで次回は希望が通るかもしれません。新しいスキルを習得したり、プロジェクトで重要な役割を果たしたりして、前向きな姿勢を積極的にアピールしましょう。
また、自己成長を目指せば、再度異動願いを出す際に自信を持ってその実力を証明できます。どんな状況でも与えられた仕事を真摯にこなし、結果を出し続けようとする意欲が異動を実現させるための鍵となります。
7.2. 転職を検討する
異動したい理由によっては、転職を検討するのも一つの方法です。例えば、「社風が合わない」「給料に不満がある」といった場合は、もし異動できたとしても、ストレスを感じたまま働き続けることになるでしょう。
そのため、異動願いを出すより自分に合う仕事を見つけ、早めに転職する方が将来的なメリットが大きくなる可能性があります。もしも、転職に対して不安を感じる場合は、転職のプロである転職エージェントの利用がおすすめです。
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8. まとめ
異動願いを出す際は、自分の希望を明確に伝えることが重要です。理由はポジティブで前向きなものにし、会社への感謝の気持ちや今後の成長を強調しましょう。また、提出前に上司と相談し、適切なタイミングで提出することも大切です。
異動願いが通る人の特徴としては、「業務で実績を上げている」「会社の方針と自分のキャリアが一致している」などが挙げられます。スキルを磨き、前向きに取り組んでいく姿勢を示すことで、異動の可能性を高めることができます。
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