多くの企業では夏と冬の年2回、ボーナスが支給されます。1回の平均支給額は約41万円というデータがありますが、実際は業種や年代、また大手企業か中小企業かなどの条件によって大きく異なります。そこで、本記事では各カテゴリごとのボーナス平均額をわかりやすく紹介します。他の人がどれくらいのボーナスをもらっているのか気になるという方は、ぜひ参考にしてください。
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1. ボーナスの平均額は?給与の何ヶ月分?
多くの企業で支給される年2回のボーナスを、毎回心待ちにしている方も多いのではないでしょうか。ここではまず、全体のボーナス平均額と月給に対する割合を紹介します。
1.1. 1回のボーナス平均額は約41万円
厚生労働省の発表によると、令和6年の夏季ボーナス平均額は414,515円、令和6年の冬季ボーナス平均額は413,277円でした。令和5年と比較すると、およそ17,000円アップしています。
なお、調査対象の全事業所のうち、夏のボーナスを支給しているのは73.0%、冬は77.8%でした。つまり、およそ2~3割の企業ではボーナスが支給されていないことになります。
ボーナスが支給されない理由としては、「そもそもボーナス制度がない」「業績悪化で支給ができなかった」「年俸制を採用している」といったことが挙げられます。
【出典】厚生労働省「毎月勤労統計調査 令和6年9月分結果速報等」
【出典】厚生労働省「毎月勤労統計調査 令和7年2月分結果速報等」
1.2. 1回のボーナスの平均手取り額は約33万円
ボーナスからは、所得税、健康保険料、厚生年金保険料、雇用保険料が差し引かれます。これらの控除額は、給与額や扶養人数などによって異なるものの、合わせて約2割と言われています。
そのため、1回の平均支給額が約41万円だった場合、手取り平均額は約33万円になる計算です。
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1.3. 1年間のボーナス平均支給割合は給与の2.12ヵ月分
同じく厚生労働省の発表から給与に対するボーナスの支給割合を見てみると、令和6年の夏季ボーナスは1.05ヵ月分、令和6年の冬季ボーナスは1.07ヵ月分でした。つまり1年間のボーナス総支給額の平均は、給与の2.12ヵ月分ということになります。
なお、業種別に見ると最も割合が多いのは「電気・ガス業」で3.75ヵ月分でした。さらに詳しい業種ごとのボーナス平均額は、次の項目で紹介します。
【出典】厚生労働省「毎月勤労統計調査 令和6年9月分結果速報等」
【出典】厚生労働省「毎月勤労統計調査 令和7年2月分結果速報等」
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2. 【条件別】ボーナスの平均支給額
ここからは、業種・性別・年齢・従業員数・学歴という5つのカテゴリ別で、ボーナスの平均額を紹介します。各業種では平均何ヶ月分のボーナスが出ているのか、20代・30代・40代の平均ボーナスはいくらくらいなのかを詳しく解説するので、ぜひ参考にしてください。
2.1.【業種別】ボーナスの平均支給額
業種別のボーナス平均支給額は以下のとおりです。
※令和6年の年間ボーナス支給状況
(事業所規模:従業員5人以上)
業種 | 夏季ボーナスの平均支給額 | 冬季ボーナスの平均支給額 | 給与に対する支給割合に対する支給割合 |
---|---|---|---|
鉱業,採石業等 | 558,769円 | 612,066円 | 2.24ヵ月分 |
建設業 | 543,670円 | 540,595円 | 2.28ヵ月分 |
製造業 | 547,928円 | 558,186円 | 2.13ヵ月分 |
電気・ガス業 | 881,533円 | 943,474円 | 3.75ヵ月分 |
情報通信業 | 739,621円 | 707,303円 | 2.59ヵ月分 |
運輸業,郵便業 | 395,736円 | 398,540円 | 1.95ヵ月分 |
卸売業,小売業 | 382,412円 | 373,565円 | 2.05ヵ月分 |
金融業,保険業 | 703,753円 | 641,032円 | 3.23ヵ月分 |
不動産・物品賃貸業 | 588,824円 | 551,281円 | 2.98ヵ月分 |
学術研究等 | 645,387円 | 588,937円 | 2.63ヵ月分 |
飲食サービス業等 | 75,897円 | 83,199円 | 0.81ヵ月分 |
生活関連サービス等 | 186,504円 | 184,277円 | 1.46ヵ月分 |
教育,学習支援業 | 567,828円 | 589,333円 | 3.15ヵ月分 |
医療,福祉 | 282,874円 | 308,846円 | 1.89ヵ月分 |
複合サービス事業 | 429,741円 | 455,496円 | 3.34ヵ月分 |
その他のサービス業 | 241,311円 | 236,048円 | 2.25ヵ月分 |
平均額が最も多い業種は「電気・ガス業」で、夏冬合わせると182万円を超えるボーナスが支給されています。転職を考える際は、こういった業種別のボーナス平均額を参考にするのも1つの方法です。
【出典】厚生労働省「毎月勤労統計調査 令和6年9月分結果速報等」
【出典】厚生労働省「毎月勤労統計調査 令和7年2月分結果速報等」
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2.2.【男女別】ボーナスの平均支給額
性別ごとの年間ボーナス平均支給額は以下のとおりです。
※令和6年の年間賞与その他特別給与額
(事業所規模:従業員10人以上)
性別 | 年間ボーナス平均支給額 |
---|---|
男性 | 1,124,900円 |
女性 | 667,600円 |
男女別で年間のボーナス平均支給額を見ると、およそ45万円の差があることが分かります。
【出典】e-Stat 政府統計の総合窓口「令和6年賃金構造基本統計調査|学歴、年齢階級別きまって支給する現金給与額、所定内給与額及び年間賞与その他特別給与額」
2.3.【年代別】ボーナスの平均支給額
次に、年代別のボーナス平均支給額を見てみましょう。
※令和6年の年間賞与その他特別給与額
(事業所規模:従業員10人以上)
年代 | 年間賞与 その他特別給与額 |
---|---|
~19歳 | 156,900円 |
20~24歳 | 396,800円 |
25~29歳 | 686,200円 |
30~34歳 | 830,700円 |
35~39歳 | 991,000円 |
40~44歳 | 1,110,000円 |
45~49歳 | 1,186,400円 |
50~54歳 | 1,237,100円 |
55~59歳 | 1,267,700円 |
60~64歳 | 787,200円 |
65~69歳 | 398,700円 |
70歳~ | 249,900円 |
年齢別に見ると、55~59歳の1,267,700円が最も多くなっています。
なお、新卒の夏のボーナスは査定対象外のため数万円であることが多いものの、冬のボーナスからは通常通り支給される可能性があります。
【出典】e-Stat 政府統計の総合窓口「令和6年賃金構造基本統計調査|学歴、年齢階級別きまって支給する現金給与額、所定内給与額及び年間賞与その他特別給与額」
2.4.【従業員数別】ボーナスの平均支給額
次に、企業の従業員数別のボーナス平均支給額を紹介します。
※令和6年年間賞与その他特別給与額
従業員数 | 年間賞与 その他特別給与額 |
---|---|
10~99人 | 622,900円 |
100~999人 | 919,400円 |
1000人以上 | 1,271,800円 |
従業員数が100人未満の中小企業に比べて、1,000人以上の大企業ではボーナスの平均額も多いということがわかります。
【出典】e-Stat 政府統計の総合窓口「令和6年賃金構造基本統計調査|学歴、年齢階級別きまって支給する現金給与額、所定内給与額及び年間賞与その他特別給与額」
2.5.【学歴別】ボーナスの平均支給額
最後に、学歴別のボーナス平均支給額を紹介します。
※令和6年の年間賞与その他特別給与額
(事業所規模:従業員10人以上)
最終学歴 | ボーナス平均支給額 |
---|---|
中学 | 518,800円 |
高校 | 761,700円 |
専門学校 | 774,700円 |
高専・短大 | 929,000円 |
大学 | 1,264,800円 |
大学院 | 2,092,100円 |
専門的な知識を身につけているとされる大卒や大学院卒の方は、より責任ある仕事を任される機会が多いことが多いことから、ボーナス平均額も高くなりやすい傾向にあります。
【出典】e-Stat 政府統計の総合窓口「令和6年賃金構造基本統計調査|学歴、年齢階級別きまって支給する現金給与額、所定内給与額及び年間賞与その他特別給与額」
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3. そもそもボーナスとは
ここでは、そもそもボーナスとはどういうものかについて解説します。ボーナスの種類や支給額の決め方など、ボーナスの基本を改めて確認しておきましょう。
3.1. ボーナスに支給の義務はない
そもそもボーナスとは毎月必ず支給される給与以外に、臨時的または定期的に支給される賃金のことです。給与は支給が義務付けられているのに対して、ボーナスには法的義務がないため、支給なしでも問題ありません。
ただし、賞与制度を設けて、就業規則、労働契約、労働協約のいずれかで支給に関する事項を定めている場合は、その通りに支給されなければなりません。
現在、多くの企業で賞与制度は設けられており、夏と冬の2回のボーナスが支給されます。もしも、「賞与制度がない」「1回しか支給されない」「額が少なすぎる」など、ボーナスに関する不満がある方は、支給額アップを目指して転職を検討してみましょう。
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3.2. 企業のボーナスは主に3種類
企業のボーナスは主に、基本給連動型賞与、業績連動型賞与、決算賞与の3種類です。それぞれの特徴は以下の通りです。
・基本給連動型賞与
毎月の給与の基本給に対して、支給月数をかけた金額が支給されます。例えば、支給月数が3カ月分と決まっていれば、ボーナス額は「基本給×3ヵ月」となります。支給月数は企業が独自に決定できるため、労働契約などでしっかり確認しておきましょう。
・業績連動型賞与
企業や個人の業績に応じた金額が支給されます。基本給連動型と異なり、支給額は毎回変化します。また、同じ仕事をしている従業員間でも、支給額の差が大きくなるのが特徴です。
・決算賞与
決算月の前後に支給されます。ただし、決算の状況によっては支給されないことも多い賞与です。夏・冬のほか、3回目のボーナスとして支給されることもあれば、ボーナスは決算賞与のみという会社もあります。
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3.3. ボーナス額の決め方
ボーナス額の決め方は各企業に委ねられています。例えば、基本給与連動型賞与を採用している企業であれば、「半期の経常利益率が〇%以上であった場合、支給月数を2カ月にする」などの基準を定めているケースが多いです。
また、等級や役職に応じて、独自のボーナス額算出基準を設けている企業も存在します。ボーナス額の決め方は企業によって異なるため、少しでも疑問を感じたら就業規則や雇用契約書をチェックしましょう。
近年は、従業員のモチベーションを高めるために、ボーナスの支給額を引き上げる企業も多くなっています。年収がアップする可能性もあるので、今の収入に満足していない方は転職を視野に入れておくのもおすすめです。
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3.4. ボーナスから引かれる税金や保険料
ボーナスからも以下の税金や保険料が引かれます。これらが差し引かれて、実際に手元に振り込まれるのが「手取り」です。
・所得税
・健康保険料
・厚生年金保険料
・雇用保険料
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4. ボーナスがある会社のメリットとデメリット
ボーナスがある会社のメリット・デメリットには、以下のようなことが考えられます。
【ボーナスありのメリット】
- 仕事のモチベーションが上がる
- 収入が増える
やはり、毎月の給与以外に報酬をもらえることは、仕事へのモチベーションアップに繋がります。年2~3回ボーナスが支給されることで収入は確実に上がるので、働く楽しみも増えるでしょう。
【ボーナスありのデメリット】
- 業績が悪い場合、年収が下がるリスクがある
- ボーナスをあてにした将来設計が崩れる恐れがある
企業の業績が悪いとボーナスの支給額も少なくなり、年収が大幅にダウンしてしまうリスクがあります。また、ボーナス支給を見込んで大きな買い物をしたりローンを組んだりした場合、支給額が大きく減ると将来設計が崩れてしまう恐れもあります。
5. ボーナスがない会社のメリットとデメリット
ボーナスがない会社のメリット・デメリットには、以下のようなことが考えられます。
【ボーナスなしのメリット】
- 毎月の給与が高く設定されることが多い
- 業績にかかわらず収入が安定する
ボーナスがない企業では、その分毎月の給与が高めに設定されていることが多くなります。そのため、ボーナスがなくても収入は安定する可能性があります。
【ボーナスなしのデメリット】
- ボーナス払いを利用しづらい
- 仕事のモチベーションが上がりにくい
ボーナスがない場合はショッピングローンなどのボーナス払いを利用しにくいため、大きな買い物がしづらくなります。また、毎月の給与以外に収入がなく、仕事へのモチベーションが上がりにくいということもあるかもしれません。
6. ボーナスアップのためにするべきこと
業種や年齢ごとのボーナス平均額を見て、「自分のボーナスは意外と少なかった」と感じる方がいるかもしれません。そこで、ここではボーナスアップのためにするべきことを紹介します。
6.1. 職場の評価制度を確認する
ボーナス額は会社の業績によって大きく左右されます。そのため、業績アップのために貢献したことが認められれば、ボーナス査定においてプラスの評価をもらえる可能性があります。
報酬に関わる人事評価制度の中身は企業によって異なるため、自分の会社がどのような判断で評価をし、それを給与やボーナスに反映させているのかを、まずはしっかり確認することが重要です。
6.2. 会社への貢献をアピールする
せっかく会社の業績アップに貢献しても、その頑張りを認めてもらえなければボーナスアップには繋がりにくいです。そのため、上手にアピールすることが重要です。具体的な例としては、業績アップに繋がった仕事を細かく報告したり、貢献内容を数値化してまとめたりするのが有効です。
6.3. 転職でアップする可能性も
上記の方法を試しても、なかなかボーナスアップに結びつかないという場合は、思い切って転職を視野に入れてみましょう。転職することで年収がアップしたり、今よりさらにやりがいのある仕事に出会えたりするかもしれません。
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7. まとめ
ボーナスの平均額は、業種や年齢、中小企業か大企業かによって大きく異なります。ボーナスにはメリット・デメリット両方ありますが、給与以外に報酬をもらえることは仕事のモチベーション維持にも役立ちます。
もしも、「ボーナス平均額に達していない」「ボーナスが少なすぎる」など、今の支給額に不満がある場合は、マイナビエージェントのキャリアアドバイザーにご相談ください。今のキャリアを生かしながら、さらなる年収アップが目指せる転職先を、一緒に探していきましょう。
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