年俸制やインセンティブなど、給与形態の多様化が進んでおり、ボーナスの在り方も変化しています。ボーナスの査定期間は、夏季が前年10月〜翌3月頃、冬季が4月〜9月頃が一般的です。では、ボーナスの金額は一体どのように決まるのでしょうか?この記事では、ボーナスがどのように査定されているのか、その査定期間や仕組みについて解説します。(Misa)
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1. ボーナスの査定期間はいつ?
ボーナス(賞与)とは、月給など通常の給与とは別に支給される一時金のことです。企業によっては「特別手当」と呼ばれることもあります。
ボーナスの査定期間は、夏季が前年10月〜翌年3月頃、冬季が4月〜9月頃が一般的です。支給時期は、夏季が6月〜7月頃、冬季が11月下旬〜12月中旬頃となっています。
1.1. ボーナスの平均額
業種によって差はありますが、令和6年度における夏のボーナスの平均額は349,436円、冬のボーナスの平均額は基本給の1.07ヵ月分にあたる360,791円でした。いずれも前年より増加しています。
ボーナスの支給額は、企業の業績や経済の動向によって大きく変動します。また、支給の有無やその額は、社員の働き方や企業の方針、さらには労働市場の動向にも影響を受けるため、毎年異なる傾向が見られます。
【出典】厚生労働省「毎月勤労統計調査-令和6年9月分結果速報及び令和6年夏季賞与の結果(p14参照)」
【出典】厚生労働省「毎月勤労統計調査-令和7年2月分結果速報及び令和6年年末賞与の結果(p14参照)」
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2. ボーナスは3種類に分けられる
民間企業のボーナスの有無や金額、回数は法律で定められておらず、各企業が独自にその制度を決めています。そのため、ボーナスがどのような仕組みになっているかは企業によって異なります。
ここでは一般的によく見られる3つの種類について確認しておきましょう。
2.1. 基本給連動型
基本給与連動型は、月給の何ヵ月分かをボーナスとする方法です。例えば、「基本給2ヵ月分をボーナスとする」などといった形で決めます。
具体的には、年俸額の16分の1を月給とし、残り4ヵ月分を夏・冬のボーナスとして支給する方法が取られています。
2.2. 業績連動型
業績連動型は、業績に基づいてボーナスの原資を決め、成果に応じて分配する方法です。
多くの企業で採用されている方法で、会社の業績、部署や個人の業績によって金額が変動します。この方法では、ボーナス額を決定するための「査定」が、夏・冬のボーナス支払時期に合わせてそれぞれ支払前に行われます。
また、勤務状況や成果などの「査定項目」や「査定基準」は企業によって異なり、職種や役職によって異なる場合もあります。それぞれの規程にしたがって評価されます。
2.3. 決算賞与
ボーナスというと、上記のように夏・冬の年2回支給される「定期賞与」がイメージされますが、企業が決算を迎えて業績が良かった場合に支給される「決算賞与」のように、不定期に支給されるボーナスもあります。
決算賞与は、企業の利益を従業員に還元する目的で支給されます。全従業員に同じ金額で支給する「一律定額」のケースや、役職・部署によって金額が変わるケースなど、支給金額の決定方法はさまざまです。
一律定額のボーナスは、パートやアルバイト従業員に適用されることも多いので、雇用形態を問わず、企業のボーナスの種類や仕組みを理解しておきましょう。
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3. 業績連動型ボーナスの査定期間は?
業績連動型のボーナスでは、勤務状況や成果に応じて個人のボーナスの額を決定するため、査定を行います。この査定を行う期間のことを「査定期間」と呼び、ボーナスは査定期間の勤務に対して支給されます。
査定期間は、夏・冬の年2回(6~7月・11月~12月)の賞与を支給する場合、夏の査定期間は前年10月〜翌年3月頃、冬の査定期間は4月〜9月頃となることが一般的です。査定期間が終わった後、支給日までの間に各従業員の評価や支給額の計算が行われます。
ただし、賞与規程に「支給日に在職していない社員には賞与を支給しない」という支給日在籍要件を設けている企業も少なくありません。支給日前に退職した社員には賞与を支給する義務がないため、注意が必要です
転職を検討している際は、待遇や仕事内容も重要ですが、こういった部分も事前にしっかりとチェックしておく必要があります。このような点は転職エージェントでも相談できます。
3.1. 査定に影響する要素
ボーナスの査定には、以下のような要素が影響します。
- 役職
- 勤続年数
- 出勤状態
- 業績
- 勤務態度
これらの要素については、就業規則などの規定に基づいて決定されるため、事前に確認しておくことが重要です。また、ボーナスにも月々の給与と同様に、所得税や社会保険料(健康保険料、厚生年金保険料、雇用保険料)が課せられます。
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4. 査定前に退職を申し出るとボーナスが下がる?
退職を予定している際、ボーナスをもらってから退職しようと考える人は多いでしょう。しかし、査定前に退職を申し出ると、ボーナスが減額される場合もあります。
会社や上司の立場からすると、退職予定の社員より今後も働き続ける社員の方が将来への期待値が高いためです。
4.1. 転職活動をする際は慎重に
ボーナスのことを考えると、転職活動は慎重に行わなければなりません。前述のように、査定期間後でも支給日に在職していなければボーナスをもらえない可能性があります。
転職による退職を申し出るタイミングが査定開始より前、あるいは査定期間中と重なってしまうと、支給額が下がってしまう可能性もあります。確実にボーナスを受け取りたい方は、転職活動を行う時期はよく考えたうえで決めることをおすすめします。
一人で不安な時は転職エージェントを頼って相談してみましょう。
4.2. 自社の規程をよく確認しておこう
ボーナス支給後に退職を申し出るのがタイミングとしては良いかもしれませんが、退職希望日によっては査定前に申し出ておかないといけない場合もあります。したがって、退職を考えはじめたら、就業規則や賃金規程などを見て自社のボーナスのルールをしっかり確認しておくと良いでしょう。
ただし、退職予定の社員とそうでない社員で支給額を大幅に変えるのは法律的にも不当な扱いである可能性があります。ボーナスの査定基準や査定期間を理解したうえで支給額に納得できない場合は、会社側に改めて確認しましょう。
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5. 査定期間中に休職していてもボーナスはもらえる?
体調不良や産休などで休職をしている場合、休職期間と査定期間が重なっているとボーナスをもらえるかどうか気になる方は多いのではないでしょうか。
ボーナスは仕事の成果に対して支給されるとしている企業が多いので、査定期間に出勤していないと減額またはもらえない可能性があります。
ただ、会社によって異なりますので、気になる方は社内規程を確認してみましょう。
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6. 新入・中途採用社員はいつからボーナスが支給される?
会社の規程によって異なりますが、入社してから6ヶ月以降から支給される場合が多いです。
試用期間については、評価に含まないとする企業もあれば、査定期間に試用期間が含まれていても6ヶ月経過していればもらえる企業もあります。
また、満額支給されるかどうかは、査定期間の開始日から在籍していることが条件のことが多いです。
例えば1月入社の場合、夏のボーナスまで6ヶ月以上あるので支給される可能性が高いですが、前述の通り7月支給の場合の査定期間は10月~3月になることが多いので、支給額は在籍している1月~3月分の評価に基づいて計算されることになります。
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7. 公務員のボーナスについては法律や条例がある
公務員の場合、「期末手当」や「勤勉手当」という手当が民間企業で言うボーナスに当たります。期末手当は勤続年数に応じたもの、勤勉手当は勤務成績に応じて査定される手当です。
支給日や査定期間も法律や条例で定められており、国家公務員の支給日は6月30日と12月10日です。査定期間は6月支給分では12月2日~6月1日、12月支給分では6月2日~12月1日であり、地方公務員についてもこれに準じて条例が定められていることが多いです。
手当の計算方法は「(基本給+地域手当+扶養手当)×支給月数」で、支給月数の基準は民間企業における月給およびボーナスの調査結果から決定されます。
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8. 転職して給与・ボーナスアップを目指す
「長く勤めていても、なかなか給与やボーナスアップが見込めない」と悩んでいる方も多いのではないでしょうか?
8.1. キャリアアップ転職をする
給与やボーナス支給額を上げたいと思っている方は、今持っているスキルや資格を活かして、より高度な仕事ができる企業へのキャリアアップ転職を検討しましょう。
給与やボーナス支給額が上がれば、仕事へのモチベーションアップにもつながります。
また、キャリアアップ転職を考えている場合は、目指す職業に関連する資格の取得を目指すことで、転職が有利になるでしょう。
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8.2. 転職エージェントに相談してみる
転職を考えている方は、転職エージェントに相談してみましょう。
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また、給与やボーナス支給額を上げたいと思っていても、いざ内定をもらって条件交渉をする場面になった際は要望を伝えづらいものです。
「マイナビエージェント」では、内定後の条件交渉を代行で行ってくれる場合もあるため、より理想に近い条件での転職が叶うかもしれません。
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原稿:Misa
ITベンチャーで企画、人材開発、広報などを経て独立。現在はコンサルタント、ときどきライター。ライターとしては、IT系以外、アニメ・マンガ、車から美容・健康まで何でもチャレンジ中。