20代前半の平均年収は、やはり新卒入社からあまり期間が経過していないこともあって、男性・女性ともに200万円台からのスタートとなっています。この年代での特徴として挙げられるのは、他の年代では歳を重ねるごとに平均年収はアップする傾向にありますが、この年代に関してはその法則に当てはまらないところです。
例えば、21歳から23歳にかけての平均年収だけを見ると下降傾向にあります。これは、高卒や短大卒などで早くに就職した層が21歳頃には多少のキャリアを積んで昇給しているものの、22～23歳には4年制大学を卒業した新人が増えるため、そのキャリアの差によって平均年収が下がる年代であることが考えられます。つまり、これらの年代ではいずれも新人1年目である可能性があるため、必ずしも年齢によって平均年収が上昇するわけではないということです。
ちなみに、転職後に年収アップした割合は21・22歳は初めての就職であるため100％となっていますが、男性で23歳では64％、24歳では76％となっています。これらの年代は第二新卒での採用と考えられ、転職による年収アップ率もそれなりの数値を出していると思われます。

20代後半の平均年収では男女合わせての数値は300万円台に突入しています。男性だけを見た場合でも300万円台にアップしており、女性もおおむね300万円台が多くなっています。この年代からは歳を追うごとに年収がアップする傾向にあり、男女合わせての平均では年齢ごとに10～20万円ずつ上昇しています。
男女別に見てみると、男性では年齢ごとに20万円程度アップし続けている一方、女性では10～15万円程度のアップとなっています。男女で年収のアップ率が若干異なっている結果、29歳時点では男性と女性の平均年収に若干開きが見え始めているのがわかります。これは、結婚や出産などをこの年齢で経験する女性が出始めることが影響していると言えるでしょう。
転職後に年収がアップした率を見ると25歳が一番高く、男性で70％という数値が出ています。その他の年代ではばらつきがあるものの50～60％台にとどまっています。これは、25歳という年代は社会人としての経験や仕事のスキルもある程度積んでおり、さらにまだ若く将来性が見えるという点から転職先での高待遇が望めることが影響しているものと考えられます。

30代前半の平均年収では年齢ごとに大きな開きはあまり見られません。特に30～32歳ではほぼ横ばい状態となり、その傾向は男女ともに変わりがありません。男女ともの平均では31歳のときに1万円程度下がっており、それは女性の平均年収にばらつきが見られるためです。女性だけで見ると31歳と34歳で年収が下がっている傾向にあります。これは結婚や出産などによって時短勤務に変更するなどこの年代で働き方を変える人が多いことが考えられます。
転職後の年収アップ率については男性で見ると34歳が一番高く、64％となっています。それに次いで33歳の62％、31歳の60％という数値が見られます。この年代は仕事において次へのステップアップを考える時期でもあり、転職によってそれを実現できる年齢であると言われています。そのため、30代後半と比べるとまだ転職による年収アップは見込みやすいと見ることもできます。
男性・女性ともに人生のターニングポイントを人それぞれに迎える時期でもある30代前半は平均年収において法則性があまりないのが特徴です。

30代後半の男女ともの平均年収についてはおおむね400万円台となっており、年齢によって段階的に上昇している傾向にあります。38歳の時点では500万円台にまでアップしています。この年代になると男女ともに働き方が安定し更に役職に就く方も多くでてくるため、年齢によって年収をアップさせることができると言えます。
またこの年代では男女を比較したときにかなり年収に開きが見られ、35～39歳にかけて男性は475万～542万円となっているのに対し、女性では340万～472万円となっています。ただ、女性が仕事でキャリアを積むことも普通になってきたことから、今後はこの差が埋まっていく可能性も少なくありません。
転職後の年収アップ率は男性の39歳に高い数値を見せており、75％となっています。仕事的には円熟期に入る年齢ですから、転職先で即戦力になるだけではなく管理職にステップアップできる可能性があるためと考えられます。その他の年齢では男性で30～50％台となっており、この年代全体で見た転職による年収アップ率は30代前半よりも若干低くなります。