手取りとは? 年々減っている!? 計算方法や年代別平均額を紹介!

手取りとは? 年々減っている!? 計算方法や年代別平均額を紹介!

「思っていたよりも給与の振込金額が少なかった」といった経験がある方もいるのではないでしょうか。多くの場合、その原因は、手取り額と額面給与の違いが理解できていないことにあります。

そこで今回は、手取りや額面給与とは何か基本給にプラスされる手当控除されるもの手取り額の計算方法などを解説していきます。

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はじめて転職する場合の7つのポイントを確認する。

1.「手取り」とは「差引支給額」

手取りとは、本人が受け取れる給与額のことを指します。会社が決定した給与額から社会保険料や税金などが控除された後の金額です。

給与明細では「差引支給額」欄に記載された金額が手取りの額となります。

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2.額面給与は「総支給額」

額面給与とは、社会保険料や税金などが控除される前の金額で、基本給だけでなく各種手当がある場合はそれがプラスされたものです。つまり、会社から支給される全額が額面給与にあたります。

給与明細でいうと、「総支給額」欄に記載されている金額です。

2.1.基本給にプラスされる手当

基本給に手当などをプラスした金額が額面給与ですが、手当にはいくつか種類があります。会社や本人の属性によってプラスされるものは変わりますが、主に以下のような手当が基本給にプラスされます。

2.1.1.通勤手当

通勤手当は、自宅から会社までの交通費として支給される手当です。多くの企業で支給されている手当ですが、支給条件は千差万別です。定期代の支給や実費支給、1ヵ月あたりの上限額が設けられているなど、さまざまなケースがあります。

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2.1.2.残業手当

残業手当は時間外手当ともいわれ、1日8時間、週40時間の法定労働時間を超過した労働時間に対して支給される手当です。法律により通常の25%増しの金額と定められています。

2.1.3.資格手当

資格手当は、会社が指定する資格を取得した従業員に対して支給される手当です。多くのケースでは業務に関連性のある資格が指定されますが、種類も金額も企業によって大きく差があります。

2.1.4.役職手当

役職手当は役職者に対して支給される手当です。一般の従業員よりも担う業務領域が広くなり、業務上の責任も重くなることが多いため、その程度に応じて支給額が決定されます。

2.1.5.住宅・家族手当

住宅手当は家賃補助ともいわれ、従業員の住宅関連費用の軽減を目的として支給される手当です。家賃補助や住宅ローン補助、社員寮の提供など、企業によってさまざまな形態があります。

家族手当は配偶者や子供がいる従業員に対して支給される手当です。多くの場合扶養手当とは別で、配偶者が扶養外でも対象となることが多いです。1人あたりの金額が定められており、子供より配偶者に対する支給額が高いことが多いです。

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3.額面給与から控除されるもの

額面給与から控除されるものは、以下の社会保険料や税金となります。

3.1.健康保険料

健康保険料は、病院にかかる際に利用できる健康保険制度への加入にあたり額面給与から控除されます。会社員の場合は会社が属する健康保険組合に保険料を納める形となる場合が多く、会社と折半した金額が差し引かれます。また、健康保険組合がない場合は、全国健康保険協会の「協会けんぽ」に加入する場合もあります。

3.2.厚生年金保険料

厚生年金保険料は、会社員対象の公的年金制度の加入にあたり額面給与から控除されます。それぞれの給与額によって毎月の保険料は変わりますが、健康保険料と同様に会社と折半となります。

3.3.雇用保険料

雇用保険料は、失業時に失業手当や再就職手当を受給できる雇用保険の加入に伴い、額面給与から控除されます。健康保険料や厚生年金保険料と同様で会社と折半となります。

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3.4.所得税

所得税は、それぞれの所得に対してかかる税金です。前年の1月1日~12月31日の給与から算出され、毎月の額面給与から控除されます。過剰に支払った分は年末調整によって還付されます。

3.5.住民税

住民税は、1月1日時点で居住している市区町村に対して支払う税金です。税率は各市町村によって異なり、毎年6月から12等分した金額が、毎月額面給与から控除されます。

3.6.介護保険料

介護保険料は、介護を要する人たちに必要な支援を提供できるよう、社会全体で支える目的で支払う保険料です。40歳以上64歳以下の従業員に支払い義務があり、毎月の額面給与から控除されます。

上記のほかにも、企業によっては積立金や労働組合費などが控除される場合があります。

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4.手取りの計算方法を知っておこう

給与明細を見れば手取り額はわかりますが、自分で計算することも可能です。計算式は以下のとおりです。

手取り=(基本給+各種手当)-(社会保険料+所得税+住民税(控除されるもの))

なお、各項目の金額が曖昧な場合は概算を計算することもできます。一般的に手取り額は額面給与の75~85%程度といわれているため、以下のように計算が可能です。

【例】額面給与25万円の場合

25万円×0.75=187,500円

25万円×0.85=212,500円

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5.【年齢別】手取り平均額

自身の手取りが多いのか少ないのか、気になっている方もいると思います。

ここからは、厚生労働省が発表している「令和3年賃金構造基本統計調査」の結果をもとに日本の手取り平均額を年齢別に見ていきます(※額面給与である「賃金」から20%引いた額を手取りとします)。

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(性、年齢階級別賃金)

【画像出典】厚生労働省「令和3年賃金構造基本統計調査」

実際に金額を見てみると当然のことながら年齢に従って給与は上昇傾向にありますが、男女差がかなりあることもわかります。

産業別や役職別などに分類条件を変えると平均の手取り金額もこの数値とは異なってきますが、ひとつの目安として転職などの際に参考にしてみてください。

なお、一般に月給制の場合の「年収」は月給に加えてボーナス(賞与)も含めた額面給与のことを指しますので、月間の手取り額から年収を算出する場合は注意が必要です。

5.1.20代

20~24歳:170,480円(男性:172,320円、女:168,560円)

25~29歳:196,960円(男:202,640円、女:188,960円)

5.2.30代

30~34歳:220,640円(男:232,400円、女:198,800円)

35~39歳:244,000円(男:261,600円、女:208,000円)

5.3.40代

40~44歳:262,400円(男:286,080円、女:215,920円)

45~49歳:275,440円(男:306,240円、女:216,720円)

5.4.50代

50~54歳:292,960円(男:329,680円、女:222,320円)

55~59歳:292,420円(男:330,880円、女:218,640円)

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2回目以降の転職で気を付けるべきポイントを確認する。

6.「手取り」が減少している理由

ここ数年、「手取りが減っている」という声が広がっています。

6.1.社会保険料や税金など、自由にならない「非消費支出」の割合が年々上昇

その理由は、控除される金額が増えたからです。

健康保険料、厚生年金保険料、雇用保険料、介護保険料などの社会保険料が年々上昇していることが、会社員の手取り額に影響を及ぼしています。

総務省実施の「家計調査」では、社会保険料や税金など、自由にならない「非消費支出」が実収入に占める割合を調査しています。その推移を見てみると、2000年に15.70%だった非消費支出の割合は、2020年には18.19%にまで上昇しています。

2000年には、介護保険法の成立により介護保険料の控除が始まりました。さらに、各健康保険組合の料率も年々増加傾向です。上記要因が非消費支出の増加に影響し、手取り額が減少している場合があることがうかがえます。

(参考:「厚生労働省『令和2年賃金構造基本統計調査』」)

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7.転職する際は手取り額を把握しておくことが大事

転職の際には、応募先企業や内定先企業の手取り額を把握するようにしましょう。求人情報や雇用契約書に掲載されている給与額は、手取りではなく額面給与であることが多いです。そのため、記載されている金額がそのまま給与支給日に振り込まれると思っていると、大きな誤算が生じてしまう可能性があります。

転職を考える際は、なるべく早い段階で手取り額を把握しておくようにしましょう。社会保険料の控除額がわからない場合は、人事担当者に大まかな金額を質問してみることをおすすめします。住民税に関しては各市町村のホームページでシミュレーションできる場合があります。

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8.まとめ

手取りと額面給与は大きくギャップがあるため、仕組みを理解していないと「こんなはずじゃなかった」と後悔する可能性があります。

特に転職時には、手取り額をきちんと把握せずに入社してしまうと、想定よりも少ない給与で家計をやりくりしなければならなくなります。給与が原因となり再び転職しなければならなくなる可能性も否めません。

転職した先の企業で長く働き続けるためにも、事前に手取りのシミュレーションを行い、無理なく生活できる金額であるかを確認することが大切です。

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