ボーナスがない会社は何割?賞与なしの会社で働くメリットや注意点

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夏と冬、年に2回のボーナスを心待ちにしているという方が多い一方で、「勤めている会社にはボーナスがない」という方もいます。実際に、ボーナスが支給されない会社は何割くらいあるのでしょうか。また、ボーナスがないことで生活にどんな影響があるのでしょうか。

この記事では、ボーナスがない会社の割合を紹介するとともに、ボーナスなしの会社で働くメリットやデメリット、ボーナスなしの会社に転職する際の注意点などを詳しく解説します。

【関連記事】「ボーナスの平均額は?年齢・業種・規模別に紹介!手取り額の計算方法も」

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1 正社員なのにボーナスがないのはなぜ?

日本国内の企業では、多くの場合年に1~2回のボーナスが支給されますが、中にはボーナス制度を導入していない企業も存在します。ここではボーナスがない会社の割合や、ボーナスがない場合の違法性について解説します。

1.1 ボーナスがない会社は約3割

厚生労働省の公表によると、令和5年度の夏にボーナスが支給されたのは全業種の65.9%、令和4年度の冬にボーナスが支給されたのは70.5%と、約7割の企業でボーナスが支給されています。裏を返せば、約3割の企業ではボーナスが支給されていないということになります。

ボーナスがない理由としては、「業績が悪化しているから」「その分月々の給料を高くしているから」「年俸制で月々の給与額が一定だから」など、さまざまな要因が考えられます。

【出典】厚生労働省「毎月勤労統計調査(全国調査・地方調査):結果の概要」

1.2 ボーナスがなくても違法ではない

ボーナスは法的に義務付けられているものではなく、支給条件は企業の判断に委ねられています。そのため、ボーナス制度がなくても問題はなく、就業規則などに明記されているのであれば、業績の悪化などを理由にボーナスの支給を見送ったとしても、違法ではありません。

1.3 ボーナスなしが問題になる場合とは

ボーナスには法的義務がないため、企業はボーナス制度を導入するのであれば、支給対象や条件、期間などを就業規則や雇用契約書などに明記しておく必要があります。

もしも、「就業規則などにボーナスに関する記載があるにもかかわらず、ボーナスが支給されなかった」「不支給に関する記載がないのに、突然ボーナスがなくなった」「育休や産休を理由に支給を拒否された」といった場合は、違法となる可能性があります。

【関連記事】「ボーナス・賞与とは?もらえる時期・平均額・手取りの計算方法を紹介」

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2 【業種別】ボーナスの支給割合

一般的に、ボーナスがない職業としてはどういったものが多いのでしょうか。ここでは、ボーナスを支給している割合を業種別に紹介します。

※令和5年夏季賞与の支給状況
(事業所規模5人以上)

業種支給事業所数割合
鉱業、採石業、砂利採取業 100.0%
建設業 67.8%
製造業 72.4%
電気・ガス・水道業 87.1%
情報通信業 70.5%
運輸業、郵便業 66.2%
卸売業、小売業 66.5%
金融業、保険業 88.8%
不動産業、物品賃貸業 71.2%
学術研究、専門・技術サービス業 73.1%
宿泊業、飲食サービス業 50.2%
生活関連サービス等 45.3%
教育・学習支援業 73%
医療、福祉 67.7%
複合サービス事業 97.2%
その他のサービス業 68.6%

令和5年度夏のデータから、ボーナスを支給している企業を業種別に見ると、鉱業・採石業等が100%と最も高く、複合サービス事業97.2%、金融業・保険業88.8%と続きます。一方、生活関連サービス業は45.3%と最も低い数字となっています。

【関連記事】「夏・冬のボーナス支給はいつ? 会社員と公務員の支給日・平均額、引かれる額の計算方法」
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3 ボーナスなしになりやすい会社の特徴

ボーナスがないことにはさまざまな理由があると説明しましたが、実際ボーナスなしになりやすい会社には、以下のような特徴があります。

3.1 規模の小さい零細企業

事業規模の小さい零細企業は、市場変動や競争の影響を受けやすく、売上高や内部留保が少ないことがあります。大手企業と比較すると従業員の数も少なく、大きな設備投資を行えないこともあるでしょう。そうなると、給与以外の報酬を支払うのが難しくなり、ボーナスが支給できなくなることも考えられます。

3.2 スタートしたばかりのベンチャー企業

ベンチャー企業とは独自のアイデアや技術を用いて、事業の成長や拡大を目指す新興企業のことです。スタートしたばかりのベンチャー企業は、まだ経営が安定していないことも多く、経営が波に乗るまではボーナスを後回しにする企業もあるでしょう。

また、事業の立ち上げには多額の資金が必要になる場合もあり、ボーナスを支給できる資金的余裕がない可能性も考えられます。

3.3 業績が悪化している会社

業績が悪化すると、企業の売上高や利益は減少し、資金繰りが厳しくなることがあります。そうなった場合、企業はコスト削減や効率化を図るため、組織の合理化を検討します。その一環として、ボーナスの支給が見送られることもあるでしょう。

経営の安定性が低下し、将来の見通しが不透明になった企業では、ボーナスの支給が経営上のリスクとなる可能性があるからです。

3.4 年俸制を導入している会社

年俸制では1年間の給与総額が決まっており、その給与を月々定額で支給するのが一般的です。そのため、月給制のように別途ボーナスが支払われるのではなく、毎月の給与にボーナスが含まれているという考え方になります。

つまり、定額支給の年俸制は「ボーナスはないが、毎月の給与に分割されたボーナスが上乗せされている」と言えます。

3.5 労働組合がない会社

労働組合とは、賃金などの労働条件の改善を図るために従業員で組織する団体です。ボーナスを含め賃金体系に不満があったとき、個人での交渉は難しいものですが、労働組合があれば従業員が一致団結し、組織として会社と交渉できます

そのため、一般的に労働組合がある会社の方が、ボーナス制度を導入していることが多いと言われています。

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4 ボーナスがない会社で働くメリット

「ボーナスない会社はきつい」「収入が減るからやばい」など、ネガティブな声がある反面、ボーナスがない会社にはいくつかのメリットがあります。ここでは主に3つのメリットについて解説します。

4.1 もともとの給与が高い場合がある

ボーナス制度を導入していない企業では、月々の給与を高く設定している場合があります。ボーナスがないと年収が少なく感じるかもしれませんが、毎月の基本給が高ければ、ボーナスありの人と年収は同等、もしくは上回ることも考えられます。

4.2 年収が安定する可能性がある

ボーナスは企業の業績に大きく左右されます。業績が悪化すれば、大幅な減額になったり不支給になったりすることもあるでしょう。そうなれば、入社当初に想定していた年収は大きく減ることになります。

一方、ボーナスを支給しない年俸制の場合は、1年間の給与総額が決まっているため、企業の業績によって年収が減ることはなく、安定した収入を得やすくなります。

4.3 福利厚生が手厚い場合がある

ボーナス制度がない代わりに、福利厚生を充実させている企業もあります。企業が独自に設けている法定外福利厚生には以下のようなものがあります。

  • 住宅手当・家賃補助
  • 育児・家族・介護手当
  • 通勤・交通費支給
  • 資格手当・資格取得補助
  • 医療・健康関連補助
  • 社員食堂
  • 宿泊・レクリエーション

もしも、このような福利厚生が設けられていれば、結果的にボーナスをもらった場合と同等のメリットを享受できる可能性があります。

4.4 退職時期に迷う必要がなくなる

転職などを理由に退職しようと思ったとき、ボーナス制度がある場合は「せっかくならボーナスを受け取ってから辞めたい」と考える方が多いでしょう。確かに、12月にボーナスが出るのに、11月で辞めてしまってはもったいない気がします。とはいえ、「ボーナスをもらってすぐに退職を申し出るのも気が引ける」という思いから、なかなか退職を言い出せない方もいるのではないでしょうか。

一方、ボーナス制度がない会社であれば、時期に迷うことなくいつでも退職を申し出ることができます。

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5 ボーナスがない会社で働くデメリット

上記のようなメリットがある一方で、ボーナスがない会社で働くことには以下のようなデメリットもあります。

5.1 貯蓄が少なくなる可能性がある

毎月の給与は日々の生活費に消えてしまっても、ボーナスはできるだけ貯蓄にまわしているという方もいるでしょう。臨時収入として受け取れるボーナスを貯めておくことで、効率的に貯蓄を増やすことができます。

一方、ボーナスがない場合は毎月の給与から貯蓄していかなければならず、計画的に貯めないと、なかなか貯蓄額が増えない可能性があります。

5.2 大きな買い物をしづらくことがある

高額な家具や家電を買う際は、ボーナスをあてにすることも多くなります。また、ボーナスを住宅や車の頭金にしたり、ローン返済でボーナス払いを組み込んだりすることもあります。しかし、ボーナスがない場合は臨時収入をあてにできないため、大きな買い物をする際も毎月の給与から支出しなければなりません。

5.3 モチベーションが低下することがある

給与以外の臨時収入であるボーナスは、モチベーションの維持に繋がります。また、企業によっては個人の業績を評価してボーナス額を決定する場合もあり、ボーナスは従業員の向上心をアップさせる意味でも効果的です。

一方、ボーナスが無い場合は毎月の給与以外に収入がなく、「目標がない」「やる気がでない」など、仕事へのモチベーションが低下してしまうことが考えられます。

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6 ボーナスなしでも収入をアップさせる方法

ボーナスがないことで収入が少なく、今後の生活に不安を感じる方がいるかもしれません。そこで、ここではボーナスなしでも収入をアップさせる方法を3つ紹介します。

6.1 スキルを磨いて昇進を目指す

収入は昇進するごとにアップしていくのが一般的です。企業によっては昇給に加えて、一定の役職以上に「役職手当」を支給している場合もあります。そのため、高度なスキルや知識を身につけて、昇進を目指すことが収入アップの近道と言えます。

6.2 副業を行う

空いている時間を利用して、副業を行うことでも収入アップが目指せます。自宅でできる副業としては、Webライター・動画編集・ブログ運営・出品代行などさまざまなものがあります。自分の得意なことを活かせば、楽しみながら副収入を得られるでしょう。

ただし、企業によっては副業を禁止している場合もあります。違反がばれると懲戒処分を受ける可能性もあるため、しっかり確認してから始めることが大切です。

6.3 資産運用を行う

月々の給与から資産運用を行って、自らボーナスを作り出すのも一つの方法です。2024年からスタートした新NISAは、非課税期間の無期限化や非課税上限額の拡大などもあり、さらにメリットが大きくなっています。

大きな利益を期待するなら、株式を購入してみるのも一つの方法です。少額から始めれば、リスクを抑えた運用が可能です。ただし、資産運用は必ずしも元本が保証されているわけではなく、損失が出る可能性もあることは把握しておく必要があります。

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7 ボーナスがない会社への就職・転職で注意すべきこと

転職しようと思っている会社にボーナスがなかった場合、どういった点に注意すればいいのでしょうか。ここでは、ボーナスがない会社へ転職する際の注意点をお伝えします。

7.1 基本給が高く設定されているか

ボーナスがない分、基本給が高く設定されているかを確認しましょう。求人の中には、「年俸700万円可能」と記載していても、実際は数年経たないと相応の額はもらえず、入社当初は月給20万円程度で賞与なしというケースもあります。

そのため、「入社後、基本給で実際にいくらもらえるのか」「その水準はボーナスありと比較して高いのか」といった点をしっかり確認することが大切です。

7.2 成果に対するインセンティブはあるか

インセンティブ制度とは、従業員のモチベーションや業績向上を促進するための報酬制度です。インセンティブ制度を導入している企業では、一定の成果や目標達成に応じて、従業員に報酬が支払われます。

ボーナスのように定期的な報酬ではないものの、頑張り次第ではボーナスありの場合よりも高い収入を得ることができるかもしれません。

7.3 福利厚生の内容は十分か

ボーナスがなくても、通勤・住宅・子育て・食事・レクリエーションなどの手当がもらえれば、ボーナス以上のメリットを得られる可能性があります。福利厚生が充実している企業は、従業員の満足度も高く、業績も安定していることが多いため、年収とともにぜひチェックしておきたいポイントです。

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8 まとめ

日本国内では、約3割の企業がボーナスを支給していません。ボーナスを支給しない理由としては、業績の悪化や年俸制の導入などが挙げられますが、ボーナスがないこと自体に違法性はありません。

ボーナスがない会社には、もともとの基本給が高かったり、年収が安定しやすかったりというメリットがある一方で、大きな買い物がしづらく、モチベーションが保ちづらいといったデメリットもあります。ボーナスがない会社を選ぶ際は、生活にどういった影響があるのかを確認し、納得したうえで判断することが大切です。


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