急激な円安、半数近い企業が「マイナスの影響」--コスト増で打撃

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急激な円安が進む中、日本企業にはどのような影響が出ているのでしょうか。リスクモンスターが行った第1回「20年ぶりの円安進行に関する影響」調査によると、円安進行によりマイナスの影響を受けている企業半数近くに上ることがわかりました。

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調査はリスクモンスター会員企業・非会員企業を対象に、2022年5月23日~25日にインターネット上で行われ、47社から有効回答を得ました。

1.マイナスの影響を受けている業種、最多は「製造業」

20年ぶりの円安進行が、自社の業績にどのような影響を及ぼしているか尋ねたところ、「ほとんど影響がない」42.6%で最多となったものの、「ややマイナスの影響がある」38.3%「マイナスの影響がある」8.5%となり、合わせて半数近い46.8%の企業が円安進行によってマイナスの影響を受けていることが明らかになりました。

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マイナスの影響を受けている企業を業種別にみると、一番多かったのは「製造業」(66.7%)。次いで「サービス業」(57.1%)、「その他」(44.4%)、「小・卸売業」(28.6%)となりました。

一方、「建設業」では現状では円安の業績への影響は小さく、「変わらない」との回答が100%を占めました。また、「小・卸売業」では約5社に1社(21.4%)がプラスの影響があると答えました。

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(【画像出典】リスクモンスタープレスリリース)

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2.円安対策、企業の66%が「特に対策は取っていない」

円安進行により、自社の取引にどのような影響が生じているか質問したところ、1位「物価の上昇による間接的なコストの増加」(63.8%)、2位「輸入品の価格上昇によるコストの増加」(51.1%)、3位「物価の上昇による消費マインドの冷え込み」(31.9%)と続きました。

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(【画像出典】リスクモンスタープレスリリース)

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円安進行への対策については、「特に対策は取っていない」が多く66.0%。以下、「為替予約等のリスクヘッジ」(14.9%)、「仕入先の変更」「仕入量の抑制」(各12.8%)と続き、何らかの対策を講じている企業は約3分の1にとどまりました。

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(【画像出典】リスクモンスタープレスリリース)

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3.望ましいドル円相場は「100~119円台」

ドル円相場は何円台が望ましいと考えているか聞いたところ、「110~119円台」が59.6%、「100~109円台」が29.8%となり、「100~119円台」との回答が全体の約9割に達しました。

リスクモンスターでは「現状の円安進行に対して、元の水準に戻ってほしいという意向が大半を占めている」と分析しています。

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(【画像出典】リスクモンスタープレスリリース)

4.まとめ

今回の調査を行ったリスクモンスターは、「円安が進行すれば、コスト増を吸収しきれずに事業継続が困難になる企業も出てくることが予想されます」と指摘しています。今後は、政府・日銀に対して何らかの対応を求める声がより一層大きくなるものと思われます。

(【記事出典】リスクモンスタープレスリリース 第1回「20年ぶりの円安進行に関する影響」調査)

(記事執筆:御木本千春)

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