20代のボーナス平均額は?手取り額から大企業の支給額まで徹底解説

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20代は一般的に若手と呼ばれる年代ですが、入社したての前半と業務に慣れてきた後半では、企業内の立ち位置も変わってきます。そのため、同じ20代でも勤務年数によって、支給されるボーナス額は変動する可能性があります。

本記事では20代のボーナス平均額について詳しく解説します。業種・男女・学歴・規模などの項目ごとに、20代前半と20代後半に分けて細かく紹介するので、20代のボーナスについて知りたい方はぜひ最後までご覧ください。

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1 20代のボーナスは平均いくら?

20代の方の中には、入社したてで仕事を覚えている途中という方が入れば、ある程度慣れて大きな仕事を任せてもらえるようになってきたという方もいるでしょう。そんな20代のボーナス平均額はいくらなのでしょうか。

ここではまずボーナスの仕組みを簡単に説明し、ボーナスを支給する企業の割合や、全年代のボーナス平均額を紹介していきます。

1.1 そもそもボーナスとは

ボーナスとは、毎月の固定給以外に定期的または臨時的に支給される賃金のことです。労働次官通達によると、「賞与とは、定期又は臨時に、原則として労働者の勤務成績に応じて支給されるものであって、その支給額が予め確定されていないものをいうこと。」と定義されています。

ただし、労働基準法の本則にはボーナスに関する定義はありません。つまり、ボーナスは支給が義務付けられているものではなく、金額も企業が自由に決めていいものとされています。

【出典】厚生労働省「発基第一七号|都道府県労働基準局長あて労働次官通達」

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1.2 ボーナスを支給する企業の割合

厚生労働省の公表によると、令和5年度の夏にボーナスが支給されたのは全業種の65.9%、令和4年度の冬にボーナスが支給されたのは70.5%と、約7割の企業でボーナスが支給されています。

令和5年度夏のデータから、ボーナスを支給している企業を業種別に見ると、鉱業・採石業等が100%と最も高く、複合サービス事業97.2%、金融・保険業88.8%と続きます。一方、生活関連サービス業は45.3%と最も低い数字となっています。

【出典】厚生労働省「毎月勤労統計調査(全国調査・地方調査):結果の概要」

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1.3 全年代のボーナス平均支給額は約78万円

厚生労働省の公表によると、令和4年度の全業種・全年代のボーナス平均支給額は、夏が389,331円、冬が392,975円、年間で782,306円でした。夏と冬を比較した場合、大きな差はないものの、若干冬の方が多い傾向と言えます。

【出典】厚生労働省「毎月勤労統計調査(全国調査・地方調査):結果の概要」

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2 【項目別】20代のボーナス平均額

ここからは、厚生労働省が公表した令和4年度のデータから、20代のボーナス平均額を項目別に紹介します。入社後まだ間もないことが多い20~24歳と、少しずつ仕事に慣れ始める25~29歳に分けてまとめました。


【出典】厚生労働省「令和4年賃金構造基本統計調査(学歴、年齢階級別きまって支給する現金給与額、所定内給与額及び年間賞与その他特別給与額)」

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2.1 【業種別】20代のボーナス平均額

まずは、業種別に20代のボーナス平均額を見てみましょう。

※令和4年年間賞与の支給状況(民間)
(事業所規模10人以上)

業種20~24歳の平均賞与額(千円)25~29歳の平均賞与額(千円)
鉱業、採石業、砂利採取業 615.6 966.6
建設業 437.6 728.3
製造業 519.5 711.6
電気・ガス・水道業 584.1 964.9
情報通信業 321.7 713.1
運輸業、郵便業 375.3 545.6
卸売業、小売業 383.4 698.5
金融業、保険業 417.1 1045.5
不動産業、物品賃貸業 344.3 794.1
学術研究、専門・技術サービス業 421.6 760.3
宿泊業、飲食サービス業 140.8 251.7
生活関連サービス等 121.8 260.4
教育・学習支援業 393.4 662.5
医療、福祉 376.8 664.5
複合サービス事業 544.7 761.0
その他のサービス業 187.4 327.7

20~24歳の平均賞与額が最も多い職種は「鉱業・採石業・砂利採取業」で、その額は約61万円でした。25~29歳では「金融業・保険業」が最も多く、約104万円となっています。またどの業種でも、20代前半より20代後半の方が支給額は増えています

2.2 【男女別】20代のボーナス平均額

次に、男女別の20代ボーナス平均額を見てみましょう。

※令和4年年間賞与の支給状況(民間)
(事業所規模10人以上)

性別20~24歳の平均賞与額(千円)25~29歳の平均賞与額(千円)
男性 424.6 710.8
女性 336.4 583.5

男女別の年間賞与平均額を見ると、20代前半、後半ともに男性の方が上回っています。近年は女性活躍推進法が施行され、男女の年収差は狭まりつつあるものの、勤務体系やキャリアの中断などによって、どうしても女性の年収は低くなりがちな傾向です。

2.3 【学歴別】20代のボーナス平均額

次に、学歴別の20代ボーナス平均額を紹介します。

※令和4年年間賞与の支給状況(民間)
(事業所規模10人以上)

最終学歴20~24歳の平均賞与額(千円)25~29歳の平均賞与額(千円)
中学 211.5 309.9
高校 496.8 538.0
専門学校 296.2 500.5
高専・短大 447.5 654.7
大学 339.8 787.4
大学院 51.8 950.1

20代前半は、18~20歳頃から働き始める高卒や短大卒の方の平均額が高くなっています。しかし、20代後半になると、大卒や大学院卒の方の平均額がその他を上回ります。理由として、専門的な知識を身につけているとされる大卒や大学院卒の方は、より責任ある仕事を任される機会が多いことが挙げられます。

2.4 【企業規模別】20代のボーナス平均額

最後に、従業員数による企業規模別の20代ボーナス平均額を紹介します。

※令和4年年間賞与の支給状況(民間)
(事業所規模10人以上)

従業員数20~24歳の平均賞与額(千円)25~29歳の平均賞与額(千円)
10~99人 282.2 433.6
100~999人 385.6 635.0
1000人以上 452.2 834.8

従業員が1000人を超える大企業は、平均賞与支給額も多いことがわかります。ただし、従業員が少ないベンチャー企業などの中には、賞与が少ない分毎月の給与額を高く設定しているところもあります。そのため、賞与が少ないからといって、一概に年収が低いとは言い切れません。

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3 ボーナスに関するQ&A

ここでは、20代のボーナスに関してよくある質問を紹介します。支給額の決め方や、手取り額、中央値についても解説します。

3.1 支給額の決め方は?

ボーナスに法的な定めはなく、支給額の決め方は各企業に委ねられています。一般的には基本給与連動型賞与といって、「半期の経常利益率が〇%以上であった場合、支給月数を給与の2カ月分にする」など「給与の〇ヶ月分」という基準を設定しているケースが多い傾向です。

そのほかにも、等級や役職、個人の業績に応じて独自のボーナス額算出基準を設けている企業も存在します。このように、ボーナス額の決め方は企業によって異なるため、少しでも疑問を感じたら就業規則や雇用契約書をチェックしましょう。

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3.2 給与に対するボーナスの支給割合は?

「給与の〇ヶ月分」という基本給与連動型賞与を導入している企業が多い中、実際に給与何ヶ月分のボーナスが支給されているのでしょうか。令和4年度の給与に対するボーナスの支給割合は以下の通りです。

※令和4年夏季・年末賞与の支給状況
(事業所規模5人以上)

業種【夏季賞与】きまって支給する
給与に対する支給割合
(ヵ月分)
【年末賞与】きまって支給する
給与に対する支給割合
(ヵ月分)
【年間】きまって支給する
給与に対する支給割合
(ヵ月分)
鉱業、採石業等 1.07 0.95 2.02
建設業 1.09 1.06 2.15
製造業 1.05 1.07 2.12
電気・ガス業 1.68 1.76 3.44
情報通信業 1.32 1.29 2.61
運輸業、郵便業 0.91 1.01 1.92
卸売業、小売業 0.99 1.02 2.01
金融業、保険業 1.66 1.60 3.26
不動産業、物品賃貸業 1.36 1.41 2.77
学術研究等 1.30 1.46 2.76
飲食サービス業 0.41 0.42 0.83
生活関連サービス等 0.63 0.65 1.28
教育・学習支援業 1.38 1.49 2.87
医療、福祉 0.87 1.01 1.88
複合サービス事業 1.66 1.76 3.42
その他のサービス業 1.00 1.06 2.06

業種別に見ると、電気・ガス業の3.44ヵ月分が最も高く、飲食サービス業等の0.83ヵ月分が最も低い割合でした。

【出典】厚生労働省「毎月勤労統計調査」

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3.3 手取り額や中央値はどれくらい?

給与と同様に、ボーナスからも「所得税」「社会保険料」「雇用保険料」が控除されます。そのため、実際に受け取る手取り額は、額面の約9~7割程度になることが多いでしょう。なお、ボーナスに住民税はかかりません。

また、ボーナスの中央値は公表されていないものの、令和4年度に厚生労働省が調査した結果によると、全世帯における所得額平均が約545万なのに対し、所得額中央値は約423万円と少ない金額となっています。そのため、年間約78万円のボーナス平均額も、中央値で見るともう少し少なくなることが予想されます

【出典】厚生労働省「各種世帯の所得等の状況」

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4 20代におすすめのボーナスの使い道

比較的、自由にお金を使うことのできる20代では、ボーナスをどのように使用すべきでしょうか。ここでは、20代におすすめのボーナスの使い道を4つ紹介します。

4.1 自己投資に使う

社会人として歩み始めたばかりの20代は、将来のために自己投資をすることで、さらなるキャリア発展や収入アップが目指せます。例えば、新しいスキルや資格を習得するための書籍を購入したり、トレーニングプログラムに参加したりするのがおすすめです。

また、ジムに通って体を鍛えたり、健康診断を受けて生活指導をしてもらったりするのも、将来に向けた自己投資の一種です。今だけでなく先のことを考えた上で、知識の向上や健康の維持を目的に自己投資するのは、ボーナスの賢い使い道と言えます。

4.2 投資資金にする

新NISAの登場をきっかけに、日本では投資への注目が集まっています。ボーナスを株式、債券、不動産などの投資に回すことで、将来のリタイアメント資金を増やせるかもしれません。20代であれば、30年、40年という長期投資も可能であり、場合によっては十分なリターンも期待できます。

ただし、投資は絶対に安全とは言い切れません。リスクを確認せずにハイリターンを求めると、大きく損してしまう可能性もあります。そのため、リスクをしっかり理解した上で、資金は適切に分散させることが大切です。

4.3 家族へのプレゼントを買う

両親やきょうだいなど、家族へプレゼントを贈るのもおすすめです。身近な人に喜んでもらえることは、自分への投資とはまた違った満足感があります。普段は言えない感謝の気持ちを、ボーナスという機会に伝えるのもいいでしょう。

4.4 旅行へ行く

旅行へ行くのも満足度の高いボーナスの使い道です。旅行に行くことで、普段の生活では味わえない非日常の体験を味わえます。社会に出て間もない20代は、学生時代とのギャップに疲れを感じる年代です。そのため、旅行に行き日常を忘れてゆっくりリフレッシュすれば、「また仕事を頑張ろう」という前向きな気持ちになれるでしょう。

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5 20代がボーナスを増やす方法

20代の方の中には、「思ったよりボーナスが少ない」「なかなかボーナスが増えない」と不満や不安を抱えている方がいるかもしれません。そこで、ここではボーナスを増やすための方法を紹介します。

5.1 成果を出して昇進する

平均額の項目でお伝えした通り、基本的にボーナスは20代前半よりも20代後半の方が多くなる傾向です。これは、社会人としての経験値とスキルがアップし、より重要な仕事を任されるようになったことが理由の一つと考えられます。

そのため、仕事で成果を出して昇進し責任ある役職に就くことで、さらなるボーナスアップが期待できます。企業によっては、一定の役職以上に「役職手当」を支給している場合もあります。このことから、昇進を目指すことがボーナスアップへの近道であると言えます。

5.2 運用する

ボーナスの支給額アップが期待できないときは、もらったボーナスを運用で増やす方法があります。ただし、投資にはリスクがつきものであるため、いきなり大きな額を運用し、短期で大きなリターンを得ようとするのは危険です。不安な場合は専門家に相談しつつ、少額から始めるのがおすすめです。

5.3 転職する

ボーナスの額に納得がいかない場合は、思い切って転職するのも一つの選択肢です。特に、業績の悪化などによりボーナスがカットされたり、今後もボーナスが増える見込みがなかったりする場合は、早めに転職した方が将来的なメリットも大きくなる可能性があります。

ただし、ボーナスの額だけで転職先を決めると、肝心の仕事が合わずに後悔することにもなりかねません。働きながら条件にぴったり合う転職先を見つけたい場合は、転職エージェントなど転職のプロに頼るのも良い方法です。

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6 まとめ

20代でもらえるボーナスの平均額は、20代前半か後半かで大きな開きがあります。また、業種や学歴、企業の規模などによって、100万円以上もらえる方もいれば、数万円という方もいます。確かにボーナスが少ない企業の中には、毎月の給与を多く設定しているケースもあり、ボーナスの額が即年収に結びつくとは言い切れません。

しかし、経営状態の悪化などによりボーナスが減少した場合、特に20代の方は早めに転職を考えた方がいい場合もあります。紹介したボーナス平均額を参考に、将来のキャリア形成についてじっくり考えてみてはいかがでしょうか。

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