「年収」とは、1月1日から12月31日までの1年間に会社から支払われる報酬の合計額です。さまざまな場面で使用する言葉ですが、年収を聞かれた際にボーナスを含んだ金額を答えていいのかどうか迷った方も多いのではないでしょうか。本記事では年収にボーナスが含まれるのかどうか、さらに年収におけるボーナスの割合についても詳しく解説します。
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1 年収はボーナス含む?何月から数える?
1月1日から12月31日までの1年に得た収入が「年収」です。4月から新年度が始まる企業が多いため、年収を何月からカウントすべきか迷う方も少なくありませんが、1月1日からの1年間と覚えておきましょう。
そんな年収には、ボーナスも含まれるのでしょうか。ここではボーナスのほかにも、年収に含まれるか含まれないかを混同しがちなものについて解説します。
1.1 年収にはボーナスも含まれる
年収は企業から支払われる総支給額であり、ボーナスも含まれます。年収を聞かれた場合は、ボーナスを含む1年間の総収入を答えます。
ただし、ボーナスに法律上の支給義務はなく、業績や経営状況によって支給されないこともあります。ボーナス制度自体がない会社もあり、その場合は当然ながら年収にボーナスは含まれません。
1.2 年収に含まれるもの
年収には以下のようなものが含まれます。
- ボーナス
- 基本給
- 残業手当
- 役職手当
- 家族手当
- 住宅手当
ボーナスや基本給のほか、残業手当や役職手当といった各種手当も含まれます。また、年収は社会保険料や税金が引かれる前の額を指します。
1.3 年収に含まれないもの
以下のようなものは、一般的に年収には含まれません。
- 通勤手当や交通費(社会保険料の計算では年収に含まれる)
- 出張宿泊費
- 慶弔見舞金
通勤手当や交通費は、働いた結果として得られる報酬ではないため、通常年収には含まれません。ただし、社会保険料の計算で使用する年収には通勤手当も含まれます。そのほか、出張でかかった宿泊費や旅費、結婚祝い金やお見舞金といった慶弔見舞金も年収には含まれません。
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2 年収と混同しやすい言葉
ここでは、年収と混同しやすい「手取り」「年俸」「額面」「所得」について解説します。
2.1 手取り
年収が給与の総支給額であるのに対して、手取りは従業員が実際に受け取る「純収入」を指します。手取りは年収から社会保険料や税金が差し引かれた後の金額であり、別名「手取り収入」や「差し引き後の収入」とも呼ばれます。
2.2 年俸
年俸は企業と従業員との雇用契約に基づいて支払われる、1年間の給与額を表した言葉です。年俸制度では毎月の給与明細書が発行されず、年間の収入を月々等しく分割した形で支給されることが一般的です。
2.3 額面
額面と年収は同じ意味で使用されます。収入における額面とは、社会保険料や税金の控除がまだ行われていない総額のことです。基本給に加えて、残業代や役職手当、通勤手当など各種手当が含まれます。
2.4 所得
所得とは、年収から自営業の「経費」にあたる「給与所得控除額」を差し引いた金額のことです。税金申告や社会保険料の支払いでは、所得額に基づいて金額が算出されます。
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3 年収の計算・確認方法は?
自分の年収を計算・確認するにはどうしたらいいのでしょうか。ここでは、主な3つの方法を紹介します。
3.1 給与明細で計算する
年収は月々の給与明細とボーナスの支給明細で計算できます。まず、給与明細に記されている総支給額を1年分全て足し、そこにボーナスの総支給額を足せば年収がわかります。1年間分の給与明細を確認する手間がかかりますが、明細さえあれば誰でも確認できる分かりやすい方法です。
3.2 源泉徴収票で確認する
年末に会社から発行される「源泉徴収票」を見れば、簡単に年収が確認できます。年収は「支払金額」という欄に記載されている額です。一般的には中央部にわかりやすく記載されており、計算の必要もないため、年収を一目で確認したい方は源泉徴収票を確認しましょう。
なお、源泉徴収票は雇用形態に関係なく発行されるため、正社員だけでなくアルバイトやパートでももらうことができます。
3.3 所得証明書・課税証明書でも確認できる
自治体で発行してもらえる「所得証明書」や「課税証明書」でも年収は確認可能です。自治体ごとに様式や名称が異なる場合はありますが、いずれも年収はしっかり記載されています。ただし、200~300円程度の発行手数料が必要です。
4 民間企業のボーナス平均額と平均年収
ここからは厚生労働省が公表しているデータをもとに、令和6年における業種別の年間ボーナス平均額と平均年収を紹介します。なお、平均年収は年間ボーナス平均額に、1か月の平均給与額を12倍した数字を足して算出しています。
(事業所規模10人以上)
業種 | 年間ボーナス平均額 | 平均年収 |
---|---|---|
鉱業,採石業等 | 1,399,200円 | 6,279,600円 |
建設業 | 1,045,700円 | 5,652,500円 |
製造業 | 1,098,200円 | 5,351,000円 |
電気・ガス業 | 1,475,400円 | 7,451,400円 |
情報通信業 | 1,287,000円 | 6,329,400円 |
運輸業,郵便業 | 708,800円 | 5,012,000円 |
卸売業,小売業 | 1,064,100円 | 5,432,100円 |
金融業,保険業 | 1,433,100円 | 6,720,300円 |
不動産・物品賃貸業 | 1,220,700円 | 5,977,500円 |
学術研究等 | 1,379,300円 | 6,590,900円 |
飲食サービス業等 | 379,500円 | 3,960,300円 |
生活関連サービス等 | 461,200円 | 4,098,400円 |
教育,学習支援業 | 1,295,700円 | 6,008,100円 |
医療,福祉 | 697,000円 | 4,635,400円 |
複合サービス事業 | 1,058,900円 | 4,974,500円 |
その他のサービス業 | 522,900円 | 4,246,500円 |
平均額は事業所の規模や年齢によって異なるものの、もしも「自分のボーナスは少なすぎる」「平均年収と大きな差がある」といった場合は、転職することで年収アップが見込めるかもしれません。
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5 年収とボーナスでよくある質問
ここからは、年収とボーナスでよくある質問として、「年収におけるボーナスの割合」「求人情報の年収額」「面接で希望年収を聞かれた場合」という3点について解説していきます。
5.1 年収におけるボーナスの割合はどれくらい?
国税庁公表のデータによると、令和5年における日本の平均年収は460万円でした。続いて厚生労働省のデータから、令和5年度の夏期平均賞与は397,129円、冬期平均賞与は395,647円であり、年間の平均賞与は792,776円でした。
このことから、令和5年の年収におけるボーナスの割合平均は、792,776÷4,600,000×100=17.2%となりました。
これは平均値であり、業種や年齢、企業の規模によっては異なります。とはいえ、同業種と比べて明らかにボーナスの割合が低い傾向が見られる場合は、転職を視野に入れるのもいいでしょう。
【出典】国税庁「令和5年分民間給与実態統計調査」
【出典】厚生労働省「毎月勤労統計調査 令和5年9月分結果速報等」
【出典】厚生労働省「毎月勤労統計調査 令和6年2月分結果速報等」
5.2 求人情報の年収は「手取り」?
求人情報で企業が提示している年収は、基本的に「手取り」ではありません。例えば、「年収500万円」と記載されている場合、実際手元に残る「手取り」は、ここから税金や社会保険料が控除された額で約410万円が目安です。
また、「年収500万円」の中にはボーナスや各種手当が含まれているのが一般的ですが、中にはボーナス制度自体がなかったり、特別な手当が別途支給されたりするケースもあるため、事前にしっかりと確認しておきましょう。
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5.3 面接で希望年収を聞かれたときはどうする?
新卒や転職の面接では、希望年収を聞かれることがあります。これは、応募者が自社の採用条件に合っているかを的確に判断するためです。
もしも、このときに手取り額やボーナスを含まない金額を答えてしまうと、希望する年収よりも少ない額を面接官に伝えてしまうことになり、望んだ条件で採用してもらえなくなる恐れがあります。
また、転職の際は前職の年収を聞かれることも多く、実際より少ない額を答えることで市場価値を低く見積もられてしまうかもしれません。
そのため、面接で年収を答える際は、手取り額ではなくボーナスを含んだ総支給額を正確に答えるようにしましょう。
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6 まとめ
年収とはボーナスを含んだ総支給額を指す言葉です。税金や保険料が引かれた後の手取りと間違えないように、正しい認識を持つことが大切です。自分の年収がよくわからないという場合は、給与明細や源泉徴収票で確認しておきましょう。
新卒や転職で面接を受ける際は、年収について質問されることがあります。そのため、ボーナスを含んだ前職の年収や希望年収を正しく伝えられるように、あらかじめ準備をして臨みましょう。
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