夏のボーナスが支給されるという方もいらっしゃるかと思います。今回は、東京都が発表した「2022年の夏季一時金要求・妥結状況の中間集計結果(6月9日現在)」から、東京都内にある民間企業の夏ボーナスの状況を見ていきます。
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調査対象は都内に所在する1,000の民間労働組合。要求提出は300組合で、うち妥結は228組合、回答は10組合(いずれも集計可能数)となっています。
1.平均妥結額は77万6,077円、前年比4.75%増
既に妥結した労働組合のうち、前年妥結額と比較可能な228組合の平均妥結額は77万6,077円でした。
同一労組の前年妥結額74万868円と比べると、金額で3万5,209円増、率で4.75%増となりました。増加するのは、金額では2年ぶり、前年比では4年ぶりです。
(【画像出典】東京都プレスリリース)
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2.業種別の最高額は「建設業」の118万7,790円
産業別・業種別(5組合以上、17業種)の平均妥結額をみると、最高額は「建設業」の118万7,790円。以下、「情報制作(出版等)」が110万6,532円、「鉄鋼業」が99万647円、「食料品、たばこ」が93万5,713円と続きました。
最低額は「卸売・小売業」の56万4,765円で、次に低かったのは「道路貨物運送」の57万4,470円でした。
(【画像出典】東京都プレスリリース)
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3.前年比の増加率が最も大きいのは「鉄鋼業」
前年比では、増加率が最も大きかったのは「鉄鋼業」の72.49%増。次いで「機械器具製造業」が14.99%増、「輸送用機械器具」が14.20%増と続きました。
減少率が最も大きかったのは「パルプ、紙、紙製品」の5.81%減。以降、「情報通信機械器具製造業」が4.90%減、「道路貨物運送」が2.13%減となりました。
要求を提出した労働組合のうち、前年要求額と比較可能な300組合の平均要求額は81万3,158円でした。同一労組の前年要求額78万5,243円と比べると、金額で2万7,915円増、率で3.55%増となりました。
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4.まとめ
今回の調査では、都内民間企業の夏ボーナス平均が前年より増加したことがわかりました。コロナ禍の影響で業績が落ち込んだ企業が、少しずつ回復しつつある可能性があります。
ただ、急激に進む円安や、株価下落、物価高など不安要素もありますので、早くも冬のボーナスを気にする方もいるかもしれません。
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(【記事出典】東京都2022年夏季一時金要求・妥結状況(中間集計)プレスリリース)
(記事執筆:御木本千春)